烏賊 ラスは、現れた雅詠には、おや、と小さく目礼して。

くの一 アヤメは、風を感じれども、振り返りはせず。

自警団員 ガウェインは、烏賊 ラス「―また驚かせてしまったな」

烏賊 ラスは、雅詠の言葉に「さて、別段に驚いたとは」と笑みを佩く。

くの一 アヤメは、言ってから、ひとり、くすくす小さく笑いを零す。

自警団員 ガウェインは、烏賊 ラスにくすと笑んで「瞳の色が変じる事などそうはないだろう？」

烏賊 ラスは、雅詠に「名の変じた天狗殿なら不思議とは思わず」と笑み返し。

くの一 アヤメは、眼を細めれば今はいでぬ三日月のように。

自警団員 ガウェインは、烏に苦笑を返し―決めたと聞けば真剣になるか。

くの一 アヤメは、白の海に腰を下ろしたままに、霧の彼方を見遣る。

烏賊 ラスは、笑み浮かべたまま、ゆらり、踵を返して歩む。

烏賊 ラスは、メモを貼った。

自警団員 ガウェインは、メモを貼った。