7 【鍵の書】─精霊演戯・第二演─
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陶芸家 アマンダ
−北の遺跡−
[アマンダと千花は瞳を閉じて集中する。
【大地】の力で、この【場】を支えようと、祈るように願うように]
[それを破ったのは、突然の大きなうねり。
【鍵の書】が奪われた時と同じそれに大地の支えはたやすく揺らぐ]
――っあ… 「ヂッ…」
[大地に片手と膝を突いた姿勢のまま、前のめりに身体が倒れる。
見開かれた茶色の瞳は、何も映さず玉のよう。
されど、千花がその背へと降りれば、直に瞼の内へと消え去った。
身動き出来ず蹲る千花を背に乗せたまま、アマンダは昏々と眠る。
その身体は柔らかいまま、ヒトのものと*変わりないだろう*]
職人見習い ユリアン
[指を折り折り数え上げる]
えーと、クレメンツさんにミハエルさんにブリジット、アマンダさんにダーヴィットさんにティルに……後何人いるんだ？そんな人たち。
[ため息まじり]
少年 ティル
これが手っ取り早い方法だったんだ
[火の竜を見て、口に微笑を上らせて]
これ以上、場を狂わすわけにも行くまいよ。
崩れて喜ぶは、書物だろう。
教師 オトフリート
[響く、乾いた音。
それに気づいて目をやった翠樹の魔の様子に、紫と翠の異眸が険しさを帯びる]
……それで。
どのくらい、持たせられるんだ？
[問いを投げる、声は静かにもの]
【念】 職人見習い ユリアン
ティルにみんなの種族もきちんと聞いておけばよかった。
うん。僕、鍵の書や魔族とか属性とかの知識ぜんぜんないからな。きちんと勉強しないといけないな……。
[思わず独り言までコエにあらわれ]
少女 ベアトリーチェ
［眼を擦っていると、毛布がからだからずれて、椅子からも落ちてゆくでしょうか。ぼんやりとした視界には、アーベルとナターリエの姿が映りました。］
ラ……？
［誰かの名前を呼んだようですが、それは上手く風には乗りませんでした。］
少年 ティル
さあ、どれくらい持つかは僕にもわからないよ。
ただ、力を受けなければ何も問題はない。
力を使わなければ、かなり持つのではないかな。
[少し考えて]
……持たせてみせるよ。
小説家 ブリジット
……ナターリエさんとアーベルさん。
オトフリートさんとイレーネさん。
[こうなったら隠しようもないし、とばかりに自分の気が付いた人たちを並べ立てる。
それでも王のことは刺激が強すぎるだろうか？と躊躇して]
青年 アーベル
別の意図………。
[考え込んでいたその時に、かわいらしい欠伸が聞こえて]
あぁ、気づいたんだね。
……大丈夫？
[心配そうに顔を覗き込んだ。]
【独】 少女 ベアトリーチェ
フィロメーラ、
ぜんたい、きゅうにどうしたの？
［そう訊ねかけても、「貴女を護るため」という言葉が返って来るだけでした。詳しいことは、教えて呉れません。なにかがおかしい、と思いました。］
ランプ屋 イレーネ
[誰もいなくなった広場に、彼女はまだたたずんでいた。
大きな力のうねりを感じ、空を見上げる。]
……ふたり？
[ぽつり、呟いて歩き始めた。]
少女 ベアトリーチェ
［ナターリエの声にはっと気が附いたようにまたたきして、こくんと大きく肯きます。］
うん、……大丈夫だよ。
ギュンターとおんなじって、なにかあったのだろうか。
［わずかに聞えた言葉を、繰り返します。］
【念】 少年 ティル
普通に生きている分には、関係ないだろうから仕方ないよ。
あまり知る必要もないよ、きっと
[自らの腕を叩き落とし、壊したことなど、決して伝えない]
教えておけばよかったね、ごめん。
人は……あとはベアトリーチェと、エーリヒ、だね。
【独】 青年 アーベル
/中/
カミーラ不在状態にしといて良かったかも知れない。
アレ、この状態でおとなしくしてると思えないもん。
ハーヴェイがいても、ね。
教師 オトフリート
……そうか。
[思案を経て、返って来た言葉に短く返し。
空へ、手を翳す。
その手にふわりと舞い降りる、無限の輪]
……さて。
森の記憶は何を語りて、何を見定めさせる？
[手にした輪を見つめる異眸は酷く険しく。
……それは、虚の申し子──時竜としての、彼のもの。
全てをただ、見届ける、感情を排した冷たい目]
神父 クレメンス
ー西の桜ー
[辺りを見回す]
とりあえず、ここにいても埒があきませんねえ。力を辿るのも無理ですし。
私は、教会に帰りますが、あなた方は？
ランプ屋 イレーネ
[だが、誰もいなくなったと思っていたのは、彼女が自分の世界に入り込んでいた為本人ただ一人だった。
周りから見れば、彼女はひとりで虚空を見つめて歩き出したように見えるだろう。]
少年 ティル
今更、少しくらい、変わらないだろう。
[力が足りねば何が種たちの餌になるというのか。
その答えなど、言うことはない。
ただ、時の竜を見やる。]
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