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ま、そこまで言うなら、選択肢は他にないね。
……血を流してでも生を掴み取ると言う意思は、俺にとっては敬意を払うに値する。
[それが命の正しき在り方、と見なしているから]
だから。
手は、抜かないっ!
[宣するのは、この場では非常に酷薄な宣。
素早い踏み込みから繰り出すのは、心臓を狙うに躊躇いの一切ない、銀の刃の突き、一閃。**]
[それぞれの武器を手にしたノーラとアーベルが、お互いを敵として認識し相対する]
………
[ノーラの後ろでナターリエは固唾を呑んで見守っていた。
足元では白猫が何かを予感してか、毛を逆立て威嚇の体勢を取る]
[ああ、どうしてこうなってしまったのか。
何が始まりだったのか。
何事も無く暮らしていたのは、もう遥か昔のことのように感じる。
両手を胸の辺りで組み、祈るような体勢でこの先を見届けようと*]
― 宿泊施設・廊下 ―
[どうなって欲しいのか、わからないのはどうやらお互い様だったらしい。>>+3:55
だって、きっと誰も、本当はこうなる事なんか望んでいなかったはずだから。
中央教会が何を思ってこういう事をしたのかは知らないけれど]
神のいとし子、なんて言われたって
こんなんじゃありがたくもなんとも無いや。
[左肩に触れる。
食われてしまったせいか、今のその場所に花はない。
そのせいなのか死んだからなのか、あの時の強い思いは欠片もなくて。
無理に枠に嵌めようとした事に理不尽ささえ感じるから。
もし生きて居たとしても、今までのように神には祈れないだろう。]
[自分がリディに強いた事も終わってみれば理不尽な事で
『聖花』に囚われていたとはいえ、それは赦されないと思っていて。
だから、正面から真っ直ぐ見詰められて少しだけ目が泳いだ。>>+3:56]
多分、あの花のせいだと思う、俺も、ギュンターさんも。
冷静になれば、あんなの本当に言いがかりなのにね。
[生きたいのは誰も同じ、人も、人狼も。
そのために人を殺した、自分も、ゲルダも。
何処が違うというんだろう、何が違うというんだろう。
今まさに、命の遣り取りが行われそうなその場所を見て
目を伏せるリディに視線を戻す。軽く、笑って。]
そうだね、こんなのはみんな中央教会のせい、って事で。
後は……みんながどうするかを見守るしかないから。
[伸ばされた手をそっと握る。>>+3:57
不思議と温かさを感じた気がするのは、きっと向けられた笑顔のせいだろう。*]
[咄嗟に避けようとしたが、後ろにはシスターがいるのを思い出す。
荒事に慣れない身では彼女を守りつつ避けるなど出来る筈はなく、
指一本分程しか身をずらす事しか出来なかった。
胸部に吸い込まれるように短剣が突き刺さる。]
…、…っぁ…
[冷感の後に、灼熱と痛みが襲う。
引き抜かれれば鮮やかな赤が廊下を染めあげ、口の中に鉄の味が広がった。
意識を手放しそうになるのを奥歯を噛み締める事で堪え、ナイフで左下から斜め上に向かって振り回す。
ろくに力の入っていない所為で手傷を負わせるには至らなかったかもしれないが、
何とか少しでもシスターから離そうと。]
…しす、た
にげ て…。
[ナイフを振り上げた姿勢のまま、己の身体を盾にするようにして。
後ろにいる彼女に声を掛けたが、気力で立っていたようなそれも長くは持たず。
からん、とナイフが床に落ちて音を立てて、
女の身体は床に崩れ落ちる。*]
[床にナイフの落ちる乾いた音。
緋に濡れた廊下に崩れ落ちる様子を見る蒼は、静かなまま]
……さて、どーします?
[空白を経て、向けられるのは静かな問い]
今の所、俺に、あなたを害する必然はない、ってのは。
一応、先に言っときますが。
[そう、『自分』には、ない。
背後に庇う彼女がどうか、は、わからないが。*]
最後の判断は、間違ってなかったんだけどね。
[シスターに向けて、鋭い鉤爪を、振り下ろした。]
おやすみなさい。
[その一瞬だけ、何かを堪えるような、苦しげな、そんな表情で。**]
─ 宿泊施設・廊下 ─
ああ、でも……ノーラにはそんなことさせたくなかったな。
[殺意は幼馴染の為なのだと、わかるからこそさせたくはなかった。
だけど、もう止める事は出来ない。
場が、動く。
ナイフを向けるノーラに対して、アーベルも刃を抜く。>>1
人狼の協力者かと言うことばは否定も肯定もせずに。>>8]
アーベルさん……知って……
[沈黙は肯定に等しい。
ノーラを人狼として殺すのではなく、ゲルダを生かすために刃を向けるのだと。
その強い意思を非難する言葉なんか持たない。
ゲルダが生きたいと望んでいるのなら抗うのは当然のことだから。]
[床を踏み込み、真っ直ぐに刃が向けられたのは心臓。>>9
躊躇いのない一閃は、そのままノーラの胸元へと>>16]
っ…!
[この状況に不慣れなノーラの動きはその切っ先を避けることはできず。
緋色が散る、それでも、シスターを逃がそうと腕が空を切る。
小さく口元が動いて、そのまま崩れ落ちるのを見届けて>>17
ゲルダと、それを守ったアーベルを見遣る。
ゲルダが歩み出でて、その爪をシスターへと向ける。]
……あぁ……
[これで終わりに出来ると言う声。>>20
場の天秤は月のいとし子へと傾いたのだ。**]
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