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[リュウを追い、校舎へと駆けて行くショウの背中を見送って。
この場へと近寄ってくるセンパイの姿に気付きながら、
その場に残された、懐中電灯を無造作に拾い上げる。
一瞬、バチンとプラズマの弾く音と共に、青白い光を放って。
指先に残る僅かな痛みと、掌に収まった電灯を見詰めて
小さく溜息を零した。]
…だっから、痛ぇっつーの…、…
───、…。
[ふと、自らが行使したものに似た力を感覚が捕らえる。
「還された、」と。ポツリ呟いた、直後。
ふ、と。蠢いていた幾つかの気配が消えたのを感じ、
僅か見開いて闇夜に聳える校舎を*見上げた*]
アズマが「時間を進める」を選択しました
―桜―
[ヨウスケに尋ねられて話したことは又聞きの又聞きに等しいことで、よくわからなかったかもしれなかった]
でもなんだか不思議なことするんですよ、かのうせんぱい
[その声はまるで囁くように小さく、おそらくは対象に届かなかっただろう。]
さすがに、何の力もない私にはむずかしいかなあって、対処を考えてるんですけど
[バトンを放り投げ、片手で受ける。
持ち手をかえて、笑う]
ごはんたべたいし、先、戻りますね
[体力温存。
そう言って、他は気にせず寮に戻る]
投票を委任します。
マイコは、 マコト に投票を委任しました。
…外怖いよう怖いよう!(笑)
マイコも怖いし、ヨウスケもちょっと怖いし、
ショウ先輩もなんだか血迷っちゃったし(血迷うって
…わざと能力目の前で見せた自分って何かマz(ry
─校舎二階・廊下─
…………。
[声を出す事を忘れたような、そんな感覚に囚われていた。
目の前に、広がるいろ。
その源。
それは。
絶対に。
見たくはないと。
そう、思って。
だから。
そのために。
自分は。
思いはその場で空回る]
[矢が弾かれるのも、白い切っ先が自分に向くのも。
見えてはいたけれど。
言葉が投げかけられたのも、聞こえてはいたけれど。
どれもこれも。
とおく。
とおい。
それでも、ウミを抱えたフユが、闇の中に落ちる様子に。
意識は目覚めて]
……また……。
[小さな呟き。
追おうとするように前へと踏み出すものの、足がもつれてその場に膝を突く]
……まもれ……なかっ……た。
[とっさに突いた手で身体を支えつつ。
ぽつり、小さな声で呟く]
なん……で?
[無くしたくなかったのに]
俺は……そのため、に……。
[強くなろうとして]
なの……に。
[なにも護れず、失って、喪って。
なくなってしまう。なくなってしまった。
護りたいと思ったものは]
俺……は。
[身体が震えているのが、妙にはっきりとわかる]
う……あ……。
[震えが止まらない、止める方法がわからない]
くっ……う……わああああああああああっ!!!!!
[震えが導いたのは、絶叫。
迸るその勢いに合わせるように、両手で床を打ち据える。
声に、やり場のない怒りが込められているのは、はっきりと感じ取れるだろうか]
[それでも、やがて声は静まり。
しばし、荒い呼吸だけが周囲に響くか。
その合間に、床に滴り落ちる滴の存在には、気づいていたけれど。
止める術はなくて]
……もう……なんにも……ない。
俺の……まもりたかったもの、は……。
[やがて、紡がれたのは、小さな呟き。
俯くその表情は、他者の目に触れる事はなく]
なんにも……ない……あるのは……。
[『司』としての──異端の力、それだけ。
それだけしかないのなら。
自分は]
……無くすものがない、なら……何も……怖くなんか……ない。
[零れ落ちたのは、どこか軋んだ──でも、今の彼にとっては唯一の真理。
俯いた顔を、ゆっくりと上げる。
瞳にはやや冥い決意の色彩]
俺は……俺の、なすべき事を、やる……。
『司』としての……それが……。
[今、自分がここにいる意味、と。小さく呟いて。
やがて、ゆるりと立ち上がれば、寮へと向かうだろうか。
そこに置き去りにしたもの──身体に最もよく馴染む武具を*手にするために*]
マコトが「時間を進める」を選択しました
[フユの手に突然現れた、白い刃に、一の矢が成す術も無く弾き飛ばされる。躊躇わず二の矢を番えようとした手が、背後に感じた気配に止まった]
………各務………
[彼を「司」と呼ぶ、フユの声が聞こえた。振り向いて見たマコトの姿は、凍り付いた彫像のようだった]
[ゆっくりと、マコトに語りかけながら、フユが動く。逃げようと…いや、場を移そうとしているのは確かだった。足を止めることなら、出来たかもしれない。だが、そうして、勝てる、とは思えなかった]
…………
[それでも、矢を番え、動かぬマコトの前に立ったまま、弓を引く…フユがマコトを狙うなら、それを止めるつもりで。それだけしか出来ぬと、判っていたから]
[やがて、心臓を喰らわれたウミの身体を抱えたまま、フユの姿が闇に堕ちる…マコトが、動き出しても、弓を引いたまま動かなかった…或いは、動けなかったのか?]
[そして、耳を撃つ絶叫……]
ヒサタカが「時間を進める」を選択しました
[―――遠い遠い、昔の夢。
産まれ落ちる前の記憶というのは
ほとんどの人が忘れてしまっているが、
ショウには朧げながら覚えがあった。
その頃は、とても、しあわせだった。
あたたかな夢幻に揺揚うように、
小さな揺籠の中で父母の優しい声を聞いて、
傍らに何より近しい存在を感じていて。
何に迷う事もなく、静かに揺られていた]
[けれど外の世界に出た時、それは終わった。
彼が地に生まれた日は、彼が天に還った日。
片割れとは、離れ離れになってしまった。
いたけれど、
いなかったし、
もういない。
2人は1つだったのに、最早、共に在りはしない。
地に残った彼は翔という名を授けられ、
空に昇った彼は隆という名を贈られた]
[幼い頃、片割れの存在を語った母も、もう亡い。
彼と彼女を奪ったのだと疎んじた父も、もう無い。
失ったモノの代わりを、
伯母に与えられ、
後輩に望んで、
子犬に求めるとは、
愚かしい事だろうか。
それでも、今、ショウにとって、
生きる意味は其処にしかなかった]
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