情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
―弓道場―
[戸に手をかけて、昨夜から鍵が開けっぱなしだったことに気付くと、苦笑が唇に浮かぶ。尤も、あの状況で鍵をきちんとかけて出ていたら、それはそれで自分に呆れたかもしれなかった]
………
[弓道場に入り、補修道具を引っ張り出す。夜明けの静寂の中、竹を削り矢羽根を付け替える僅かな作業の音が、やけに大きく響くように思えた]
見せる人はもういないですけどねー
我慢しなくていいかなーって思っただけです
[あはっと笑って、自分もその隣に]
いただきまーすっ
[少しゆですぎでやわらかくなりすぎた麺を口にする。
彼が死んでから、そう認識してから、味覚などとうにおかしくなっていた]
[翌朝。光を感じて目を覚まし、着替えようとして。
……選んだのは、何故か剣道着。
昨日のものは自分の血が染み付いて黒く変色していたから、まだ下ろしていない、新しい物に袖を通す]
……ん、よし。
[小さく、呟く。
恐らくは、自己暗示なのだろうが、気が引き締まるような気がした。
そうして、竹刀ではなく、木刀を肩に担いで、足早に寮を出る。
気配は感じていた、けれど。
それよりも、気にかかる事があったから、真っ直ぐに、桜の元へ]
見せたらおわっちゃうような気がしてまして。
ゆめってはかないじゃないですか
[にっこり笑って、素麺を食べる。
量はそこまで多くは無く、皿の上で白が減る]
−校内・2階廊下−
[食事を済ませ、最低限の身支度を整えて
部屋を出ると、2階の廊下へと向かった。
昨夜と打って変わり、校舎の中は静かだった。
床を彩る赤は、予想よりも少なかった。
逝った者のは桜に吸われ、憑魔のものは消え失せ、
残されたのは生ける者の血だけ故とは知らないが。
割れた窓ガラス。散らばる破片。
怪我をしないよう、仔犬を頭に乗せた。
誰の物か、弾き飛ばされた竹刀、数本の矢。
更に奥に行けば、弓が落ちているのも見えたろう。
存外、冷静に観察している自分がいて、厭になった]
[つるんと食べ終えると]
ごちそうさまでした。
[手をあわせて、笑いかける。]
うん、はかないですよね。
信じていて、本当になるものかなぁ?って思うけど。
フユせんぱいは、本当になったユメってあるんですか?
─桜の大樹─
…………。
[樹に、近づく。
見えた。
それは、異常に冷静な一部分が予測していた状況]
…………。
[唇をかみ締めつつ、上の枝へ視線をずらす。
桜色の小袖の少女は、まだ、そこにいた]
……還す……よ?
[静かな言葉への返事を待つ事無く。
辛うじて人であったものとわかるそれに、ゆっくりと近づいて。
風に乗せて、光へと]
私?
[空になった器を盆に乗せながら、手を止めた。
底抜けに無邪気な、マイコの笑顔を見てフユは少し考え込む。]
ん…………
私はあまり夢が無いからね。
でも、邪魔するものがあったら、取り除けようとはしてる。
ユメの邪魔?
[首を傾げる]
そんなことする人がいるんですかー?
取り除いちゃっていいと思いますよ
私もそうするつもりですしー
[にこにこと笑って]
そういや……結局、聞けなかったな……。
[光が散っていくのを、見送りつつ、小さく呟いて。
その全てが風に散れば、再び枝の上の少女を一度見やり、剣道場へと足を向ける]
うん。
[フユは、空になった器と、まだ中身の残る器を乗せた盆を片手に乗せて立ち、もう片方の手をマイコの頭の上へ乗せた。]
それで良いんだよ。
私はそういうの、好きだな。
[調理場へ。]
あ、皿洗いなら別に。
アンタにやらせたらどうなるか分かんないし。
でも、ここの学校におかしな事をしてる奴を
何とかしないことには何にもどうにもならないね。
[てきぱきと、残飯を処理して食器を片付ける。]
私も、マイコの
うーん……何て言ったら良いのかな。
味方? だから。
[少し言いよどんではにかみながら、タオルで濡れた手を拭く。]
[矢羽根を取り替え、削った表面の屑を拭き取ろうと、ポケットのハンカチを引っ張り出す、カサ、と軽い音がして、小さなメモが一枚床に落ちた]
…………
[メモを拾い上げ、そこに書かれた父親の文字をじっと見つめる]
『戻ってきなさい』
[と、一言だけ。それは恐らく、どう書くかを逡巡した挙げ句の、懸命な一言だったろう]
それはどーゆー意味ですかー!
[むぅっとして、食器を片付けるのに手伝うのはできなかった。
というより、任せてもらえなかった]
そうですねぇ。
せんぱい、心当たり、ありませんか?
[なんとなく首を傾げて尋ね]
私もフユせんぱいの味方ですよー
[はにかんだ顔は可愛らしく、わぁっと嬉しそうな声]
せんぱいかわいいー
うーん、
[言うか言わないかなど、考えない。
言ったところで相手がどうなろうと、知ったことではないのだから]
かのうせんぱいが、何かよくわからないことしてたんですよねー
なんだったんでしょう?
─剣道場─
[中に入り、いつものように上座に向けて礼をする。
これだけは、しっかりと身についた習慣で、それは変わる事もなく]
…………。
[中央に立ち、木刀を構えて目を閉じ、精神統一。
開いた瞳は鋭く。
直後に、大気の断たれる音が鋭く、響いた]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新