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―学長室―
(なんだ、これは?)
[記憶が刺激される。いつの?]
(宿直室の)
[血の匂い。鼻が痛くなる。目の前の出来事を脳が認識してくれない]
(なんで)
[あり得ない。彼は校内最強だ。
だったのに。]
なんでっ……
あんた、なんで、なんで死んでるんだよ、
学長っ!!
ふざ、けっ……
―2F廊下―
そう、なんだ?
[そこまで親しかったというわけでもない元クラスメイトの事情を、川島が知るわけもなかった。
浮かぶ笑み>>8を見る目に、訝しげなものが浮かんだ時]
……え、ちょ、っと
[絶叫が響いて>>12、びくりと身を震わせた。
廊下の奥へ駆けて行く春の姿が見える]
やだ、
いやだあああああああああああああああああああああああああ!!!!
[何かを覚悟してあったかのような表情で、目を閉じて、学長だけが座れる椅子にそれは鎮座していた。
―幻夢学園学長、早乙女平八郎は、胸の心臓のあたりを深くえぐられ、赤い何かをどくどくと流していた―]
美術部1年 ハルエは、写真部2年 シンタロウ を力(守る)の対象に決めました。
[血染めのカッターナイフは現場に落としてきた]
[誰にも見つからないよう――
とは思っていても、自分で刺した相手が怖くって。
本当に死んだかどうかも確認なんかしてなくって。
死体を見るのが嫌で。血を見るのも嫌で。
追いかけられてきそうで。
少し集中力を欠いていたから、誰かに見られたかもしれない]
[別の階段使って、生徒会室へと向かう。
どんどんどん。ノックした。
中に、他に誰かいたらどうしよう]
―学長室―
なんだよ、なんで!!
ああ、あああ……。
[わけがわからない。かけよってポケットからタオルを取り出し、流れているものをせきとめようとする。
だが、近くで見ればその流れは緩やかなものになっていて、足元にすっかり血だまりが出来上がっていることがわかった。]
ておくれ……
[呆然と呟く。でも、なんとか血を止めたくて、ぎゅうぎゅうとタオルを押しつけた]
なんで、なんで……っ!!
[何度も何度も頭を振った。]
─2階・廊下─
……まー、アレよ。
クールな男は、時に損をする、ってぇ感じ?
[>>19 訝しげなものを浮かべてこちらを見る春陽に冗談めかして返すのと、春の絶叫>>12は、どちらが先か]
てー、ちょ!
はるさん、どーしたっ!
[思わず大声を上げるものの、返事は返らず。
追いかける、という思考が出るまで、数拍、間が開いた]
―生徒会室―
ふぅ…
[思わずため息がもれる、考えるのに根を詰めすぎたせいか、それとも…]
更新、か。
三日目にあたるのかな?
[呟く言葉、ボクはわずかに目を伏せる。
動くゲームはとまらない、エピローグを迎えるそのときまで、きっと]
宮町さん、大丈夫かな。
少しここで待ってようかな。
[さっき、生徒会室にいると伝えた手前、もう少しはそこにいようと思った]
―生徒会室―
[かけてくる足音と、そして続くノックの音、ボクは迷ううことなく立ち上がり、そのドアを開ける]
だいj…
[言いかけた言葉、彼女の様子にさすがに言葉はとまり]
とりあえず、中に。
[そう彼女を招き入れると、生徒会室のドアを閉めた、鍵は迷った挙句閉めることにした。
棚の中から備品の新品名タオルを二枚ほど取り出すと彼女に渡し]
とりあえずそのままだと、その…ちょっとね。
[さすがに見た目や匂いに、ボクも平気ではいられなかった]
─2階・廊下─
[それでも、あれは放ってはおけない、と。
我に返って動こうとした矢先、ポケットに震動が伝わる。
それと共に聞こえるのは、ごく微かなメロディ。
携帯の、着信音]
……え?
[思わぬ事態に、結局、動きが止まった]
[叫び声をあげながら逃げていった姿を見たせいで、二人に声をかけるのは恐くて。
相手が気づいていないなら、そのままその場を離れる。
マリーの事がよりいっそう不安になって、小走りで探し歩き。
――ふと、血の臭いが強くなった箇所に気づいて、足をとめる]
え……
[高峰がどこで死んでいたのかは、断片的にきいた気がするけれど、すくなくとも、こんな。
一階との階段付近で血の臭いが強くにおっていることは、なかった]
― 2F廊下 ―
[向かおうとした先は探し人とは反対の方向だったらしい。
背を向けた其方から春の声>>12が遠く響いてきた。
その声が次第に、遠ざかってゆく。
足を止め振り返ると佑一郎は声のした方向へと駆け出した。
薄暗い廊下をひた走る。
まだ身体は鈍っていないのか息が切れる様子はない。
暫く行けば人影が二つ視界に現れる。
それは慎太郎と春陽のものだった]
――…春、は…?
[見当たらぬ友の名を紡ぎ問い掛ける]
[前後の記憶は曖昧だった。
誰か来て会話を交わした気もするし、それらは夢だったかもしれない。
意識は濁って何かを考えるという事が出来ず
己だったものから流れ落ちるものを、暫くの間視線だけで捉えていた。
意識は、悲痛な叫びによって徐々に持ち上がってくる。]
─2階・廊下─
[携帯の表示は、ずっと圏外だった。
だから、メールが来るはずなんてない、と思っていた。
……思いたかっただけ、なのかも知れない。
届けられたシスメの事があったから。
そんな、動揺に捕らわれていた思考は、桜子の姿に気づけず。
ポケットから黒の携帯を出す。点滅しているアラートは、メール受信のサイン]
……ちょお、マテや。
[零れ落ちたのは、掠れた呟き。
>>30 佑一郎の呼びかけが聞こえたのは、携帯を開こうとした、丁度その時だった]
―2F廊下―
[冗談めかした言葉>>25に返す程の余裕はなかった]
……追いかけないと。
あのままだと、多分危ないよ。
[幾ばくかの空白を経て、慎太郎に言う。
下の階で起こったもう1つの声には気がつかないまま、彼に合わせて動こうとした時]
……何?
[音>>28が聞こえた気がした]
[『仲間』が学長を捕らえたのはなんとなく感じた、それに例の獣のコエも聞こえてきたから]
『まだまだゲームは終わらない、もっとだ』
[求められるのはゲームの進行、命の選択、生かす命をなのか、殺す命をなのか。
人によってはそこに、言い知れない快感を覚えるのかもしれないけどもね?]
たぶん、吊りも行われたみたいだよ。
宮町さんが、血だらけに生徒会室のほうに来たから。
[二人にそう、伝えておいた]
―― 生徒会室 ――
……露島先輩。先輩……!!
[扉が開いた。中には先輩一人だけ。
思い切りほっとして。勢い込んで話し出そうとして。
招き入れられた。鍵の音を聞く]
[安全なんかじゃないはずなのにどっと安全になった気がした。膝を、真っ赤な手で抑えた。肩で息をする]
……水道、ありますか。
手を洗わせて下さい。すみません。
[タオルを渡された。
洋服は、すぐに水洗いすれば大分血が落ちるのは知っている]
私は、村人です。だから、吊りました。
……名前は知りません。外人の人。
これ以上、隠し事はありません。
これで信じてもらえますよね?
[渡してもらったタオルをぎゅっとつかんで、無理矢理笑顔を作ろうとした。媚びるような。けれど、やはり、上手く行かない。恐怖で引きつったような顔になる]
あ、その、
混乱してるみたいで、走ってって……
[佑一郎の声>>30が届いて、振り返る。
混乱しているのはこちらも同様か、しどろもどろになりながら答えた]
― 血の臭いのする階段 ―
[恐い。
この先を確かめるのが、ものすごく恐い。
それでも――足は自然と確かめるかのように、臭いの元へと近づいていく。
一歩一歩、階段を下りればさらに血の臭いが強くなる。
そして見えたのは――赤にまみれた金]
―――――っっ!!
[声にならない悲鳴があがる。
逃げて行くような、小さな赤い足跡にも気づかないで慌てて首やお腹から血を流すマリーへと駆け寄った]
ま、マリーさん……っ!
[すでに血溜りができているその場所に膝をつけば、ぴしゃりと生暖かい液体が足に触れる。
碧い瞳はなにを見たのか、光のないそれが伝えることはなく。
もともと白かった彼女の肌は、血の赤で色彩られていた]
そ、そんな……うそ、なんで……
[確かめるように怖々とのばした手は、未だ温かい肌に触れて。
けれど、怪我をしているのに痛がる素振りもなく横たわっている姿が、そして切り裂かれた首が――彼女の命がないことを告げていた]
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