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ないものなど、見せろとは言わん。
あんたの領域は『混沌』。
そして、俺は虚無。
どちらも、どこにでもあり、どこにもない。
そんな不確かなものを求めるのは、とっくに飽きたさ。
ああ……儀式中に、何やら言ってたな。
俺の目的の中には、確かに彼女を探す事も含まれていた。
命竜王の頼みとしてな。
それから……あと、なんだったか。
ああ。
ここに来た理由か。
俺にとってのはじまりの世界を無に帰しかねない力がある地。
そこが不安定になったから、引き寄せられた。
それ以上でも、それ以下でもない。
[今にも均衡が崩れてしまうのではないかという気配。
それだけの力が動いた。
そしてまだ力は、司る者たちの言動に反応して動いていて]
っく。
[少しでも加減を間違えればこの場の空気は一気に崩れかねない。
既に宥めるのではなく、ただ崩れないようにするだけ。
それだけでも精一杯だった。
握った手から流れ込んでくる月闇の力が、ギリギリの所でそれを支えてくれている]
……心配するな。
100年ばかり、生命を削ったが、何事もない。
[言葉を失う若竜に、静かに告げる。
微かに紅を帯びた紫の瞳、そこに浮かぶ刻印は、冥い光を放っていた]
……しっかし、どれだけ広いんだ。この迷宮は。
[並み居るモンスター(ただし下級)をなぎ倒し、
海千山千のトラップを踏み越え。(大体はハインリヒが解除したが、たまにギュンターが引っかかっていた)
疲れたので、二人で仲良く一休み中。]
[静かに、オトフリートを見つめる]
それがあなたの考えですか。
では、お望み通り、私の考えを申しましょう。
私は、まさに、あなたとティルを疑っている。
オトフリート、あなたは、何かに呼ばれて来たのだと言った。
それが鍵の書に呼ばれてのことだとしたら、あなたこそがアレを開く者なのではないですか?
時空を司る、古き竜、虚無の申し子。
この世を虚無に返すのが、あなたの役目なのではないのか?
そして、ティルは、永い時を、一つのものを守り続けていた。だが、その時が尽きかけている。
力があればと、思ったのではないですか?
大きな力があれば、時を引き延ばすこともできると。
ハインリヒさんやエーリッヒさんみたいに消えたりしないよな?「鍵の書」なんてとっとと消滅させて、また平和が戻るんだよな?
また来年も、再来年も、そしてこの先ずっと。
春には桜の木の下でティルと会える。
――僕が人間としての生を終えるまでずっと。
そんな日々が続くんだよな。なあ。
[近くにいるのに、コエが伝わるのに、
とても遠く感じられる魂に。必死でコエを]
−Kirschbaum・一階−
[ゆっくりゆっくり、意識が巡ります。足りないこどもには、いろんなことが起り過ぎていて、追いつけずにいるのでした。もしかすると、そのうちに手遅れに、いいえ、もう手遅れになっているのかもしれません。けれどもベアトリーチェには、どこか遠い出来事のようにも思えてしまうのでした。
グラスを持ち上げると、柘榴石のいろをした液体が揺れました。]
オトフリート。私から見ればお前も、其奴も大差ない。
いつまで膠着状態を続けるつもりだ。やるならやれ。やらぬのなら鎮まれ。
[小さな呻き声に、ブリジットを睨んだ。]
力在るものが心を乱すことは好ましくない。
[クレメンスの言葉を、呻吟する。]
/中/
あれ? なんだろう。
私の動きって、めちゃめちゃ狼っぽく見えてきたのですが。
えええと、隠れ蓑になるからいいのさ、うん、きっと恐らく。
生命を削った、って。
[サラリと言われた言葉に思わず横から呟いて]
……え?
[今まで思ってもみなかった視点を告げられ、一瞬呆然とクレメンスとオトフリートを見比べた]
ティルの事は、知らん。
勿論、裏づけがないというのは自由だ。
そこで論じても、時間の無駄だからな。
そして……どうやら、あんたは時空と言う力を、多少取り違えているようだな。
時空の領域は、無限。
そしてその無限は、天聖の悠久と対となり。
ただ、あるがままに全てを見続ける。
不変にして不変たる事、それが時空の属を宿すものの在り方だ。
そして、俺は。
この世界の消滅など、願わん。
それをするくらいなら、自らを虚無に還し、たゆたう。
[クレメンスの言葉に、...は叫んだ]
ティルじゃない。
ティルは決して「鍵の書」なんて触れていない。
ハインリヒさんの捕らえた力が翠樹としても、
アレはティルが使った力じゃない。
僕はティルがどんなに遠くにいても、
ずっと側にいたから、それは間違いない。
[きっぱり言い切った]
[ミハエルの言葉に、微かに笑んで]
俺は、落ち着いているが?
文句は、人の言葉の裏を取ってごねたがる、そこのおっさんに言ってやってくれ。
ぶっちゃけるが、今のでかなりへたばってんだ、こっちは。
[きゅるきゅると螺旋を大きく描きながら動く朱の光の珠に先導されてやがて青年は二人と合流する。
つかれているらしい二人とは違って、こちらは特に疲れたような様子の欠片もなく。
飄々と二人に向かって暢気な挨拶]
やっほー☆
[危機感極まりないとはこのこと]
[ミハエルの言葉を耳にして、小さく吐息を零す]
やれやれ、確かにここで言い争ったところで、意味は無い。
私としたことが、対なる者の命の乱れに、柄にもなく引きずられたようですね。
[いつものように笑み、オトフリートを見つめて頷く]
解りました、それがあなたの真実なのでしょう。ですが、私はそれを信じることが、まだ出来ません。
『うん、ありえない』
[今までなら、そのまま揺らいだままだっただろうか。
けれど今回はすぐに立ち直ってオトフリートの方を見た]
想いはしたよ
手にいれようかと。
ながきときを待っても戻らぬ彼女に。
[心の魔にあっさりと言い切った]
だけれどそれを手にいれたからとて、かの女が産まれるとは限らない。
もう僕にはかの女のことがしっかりわからないのだから。
なればかの女の産まれるかもしれぬ
それを待てる時間を望む。
かの女の幸せだけが「幻」とかの女にいわれた僕の望みなのだから
…………わあ。
危機感なさ過ぎ。
[それでも律儀に、「やっほー☆」などと挨拶を返し。]
お前さんもここに来たのか、エーリッヒ。
というかお前さん、その光球目立ち過ぎ。
[すかさずツッコミ。]
/中/
均衡崩したい、寡黙どころを狙おう、
くらいにしか考えていないベアトリーチェが居る訳だよ。
投票はイレーネにしたかったりするわけだよ。
言いがかりは、方便か?
罪をなすりつけ、逃げるための。
[神父の瞳は底知れなく思えた。]
輪が一つ、消えたと聞いたが。
[先達の同族に眼をやり、訊く。]
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