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― 二階/オードリーの客室 ―
[本当に人狼か?と言う呟きに、改めて遺体を検分する。
傷は一つ。胸元に咲いた、元は真紅だったはずの、血色の花]
………なんか、変な気がしますね。
[ネリーはその場に残っているだろうか?それとも立ち去っただろうか?
いずれにせよ、落ちるのは独り言のような声]
昨夜はずっと部屋にいました。
その間、特に異変は無かった、筈……
もし、犯人がこの方を人狼として告発する気だったなら、もっと騒ぎになってもいいはずです。
それこそ、こんな個室ではなく、人の居る所で……
それに、一突きで確実に致命傷を与えている。
抵抗の隙も無く……始めから狙っていなければ、他に傷があってもおかしくないのに。
― 二階/オードリーの客室 ―
つまり……犯人は、ただ殺すためにオードリーさんを……
でも、何故?
[理由がわからない。否、考えられるのは]
……生き延びるために……殺される、前に?
[そう考えた所で、不意に思い出す。昨夜、聞こえた男の声を。
部屋との距離を考える……はっきり聞こえない、けれど声の聞こえる距離]
まさか……でも、他に手がかりがない……
話を、聞いてみたほうがいいかも知れません、ね。
[もし、ネリーがその場にいたら問うだろう。その人物の居所を]
探さなくては……ハーヴェイさんを。
[そうして歩き出す。ハーヴェイの姿を探して**]
― 2階・客室 ―
[覚醒は唐突に訪れる。
見回せば部屋には既に幾程か位置を高くした陽光が差していた。
手の中から透明な一柱が寝台へと転がり落ちて]
……やれやれ。一夜に一人だけとは聞いていたけど。
体力を持って行くなんて聞いてない、ね。
[恨めしげに零す相手は最早遠い過去。
結局苦笑を浮かべるしかできずに視線が落ちる]
[その先に、スケッチブック]
……いつ、何時、……か。
[ぱらぱらと紙を捲る。黒が行き過ぎ、白も幾枚と越えて。
無作為に選び出した頁に向けて鉛筆を滑らせる]
[連ねるのは日付と人の名。
一行目はユージーン。二行目にラッセル。
其々の隣に、人、と記して]
……所詮、自己満足だけどね。
[ぱたり、表紙に戻してしまえば。記した頁は白に紛れ覆われる]
さて、行くとしようか。
……それでも腹は減るのは、何の因果だろうね。
[苦く零し、ポーチを腰に据えて立ち上がる。
スケッチブックは置き去りに、胸元を確認して、部屋を出た]
ハーヴェイねぇ。
[断片的な独白だったが、大よそ言いたい事は汲み取った。おそらくハーヴェイはオードリーとは面識は薄いはずで、相手は女性で。なら殺し易くはあるのだろうね、とは思うが実際はどうだか。少なくとも自分と、おそらくヘンリエッタは違うという事くらいしか、痕跡からは解からない。]
吊り橋嫌いヘタレのラッセル様ですら、私を殺せるような事口にしてたから、
ハーヴェイがそういう志を持っててもおかしくはないけどねー。
[そう口にしつつ、ハーヴェイを探すというユージーンは見送った。一緒について歩くつもりはこの時は無く、ひらひら手を振ったが、それを見る余裕はなかったかもしれない。]
― 前日 ―
……ほう、良くお似合いだな。
[メイドが見せたナイフ>>20には皮肉交じりにそう言った。
自分の武器に関しては何も返す事はせず]
さてな。
居ないとも言い切れんだろう。
居たとして、本物だとも言い切れんがな。
[能力者についてはそんな返答。
明るい笑みの裏側には気づいているのか否か、台所に向かう背が見えなくなる前に動き出し、客室へ。
運んでもらった茶をいただいた少し後、食堂へ出向き食事も頂いた。なお肉も食ったが人狼疑惑>>22は如何なったやら]
― 2階・オードリーの客間 ―
まぁ人狼がいてもいなくても…。
本格的殺し合いが始まったって事は間違い無いのよねー。
[出遅れたのは、幸いと言っていいのかどうか。とんとんと、指で顎を叩く。]
さーて、どうしよっかなぁ。
オードリーさん、やっぱハーヴェイに殺された?
フフ、残念だったねぇ。
[死者に話しかける際には、不謹慎にも笑みが浮かんだか。]
でもね、それが救いになることもあるんだよ。
[そう語りかけると、その場に見切りをつけて部屋を出た。]
― →廊下 ―
─ 前日/自室 ─
[ネリーからの返答>>32はやはりヘンリエッタに唇を噛みしめさせる結果となった]
……人…狼……。
[傷の様子を見ておらず、誰かが口にしていても耳に入って来なかったために、父の死の原因をようやく知って。
その存在の認識に至る。
ネリーから普段と変わらず軽口>>33を向けられたなら、大丈夫、と告げて別れた*]
エッタのことだよ じんろうって
ただしくは エッタのなかにいる ハーノが だけど
[意識は別たれているが、ヘンリエッタが人狼であることは間違いではない。
ヘンリエッタが事実を受け止めることを拒否したために起きた状況。
二重人格に近いか]
エッタ きこえてる?
ほかのひとに みつかっちゃ いけないからね
きをつけなきゃ だめよ?
[ヘンリエッタの意識が震えているのが分かる。
コエも届き始めているようだった]
─ 翌朝/3階・自室 ─
[眠れたような、そうじゃないような。
曖昧な時間が過ぎ、カーテンの隙間から朝日が覗き込む]
……あさ……
[起き上がり、ベッドから降りてカーテンを開き。
差し込む光に目を細める。
窓際に居るカナリアは未だ沈黙のまま。
鳥篭越しに手を伸ばすと、カナリアは厭うように翼をばたつかせた。
それは階下の一室で死が発見された頃]
なによー たべちゃうぞ
[カナリアが厭うたは人狼の気配。
それを察してハーノはコエでカナリアを威嚇する。
それに対し、止めて、とヘンリエッタから抗議が届いたが、それには返さずクスクスと笑っていた]
─ 前夜/客間 ─
[客間に戻った後、やったのはナイフの手入れと、腕の手当て。
針の一撃は思いの他深く、中々血は止まらなかった。
そこは、即席の包帯できつく縛っておいて。
跳ねた血の跡を、できる限り拭い取る]
……さすがに、完全に被らない、ってわけにはいかんか。
[返り血を浴びないようにと気をつけてはいたが、袖口に跳ねた色は隠しようもない。
上着を羽織れば多少は隠せるだろうが、誤魔化しきれるものではないだろう]
さて、どーなるか、ねぇ。
[ぽつ、と呟いた後、ベッドに転がり目を閉じる。
それから眠りが訪れるまでは、さして時間はかからなかった]
─ 翌朝 ─
[目覚めの訪れは、早かった。
夜が明けたか明けぬかという時間に目を覚まし、起き上がる。
取りあえず、上着を羽織って袖に残る血の跡はできる限り隠し。
ベストの裏には、手入れを終えた刃を潜ませて、部屋を出る]
とりあえず、頭冷やしてくるか。
[小さく呟き、未だ人の気配のない廊下を抜けて、向かうのは外。
歩みが向いたのは、庭園の方だった]
─ 翌朝/庭園 ─
……おー……ある意味見事だな。
[嵐が過ぎた後、初めて足を踏み入れたその場所は、酷く荒れていた。
そこかしこに、風に吹き散らされた葉や折れた枝が散らばり、ついこの間までの整然とした雰囲気はない]
……ここもこのまま荒れ放題になっちまうのかねぇ。
[もったいないよな、と呟きつつ。
萎れた花の傍らに膝をついて、その花弁を軽く、つついた]
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