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[ノブの口元にころんと飴玉を落とす]
[入ったのを確認すると、じぃっとその表情を見つめ]
[少し心配そうに自分も口の中で飴を転がしつつ]
─口の中でモゴモゴと飴を舐めながら。
んー♪変わった味だねー?
(キスした時の味に似てるかな…?)
─ふっとあの時の事を思い出したのか。
─上半身を起こして彼女の頬に手を添える。
…飴、半分返すね♪
─そう言いながらキスをした。
[口の中にもう一つ飴玉が入ってきて]
[舌で転がし合って味わう]
[ノブの匂いと感覚が、あの部屋の記憶を呼び起こして]
[抑えきれなくなってノブの衣服をくいくいと引く]
[タ・ベ・タ・イ――]
[ゆっくりと口を動かしてノブを窺う]
─ゆっくりと覆いかぶさってくるリディアを受け止めながら。
─何かを言おうとしたが、口を塞がれているのに気が付いて。
─背中に回した手の指で、背中にゆっくりと文字を描く。
『ゆっくり味わってね?』
─大樹の陰。
─聴こえてくるのは衣ずれと。
─重なりあう2人の途切れ途切れの*息遣いだけ*
[掻き立てられた欲求にすべて明け渡すかのように]
[意識は目の前の獲物で満たされることだけに注がれる]
[ふと、背中に書かれた文字に笑んで返す]
[私だけの獲物――いただきます]
[月明かりを背に]
青い瞳を細めながら嘗めずり*ゆっくりと被い被さって*]
/中/
えーと、現在6人。
内訳は恐らく、
霊狩狼狂村村
で、間違ってない……よね。
そして諸々の起動から、内訳予測は立っちゃってるんですが。
…………。
どう、終わりに持って行こう。
や、まあ、明日いるかどうか、って問題もあるけどねっ!
─宿屋・2階/昼─
[光を感じて目を覚ます。
師の処方してくれた薬が効いたのか、体調は大分良くなっていた]
……んー……。
[病み上がりの気だるさは残るものの、熱は下がっているらしい]
……やっぱり、御師様の薬は違うなあ……。
[ため息を一つついて起き上がり、室内を見回すが、他には誰もおらず]
……あれ……自分の部屋、戻ったのかな……?
[呟いて、手早く着替えを済ませる。
ついでに荷物の中から飴の瓶と、紫の包みを出して。
包みは、治療道具を入れて持ち歩くポーチの底に隠し、瓶を片手に階下へと]
[酒場には主人以外の姿は見えず、手持ち無沙汰にグラスを磨く彼は、気配に気づくと大丈夫なのか、と声をかけてきた]
ん、もう殆ど平気。
ところで、レッグは……?
[カウンター席に座って飴の瓶を置きつつ問うと、家に帰った、との返事。
それに、そっか、と呟いた所に、騎士さまにあんまり心配かけてやるな、とからかうような口調で言われ]
……ちょ!
なに、その、言い方っ!?
[思わず上擦った声を上げるも、それはにやり、という笑いに受け流され。
それに、もぉ、とふてたように言いつつ、出されたホットミルクのカップを両手で持つ]
……ところで……ね、マスター。
昨夜また……何か、あったんだよね?
[カップの真白を見つめつつ、問いかける。この問いに、主人はああ、と嘆息して、昨夜の出来事を簡単に話してくれた]
そっか……ディーノさんと……パトラッシュ……。
[黒猫ともよく遊んでくれた彼ら。それが、白い光の兆したものと、その話から理解して。
小さく、ため息を]
ね……そもそも、なんで……あの子、追われてたんだっけ?
[甘いミルクを一口味わってから、小さく問う]
え……シャロン、さん?
[発端となった人物が誰かを聞かされ、一つ瞬き。
彼女が人狼を憎んでいるのは、これまでの事で理解できたけれど]
[考え事の内に沈み込めば、傍らの黒猫が不安そうに鳴いて。
我に返れば、主人も心配そうに見つめていて]
あ……うん、平気。
大丈夫。
それより、体調良くなったんだから、何か美味しいもの食べたいんだけどなー?
[暗い雰囲気を振り払おうとするように、明るい声を上げれば、主人はお前なぁ、と呆れたような声をあげ。
それに、表面上は明るく笑いつつ、*内心ではまとまらない思考の淵へ*]
―自警団詰め所・深夜―
〔独房を出て、団長の部屋のソファまで案内される〕
〔ひょろりとした細面の男が、温かいスープとパンを目の前に置いた〕
…なぁ。
ディーノ…あの、手品師。
何処で…殺されたんだ?
〔声をかけられるとは思ってなかったのか、一瞬びくりと身体を強張らせたが、自分はよくわからないので、誰か呼んで来る、と、聞き取れないくらいの小さな声が返ってきた〕
〔味なんかさっぱりわからない。とにかくスープとパンを胃の中に流し込み終わったところで、見知った顔の鉱夫が武装した姿のまま現れた〕
…パトラッシュを撃った後、お前らは一旦引き上げたんだな?
んで、ディーノの気持ちが落ち着くくらいの時間を与えてやれ、と、シャロンに言われて、暫し二人だけにしてやった。
救護班と合流して、遺体の引き上げに行ったら、奴はまだパトラッシュの上に覆いかぶさってたんで、引き離そうと近寄った…。
その時には既に肩甲骨の下辺りに風穴が開いて、辺りは血の海だった…。
〔一つ一つ確認するように、状況説明してくれた鉱夫の言葉を鸚鵡返しに呟く〕
/*
ランディ…マジ惚れして良い?(ぁ
パトラッシュに覆い被さってるとか僕が考えてたこと何で分かるのー!?
表に書いておけばよかった(マジで)。
*/
ノブの時とは、えらい違いだな…。
〔鉱夫もぞっとした表情のまま、あれはないよな、と同意する〕
〔そう。ディーノの死体は他に損傷が無かった〕
〔ゆっくりと嬲り殺す時間が無かっただけなのかもしれないが、もし、人狼が生き延びるためだけに、邪魔な存在を襲っただけなのならば〕
…奴が、本物の占い師だった…って事、じゃねぇの?
じゃぁ、シャロン…。
クローディアのトパーズを受け継いだと言ってた、奴は何者だ?
〔先日宿屋の主人から教えてもらった人狼伝承、御伽噺にによれば、特殊な力を持った村人は、役職につき一人だけだった筈…〕
〔そして、ディーノは、真占い師は、シャロンの事を、人間だと宣言していて…〕
…クローディアを失って、狂っちまった…のか…。
〔無意識に煙草を吸おうと身体が動く〕
〔しかし、目当ての物は、既に空になっており、小さく舌打ちする〕
参ったな…。
こんな時間じゃさすがにフランも寝てるだろうし、明日雑貨屋に行くしかねぇな。
〔話を聞かせてくれた鉱夫に向き直り〕
…俺、もう独房戻らなくていいんだよな?
家帰って、寝るわ。
…あー、つるはしの話?
あっそう。あの角度のやつが一番使い良いんだな。
了解。
〔気分の良くなる話をしたかったのだろうか。自分でももう忘れていた、作業用具の試作品の使い心地を教えてもらい、思わず笑みがこぼれた〕
…俺、まだ笑えるじゃねぇか。
まだ、やれる。
立てる。
あいつの犠牲を無駄になんか、しない。
俺が守りたかった奴を奪った奴を、必ず見つける!
〔少しずつ、本人も気づいていなかったが、狂気に蝕まれていっているのであろう〕
〔守りたかった存在は妻、ジュリアであり、失われて久しいのに〕
〔人狼に命を奪われたのはクローディアであるのに〕
〔人狼が自分の守るべきものを奪ったかのごとく感じられるようになっていた〕
[暫し暗闇の中を歩いて。
いや、どこに足をつけているのかも判らない、ちゃんと前に進めているのかも判らない、それは不安定なものだったのだが。
ある一線で、匂い――世界の匂いが変わっているのに気づく。
足をとめた。]
ん……ここ、何かの出口かもしれねぇ……。
洞穴の出口にしちゃあ、妙だけどな。
向こう側も暗いし…まだ夜なんかな。
[振り返って、ディーノにそう言いながら首を傾げる。
そもそも今何時で、あれから何時間経ったんだ?]
―自宅・朝―
〔昨晩は家に戻ったとたん、強烈な睡魔に襲われ、ベッドの上で泥のように眠ってしまった〕
〔朝になり、昨日の作業の片付けが手付かずのまま放置してある事を思い出し、工房へと向かう。がらんとした空間の中に、受け皿が一つ、無造作に転がっていた〕
…パト…ラッシュ。
〔受け皿を持ち、暫し目を瞑る〕
〔それを台所に置くと、黙々と片づけを始める。手際よく作業を終えると、受け皿に水を入れ、工房を出た〕
〔向かった先は、昨日教えた小さな洞穴〕
〔何人かの自警団員がいたが、誰もこの男の行動を咎めようとはしなかった〕
〔まだうっすらと残る血の後の近くに受け皿を置く〕
…水。
まだ途中だったろ。
飲めよ。
…。
〔何か言おうとしたのだが、喉に引っかかって上手く言葉にならない〕
〔短い沈黙の後、一歩後ろに下がる。そのまま元来た道へと帰っていった〕
〔日は既に中天に昇っていて、今日も蒸し暑くなりそうだった…〕
〔いつものように、教会へ向かう。死者の弔いがされていて、献花台にはいくつかの花が飾られていた〕
〔アッカーソン老夫婦がちょうど帰るところであった〕
〔お互い、軽く会釈をするだけで無言のまま〕
〔かける言葉など、見当たらないし、かけて欲しい言葉なんてものも無い事をよく知っていた〕
…。
〔こめかみの辺りからじっとりとした汗が流れるのもそのままに、無心に、祈る。祈る。祈る…。何を願うのか、何を望むのか。自分でもわからなくなっていた。〕
…煙草、買いに行かなきゃな。
〔それだけ言うと立ち上がり、広場を通り、雑貨屋へと*向かった*〕
―雑貨屋―
[朝方]
[扉の外で自警団員が]
[呼ぶ声が聞こえた]
知らない。
[その一声だけが返る]
[立ち寄った自警団員は]
[仕方無く戻っていった]
思った以上に。
騒ぎになっているわね。
シャロンが狼でないことは。
ディーノが証明したでしょうに。
中途半端に信用して。
中途半端に疑惑を持つ。
…愚かな。
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