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[アーベルの首のすぐ傍でしゃがんで、対峙した。
本人は、あんまり見てほしくはないのかもしれないけど]
・・・イイ顔?今の状態だと、前より想像、難しいわ。
[頭を撫でたかったけれど、半壊している。]
[感覚を広げる。
たどる。
容易く出来るのは、自分が『力』を目覚めさせたものだったから、だろうか]
…………。
[感知した情景に。
言葉はなく。
ただ、蒼が翳りを帯びるのみ]
おい……。
[形骸を見つめるイレーネに、ぐしゃ、と前髪をかき上げ、呆れた声を上げる]
……ったく……大きなお世話だ。
[今の自分が、彼女の望む表情を容易く出来ること。
それを伝えられないのは、少しもどかしく]
そうだね。
私は死なない。
だから君も、試練に打ち勝つために頑張りなさい。
[素早い動きで壁に身を寄せ、腕を伸ばすユリアン。
ハンスがまた、何事か中で言ったようだった。
「犯人」という、推理小説めいた単語が飛び出している。
強く押された家具は…
ユリアンの言葉に頷くと、扉を押し開く。
まだまだ、ハンスの場所まで行くには家具に埋もれているが、人一人が入れる(勿論、身を狭めたりしなければいけないだろう)隙間が出来たようだった。]
ナターリエはとても優しい子だ…。
[小さな呟きは聞こえただろうか。それとも]
[イレーネを見ながら、わずかに目を細める]
[アーベルの感情には安堵が強かったけれど、エーリッヒは…]
[目を、閉じる]
死が、救いとなる人もいるのかもしれない…。
[あたしは、決してそうではないけれど]
[こちらを見るエルザの視線に気付いて]
死が、救いに・・・。
・・・でもそうでない人は、戦うしかないわ。
[淡々とした口調は、少し冷たく響き目の前の人のよう]
全員、が、死で救われるわけでは、ないのに。なんで、どうして・・・。
[脳裏に浮かぶのは、あたたかい笑顔のひとたち]
>>167
…はい。
力の及ぶ限り!
[頑張りなさい、その言葉に強く頷いて。
ハンスが中で何事か言う言葉に心乱されることもなく、クレメンスの手によって押し開かれた扉を観察した。
どうやら扉前は、ありったけの家具で埋もれている。
それでも人一人、入れる隙間はできたようだ]
どうぞ、神父さま。
[ナターリエの名を呟くクレメンスの声は、耳に届かなかった。
神父がハンスの部屋へと先に入る事を促す手で扉を指しただけ]
ハンスと最初に言葉を交わすにふさわしいのは、あなただと俺は思うんです。
神父さまの声を聞いてそれでもなお、落ち着きを取り戻せない人がいたらそれは……神さまに仇なす者だからなんだと、思う。
神さまを、そのお声を聞く神父さまを恐れる、悪魔側の…人狼側の者だからなのだと、俺は考えます。
だからどうぞお先に。
[ユリアンは注意深い目をして、ハンスの部屋の扉横に*佇む*]
―back court―
[どこかぼう、としたように。
あまり話もきちんとは聞けて居なかったかもしれない。
だが途中に口にされた名前は、どこかで聞き覚えが…]
ああ。確かlibraryで…
[小さく小さく...は口にする]
[イレーネを見つめ返しながら、声に少し力がこもる]
ええ。救いなんか、あたしは要らない。
たとえそれが目覚めなのだと言われたって…。
[はっとした]
死んだら、起きる、とあの子は言ってた…。そうだ。ねえ、誰がベアトリーチェを自由にしてあげたの?
―部屋E―
[家具が倒れ、扉が開かれる音にびくり震えて。少女に釘付けになっていた視線を引き剥がすと、当然の如く其処には先程の少年と神父が居た。]
・・・・・助けに・・・?
[そうだとしても、救われるのは僕ではない筈なのに。まるで少女に狙われているのが僕自身であるかのようで。]
死が救い……か。
俺にとっては……。
元に戻る。
それだけだった。
『幽霊』じゃないモノに。
……アーベル=レオンハートには、戻れない、けど。
[イレーネがアーベルの首を見る様子は、やっぱりlaceのcurtainで覆われたように、薄く、遠く感じる。
エルザの声は...の耳にはっきりと届いたのがなぜか不思議なことだった。]
苦しみの生より解放されて死の世界がわたくしたちの前にある。
だけれどその世界は決して自ら望んではならないもの。
苦しみを耐えてやがてその扉に辿り着いたときに、死は安らぎとなりましょう。
死の闇は安らかに。
すべてのものは等しく安らぎ、やがて次の生を受けるのだから。
[零れた祈りの言葉。
それはうたうように]
[エルザの強めな口調を静かに聞き]
・・・ベアトリーチェ、を、自由にしたのは、クレメンス。
[下を向いて、眉を顰め]
この、「神の試練」に耐えられない人を、・・・殺して・・・解放してあげるんだと・・・ベアトリーチェと、約束してた。
[神妙な様子の少年の声が聞こえる。
「神様に仇なす者」「人狼」]
・・・・・・・・
[何かがおかしい。何かが違う。
彼らは硝子が割れた音を聞いて様子を見に、救いに来ようとしているのではないのか?]
…それで、解くのを黙って見ていたの?
[その声は氷のように冷たく、鋭く]
解放。安らぎ。そんな世迷い言を信じるの?ねえ、シスターも。
[クレメンスはユリアンに頷く。]
分かった。
私が先に入ろう。
だが、結論を急いてはならないよ、ユリアン。
[クレメンスは、家具と家具との間に挟まれるように中に入ろうとした。]
…さっきは訳が分からなかったのだけど、みんながハンスの部屋に集まっていたのは、そのため、なの?
その、解放とやらのためだというの。それとも、彼を、人狼だと疑ってなの?
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