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ん、ん。
…お、ちついた、のかナ、と
[思って。と、エーリッヒのリスを見て。
ブリジットの髪が整えられていたから、髪が机にでも落ちやしないかと見たりもしつつ。
どれくらいを過ごしたか、ロミが部屋へと戻る時に共に部屋へと向かうつもりで。
彼女が部屋の鍵をきちんとかけるのを、確認したかったから。]
[ライヒアルトとウェンデルが同じ心配を口にすると
女ははたと瞬きヨハナが出て行った先をちらと見遣る]
心配ね……。
ショックが大きいでしょうし。
[ウェンデルの苦笑に気付けば、ふと和む目許]
えっと……。
……。
……。
[問い掛け>>30に僕は悩みに悩み抜いて]
……エーリィと、同じのにする。
[結論を出すのには随分と時間がかかりました。
それから暫くの間、何か異変が起きるまでは、僕は友達の隣に座っていました**]
[視線を逸らし、アーベルから貰ったお茶を一口飲む。
質の高い花茶の香りは、複雑怪奇に乱れる心を静めてくれた]
ヨハナさんは、荷物を取りに行かれました。
ライヒアルトさんが代わりにと言われたのですけれど、大丈夫だからと断られて。
お一人になりたかったのかもしれませんから。
[落ち着いたことで顔見知り以外でも普通に話せるようになり。不思議そうにしているエーリッヒやブリジットに伝えた]
[そして部屋に籠ると、机に裁縫箱を広げる。
二本の髪を取り出して、暫く悩んで赤い方を選んだ。
もう一本は、大事に裁縫箱の抽斗へと仕舞ってしまう。
まだ、「来ない」。
目を閉じて背筋を伸ばし座るまま。
随分と長い長い時間をそうして過ぎて。
布を手に取り、描き出したのは空も白み始めてから。
流れる糸が生み出すのは赤い髪の女と、
その背後に、背の高い駱駝が1頭。
左右逆を向く横顔が縦に並ぶ背景は砂の山で、
黄色と茶色と白の糸が水面の如く織られている]
洗面所。
行ってみると良いわ。
[ゲルダの傍に行った時、彼女にだけ聞こえるように言葉を向けた。
そこで髪を整えたのだから、落ちてる可能性はあると。
そこまでは言わなかったのでゲルダに伝わったのかは定かではない]
気休めと分かっていても
それが欲しいことってあるでしょ?
[ライヒアルトの低い笑いに澄ました顔で返し]
じゃあ有り難く頂くわ。――…もし、
[何か言いかけて躊躇うかのように視線が下を向く。
迷うような間の後、再び顔を上げて]
縁があってこの玉がラーイの手許に戻ったら
その時は、この玉にあなたが細工してあげて。
[気に掛かるならと言われた言葉に、暫し考える素振り]
お返しは何が良いかしら。
ラーイに想い人がいるなら
お揃いの指輪なんてすすめるんだけど。
[悪戯な笑みを浮かべ首を傾げてみせた]
[何も食していなかった身体に紅茶が染み渡る。
何か食べなければとは思ったけれど、ブリジット達の傍を離れる気にはなれなくて。
結果、食堂で軽食─無論肉は入っていない─を頼んだ]
[その後も宿屋へと居続けて、時折周囲を観察するように視線を向ける。
紺のコートがところどころ、赤黒くなってしまっていることはすっかりと*忘れていた*]
自然には勝てないものね。
[眉を寄せるように囁いた]
無駄にはできないけれど、無理をするものではないということね。
鍵を壊すなら、人の姿でなければいけないわね。
布か何かで覆って壊せば少しは違うかしら。
一人は壊したらすぐ中に入れるようにしておきましょう。
そうね、私達なら手で塞ぐのが早いかもしれないわ。
[ライヒアルトから受け取った玉ののる手の中。
ころり、転がし翡翠が揺れるを見詰める。
そうして宿で過ごすは半日ほど。
夕刻になれば、アーベルに本日のおすすめをきいて
それを夕食として頂きその日の糧とした]
ねぇ、アーベル。
昔、使わせてもらった部屋、空いてるかしら。
空いてるなら――…、明日から借りたいのだけど。
[アーベルに尋ねるのは家出を繰り返していた頃に
使っていた部屋が今あいているかどうか。
其処に泊まりたい旨を彼に伝える]
カルメンは何か良い方法が思きそうかしら。
[鍵を壊す方法について、彫刻家である彼女の意見も求めた。
何か使える道具でもあったなら、ただ力任せに壊すよりも音は立てずに済むのではないかと考えて。
なくても時間をかければどうにかなるものかもしれないが]
[視線感じて其方を見遣ればエーリッヒの隻眼と蒼が交わる。
こと、と首を傾げてみせるが
ブリジットと共にいるなら何も言わないまま視線を戻した。
夜が訪れる前に女は宿を出る。
寄り道もせずまっすぐ家に戻ると明かりを灯して
広げられたままのスケッチブックが置かれた机に向かう。
机の上にお守りの玉を一度置いて
代わりに手にとるのは貰い物のキャンディ。
暫くの間、キャンディの包みを眺めていたが]
おなかすいてない時に舐めるのは勿体ないかな。
[夕餉をしっかり食べた事もあり
それを口にするのを先延ばしにした**]
まあるいのも可愛いと思うけど。
[ノーラの想像する像を知らぬまま呟く女は
ぬいぐるみの狼のような子供受けするまるさを想像していた]
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