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[短い返答に、僅かに目を細める]
そうか…邪魔にならないなら、暫く見学させてくれ。
[言って、開いていた扉を閉めると、その場に腰を降ろした]
/中/
それにしても。
現在のBGMがはまり過ぎでこわいねこが一匹います(何。
予測はしてたけどなー……ここまではまるものかと!
見学って……構いません、けれど。
[見てても、面白くないですよ? と。
冗談めかして言うものの、特に拒む様子は見せず。
一つ、深呼吸をしてから木刀を構え直すと、始めはゆっくり、段々と動きを早めるように動き出す。
その後を、慕うように舞う、風]
[ゆるり、瞬く。視界の端の校内へと続く扉が
コンクリートから立ち上る陽炎に揺らめいて見えた。]
……、
[暫く黙り込んで、小さく溜息を零す。
ただ諦めるには、あまりにも難しかった。
コンクリートへと投げ出した掌を、ぐっと握る。]
[一番周囲を見渡せるのは、屋上。
そんな、単純な考え。
他に人がいないだろうと思ったのもあった。
進入禁止の鎖を越えて、更に先へ。
ノブに手をかける。
以前と変わらず、鍵は壊れているようだった。
地上よりも幾許か近い太陽の光が僅か、差し込む。
内の籠もった空気と、外の熱気。
異なるけれど、どちらも暑いと思った]
[食堂を出ていったフユを見送る。
再びかんがえるために椅子を引いた。]
……背のたかい、ヒサタカ、さん
誰だっ………………あ、もしかしてあのひとの名前がそうだったかな
[思い出して首をかしげる。となりにおいてあったバトンを、無意識につかんだ]
[静と、動。
その合間の鋭。
ひたり、前を見据える瞳は、そこに何を映してか、険しく。
振り切る木刀、その切っ先にも、鋭い緊張感が満ち満ちて]
…………。
[やがて、乱舞はぴたりと止まり、静かに切っ先が降りて]
……何とも……思わないんですか?
[零れ落ちたのは、やや、唐突な問いかけ]
[フードの端から覗く視界の端、陽炎に揺らめく扉が僅かに開いて。
コンクリートへと伏せたまま、ゆるりと目を見開いた。
誰も来ないだろうと考えていたのは、当人も一緒だったらしい
余りにも驚いたのか、動く気も無かったのか。
ピクリとも動かずに横たわったままで]
枝の上には、変わらぬ桜色の小袖の少女。
花の内、そこだけは桜の季節そのままなのか。
悠然と、悠然と、花は微風に揺れて。
[ギィ、と軋んだ音を上げて、扉が開く]
っはー…
[声をあげようとして。
寝転ぶ人物に気づき、呼吸までも止める。
派手な色のフードに見覚えが無い訳はなかった]
………あずまん。
[一瞬の躊躇い。
けれどいつも通りの呼び方で、逃げる事もせずに、
扉の傍に佇んだまま、声を投げかけた]
[一言も発さないまま、桜の下まで来た。
ふと思い出して携帯を取り出し、開く。挟まれたままだった萎びた桜の花弁がはらり、落ちた。]
……
[小袖の少女を見留めれば、僅かに目を細める。]
[問い返しに、微か、苦笑を過ぎらせて]
だって。
聞いていたんですよ……ね?
憑魔の、言葉。
俺が……。
[人を喰らった事を、と。続く言葉は辛うじて聞こえるかどうか、というところだろうか]
ああ…
[そのことか、と、少し意外そうに呟いて]
……もう、そういうものだと聞いていたからな。
そもそも話させたのも、俺だ。
今更、気味悪がるのも、あんまりだろう。
[淡々と言う]
──……、あー。
…、ちわッス。
[名を呼ばれて、黙りこくるわけにもいかずに
短く返事を返して。もぞりと僅かに身じろいだ。
何時もの呼び方に、何処か安堵する。
昨夜の様に「オマエ」とか呼ばれたら、
多分、もっと凹むだろうから。
……何か精神弱くなってるな、と内心苦笑しながら
ゆるりと起き上がって、軽く頭を振ると
フードがぱさりと落ちた。]
どしたんスか。こんなとこに。
ヨウスケ君はどうするつもりなの。
[ぱちん、と携帯を開く音に
フユは樹上の少女には興味が無いというように
目を逸らして、ヨウスケを振り返った。]
いまと。
これからと。
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