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…音色。
[ゆらりと揺れて。
顔を上げる。
何かに耳を澄ませて]
ああ…。
[その純粋さに。
その強さに。
どうしても惹かれるのを感じて]
―――。
[気が付けば桜の根元。
目の前で繰り広げられるもう一つの戦いを前に。
肩を抱いて蹲っていた]
[溢れる赤に、手が止まりそうになる。
直ぐに手を離して下がればよかったのに、
生じた躊躇い故にそれは叶わず、
気付いた時には刃が迫っていた]
『―――やば、』
[膝を曲げてしゃがみ、
身体をバネにして相手の懐に潜り込むようにして、
体当たりを仕掛ける。
自ら一撃を受けに行く形にはなったが、
刃は肩口を浅く切るに留まった]
…!
[あかい血が見え、自らのそれに妹を重ねたか。瞳の色が翳り。
体当たりをまともに食らい、衝撃に少し下がった。何とか倒れずに踏み止まりはしたものの、刃は相手の肩口を掠めるに止まり、握る手が僅かに緩む。]
投票を委任します。
ショウは、 フユ に投票を委任しました。
[跳ね上げられた手が狙う先を察知してか、後方に下げる。何とか取り落とさずに済んだ。
相手が鋏を取り出そうとしている隙に体勢を立て直し、首筋を狙い刃をもう一度振るう。]
[手は目的を達する事なく、空振りに終わる]
―――オレだって、
護らなきゃいけないモノがあるんだっ!
[先程の相手を真似るように、身を屈め、
引き戻した左腕を振われる刃に向けて翳す。
訪れるであろう痛みに歯を食いしばりながら、
遅れて取り出した鋏を、
切っ先を相手の腹部目掛けて繰り出した]
[刃が相手の首筋に触れるか否かで、
迫る鋏の存在に気付き、避けようとして、]
――ッ
[叫ばれた声に反応は遅れ、
――ずぶり。
鈍い音。
目を見開いた。]
フユは、 ヨウスケ を能力(襲う)の対象に選びました。
[ほんの一瞬、動きを止めた刃。
左腕を首との合間に滑り込ませて、それを受ける。
そこだけが、熱を持ったような気がした。
思い切り力を籠めた鋏は、予想外に簡単に収まった。
肉を貫く感覚。眉を顰めて、…目を見開いた]
………ぁ、
[小さく、声が零れた。
手を離して、1歩、後ずさろうと]
[刃が手から離れ、落ちる。軽い音を何処か遠く聞きながら、]
――ッぁ…
[灼けつくような熱と、鋏の刃の冷たい感触。
血を流す腕は震えながら刺さった鋏に伸び、引き抜こうとしてかそれを掴み。
けれどぐらり、前方に身体が傾ぐ。]
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