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[舞い散る光は、生命の竜王より託された祝福の光。
生命の海より舞い上がった生命の素。
それは倒れた生命の竜を包み、傷を癒して。
掠れた刻印を柔らかく修復する。
新たな印を刻むのではなく。
思いの込められたものを修復する。
……勿論、本来の力を使えぬ状態では、それが精一杯である、とも言うのだが]
言うなれば君のあり方に。
[魔を見る瞳はしずかに]
雷をここより消したのに、樹の力が混じっていたのだと影が言った。
何故君は天の力をその身に受け続けることができる?
……わけなど聞いた。
ただ望むからとかの女は答えた。
それがすべてでそれで終りだ
[陽の光を凝縮したような力のリズムを持って、三つの珠は彼を追い越すことも、送れることもなくふわふわと漂いながら]
……?
[ふと、誰かの声が耳に届いたような気がして青年の足が止まる。
この声は]
……今の、オジサマ?
[はて、と小さく首を傾げる。
獣のような、人ではないような音に混じって確かに聞こえた気がして]
ならば聞こうか、クレメンス。
ああ君にはわかるまいかな
子を奪われて
しかも試すためだけに。
抵抗もできぬまま殺されて。
それでも殺せぬ僕の気持ちが君に*わかるのか?*
[胸元をきゅぅと、掴みます。そこには、無限のかたちをした輪がありました。その拍子に、グラスがかたんと倒れます。]
あ。
[声をあげたときにはもう遅くて、ぱたぱた、ぱたぱた、液体は机の上から零れ落ちてゆきました。服が濡れなかったのは、運がよかったでしょうか。]
−Kirschbaum−
[アマンダはベルを鳴らし、店内へと入る。
店内を見回し、ハーヴとベアトリーチェに笑おうとして…上手く笑えずに微苦笑を浮かべる]
やあ、こんばんは。
……皆、まだ…なの?
何か、あった?
「チッ」
[不安げに茶色の目を向けて問いながら、いつもの席でいつもの品を頼む。満月腹から三日月腹にへしゃげた千花にも果物を。
千花はアマンダの頭の上から、ベアトリーチェに一声挨拶]
……く……。
[光の乱舞が静まった後、上がるのは苦しげな声。
同時に、白の翼が弾けるように消え失せる。
倒れ掛かる身体を、どうにかついた手で支えた。
俯いた顔。
その右の瞳から紅の物が一雫。
地面に向けて、零れ落ちる]
[幼児の不安を和らげる。
痛みも、哀しみも、怒りも、
幼児は知らない、理解出来ない。
足りない、子なのだから。
だから一時、直ぐにそれは消えてしまう]
[大きく溜め息をつく]
何を言うかと思えば。天と魔は、極にして対、無論互いの力を弱めはしますが、均衡を保つにはそれが最上。
なぜというなら、この世界を傷つけぬために成した術のため。それ以外に何があります?
…彼女が望むと言ったなら、きっとそれが全てだったのでしょう。
生命を望むはその本性ですから。
ああ、ハーヴェイ、ごめんね。
[おしぼりを手にして、拭き取ってゆきます。]
アマンダ、千花、こんばんわ。
[そう云って、微笑いかけました。不安もなんにも、もう、そこには見えません。]
……あいっかわらず。
するするするする理屈ばっかりごねて、自分の腹の底は見せやしねぇ……。
だから、嫌いなんだよ、あんたは。
[言葉の刃を交わす二人の魔。
そのやり取りに、ぼそりと呟く。
刻印に強く抗った影響か、口調は完全に、素]
[突然彼は喋り始めた。何かを恐れるように。
側にいる少年の様子に怯えて]
なあ、ティル。キミは魔族だ。
これしきのことで、倒れたりしないよな。
キミは人間の僕よりも、ずっと長生きする存在だ。
…いなくなったりしないよな?
「鍵の書」なんかに囚われたりしないよな?
オトフリート!
[傾いだ身体を労わるように手を差し出し、その瞳を見て表情を曇らせる。
それ以上言葉をかけることはできず。]
ああ、オジサマだ。
[は、と小さく息を吐いて]
……キアン。
[小さく呟けば一つの珠が目線の高さに降りてくる。
僅かに朱を帯びた珠はまるで意思を持つかのようにその高さで漂う]
今の『声』が聞こえたね?あの『声』と合流したい。
…出来るね?
[朱の光はくるんと一つ輪を描いて、先へと進み出す。
そのあとに続いて二つの光の珠と青年は声のするほうへと歩き出した]
[アマンダは、零れ落ちた石榴色の液体に目を瞬く]
…あ、大丈夫?
ん、こんばんは。
[アマンダが手を伸ばす前に、ハーヴはグラスを片付ける。
きれいになったカウンターに、岩清水と果物と、それからもう一杯の石榴色。
アマンダはそれをベアトリーチェへと渡し、自分は無色透明な岩清水で口を湿らせてから、問いかける]
…皆、どこだろ。知ってる?
[千花はカウンターに降りてお食事タイム]
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