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…嘘。な んで、誰に…?
昨日、お祖父ちゃんとおじさん、死んだのに。
今日は、ミリィお姉ちゃんなの…?
[端的に告げられた事>>124に眼を見開いて、じわりと目に涙が溜まる。
昨日ライヒアルトが広間で話していた内容を、
自室で休んでいた少女は知らない。]
……ん。
[ローザから伸ばされた手についた紅>>128に、躊躇ったものの。
いつも小麦粉などを運んでくれて、甘えさせてくれる人を言葉以外で安心させたくて。
こちらも手を伸ばして、ぎゅ、と握り返した。]
[そん方法頭に思い浮かべて顔顰めとったら、ベスのちっさい手ぇがうちん手ぇ握ってくれた。
ちょっとだけ、気ぃ解れてくんが分かる。
雪ん中で冷たいミリィ触って冷えてた手ぇが、ほんわかあったまるんを感じた。
そん後は皆で屋敷戻って、ミリィを部屋に連れてってもらう。
運ぶんは完全にアベルさんに任せてもうた。
うちは2階に上がらんで、広間に向かってん。
ベスが他んとこ行くゆぅんやったら、握った手ぇ離したった。
広間に誰かおったんならミリィんこと伝えて、暖炉ん傍行って薪追加しながら身体あっためる。
頭ん中では、どないしたらええんやろ、ってずっと考えとった]
[ぽろと少女の目から涙があふれていって。
はっきりと人狼>>130と口にしたローザに眼を瞬かせる。]
じん、ろう……?
お姉ちゃん。それ…
[御伽噺なんじゃ、と言おうとした言葉は続かなかった。
身に宿る朱花が。
目覚めきらぬとはいえ、それを口にすることを許さなかった。
室内に戻ると、ローザと共に広間へと移動して。
一緒に暖炉の傍>>131で体を暖めている。]
― 広間 ―
…いるの?本当に。
[ミリィの遺体がどんな状態だったのかは知らない。
ローザからの問い返し>>133に、なんとか質問を絞り出して。
彼女が知っている事に、耳を傾ける。]
─ 自室 ─
[二つの死を目の当たりにして。さすがにもう、ぐっすりとは眠れなかった。
厨房から持ち出したパーリングナイフを枕の下に入れ、毛布を被り目を瞑るが。小さな物音がするたびに「恐ろしいなにか」が部屋に侵入してくる妄想に襲われ中々寝付けない。
寝入るのが遅くなる分、すぐには目が覚めない。アーベル達が部屋の扉をノックしたことにもローザがミリィと呼ぶ声にも気づかず。
目を覚ました時には、とうに日が昇っていた。]
…………。
[黙々と服を整え、布で刃を包んだナイフを腰紐に差す。そしてそれを隠すように上着を着て、階下へと。]
―個室―
[男は己の借りた個室で、椅子に腰掛けていた。
閉じていた目を開く。部屋の中はいつもと変わりない。
机の上に置かれたバスケットが、中身を一つだけ減らしていた。昨夜の食事は広間では取らなかったらしい]
反応は無し。未だ知らぬか、己の身可愛さか。
立ち向かう気が無いと言うなら…… 気は進まないが、次の手段を取らざるを得まいか。
その為には誰かを犠牲にせねばならない、が。
[丁度ノックの音が響き>>84、椅子から立ち上がる]
……何か用かね。
[その表情に疲れを滲ませながら応じた。
安否を確かめる為にだと言われれば頷きはしたのだが]
すまないが、もう少し休ませてくれ。
少々気分が悪い。
[そう言い置いて、止められなければ再び扉を閉める。
その後響いた悲鳴にも反応はせず、男が部屋を出た時には、どのくらいの時間が経過していただろうか]
─ 前日/温室→外 ─
[温室で、花の世話をするのを口実に、その日は殆ど人と接する事をしなかった。
こうしてこの場所に引きこもるのは昔からよくやっていたから、特にその行動を疑われることもないだろう、という読みもある。
そうして、意識をコエを聞く事に向けていた。
高まる昂揚と衝動に揺らされるナターリエの様子が気になっていたから]
……ん。
[人が動く気配を感じたのは、月の支配する時間となってから。
ふらつくナターリエと、その後を追う気配と。
双方に気取られぬよう、銀の獣もその後を追い。
幼馴染が狩られる様子>>*14に、今は仄かに紅く染まった瞳を細めた]
……御伽噺の、幻燈歌に謳われる、双花聖痕、みつけた。
ヒトを導くもの……あれ、きっと、邪魔になる。
だから……。
[喰らってしまおう、と。
言葉にはせずとも、その意は伝わるか。
双花が誰か、問われたならばためらう事無く]
ベルさん……鍛冶師のアーベル。
手に、蒼い花が、咲いていた。
[淡々と、その名を告げていた。*]
─ 広間 ─
すみません、ちょっと寝すぎてしまいました……。
食事の仕度とか……まだお手伝いできること残っているでしょうか。
[アメリアの遺体が発見されてから、どのくらいの時間が経っていたか。
広間に現れ、その場に誰か居れば何気なく声をかけた。]
― →広間―
[広間に顔を出した時には、いつものように身支度はしっかりと整えられていたが]
おはよう。
[そこで会話をしていた者たち>>134>>135に掛けた声は静かなもの。
織子の声>>139がすればそちらを見遣り――何かを言おうとして]
アメリア君が、何か。
[丁度発された名前>>135を拾い、そちらに視線を向ける。眉を寄せた]
─ 前日 ─
[温室と、外と、自室と。たまに物置と。
温室の手入れのためにあちこち動き回っている内に、時間は過ぎていた。
土いじり以外にもやることがあるんじゃ、と思いつつ、じゃあ具体的に何をどうする、と言われても答えは出ず。
草取りや水遣り、花木一つ一つの世話をしている内に日は暮れて。
ベアトリーチェが広間にあれこれ持ち込んでいたのにも気づかずじまいのまま、自室に戻ると深い眠りに落ちていた]
─ 翌日 ─
……ん……。
[前日動き回った反動か、目覚めが訪れたのはそれなりに時間がたってから。
ふる、と頭を振って身を起こし、身支度を整える]
……っと。
そういえば。
[ベアトリーチェはどうしたか、と。
すっかり抜け落ちていたそれを思い出し、まずは少女の部屋へと向かい、その扉を叩く。
けれど返事はなく、声をかけて覗いた室内は無人。
念のため、家主の私室も覗いたがやはり姿はなく]
……あいつ。
どこで寝た?
[二部屋とも、誰かが休んだ形跡はなく。
舌打ちをして、階下へと足を向けた]
……見つかった、か。
ま、特に隠しもしなかったし、なぁ。
[青年は驚きを示していても、その内の銀の獣には既に知れたこと。
故に、零れたのはこんなコエ]
そうですか。なら……
──…えっ。アメリア…が!?
そ、そんな……。
人狼って、そ、それは確かなのです、か。
[何か作りましょう、と言いかけた言葉が、ローザの話に驚いて途切れる。
つっかえながら尋ねるが、問いかけは他の者と重なったかもしれない。]
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