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これ、役にたつかなぁ。
[長老から貰った、「宝」。
それは存分に大地の力を秘めていて、マテウスに「知識」を与えた。
そしてこれは、多分、マテウスが普段から持ち歩いている手斧と合わさり、「刃」の部分となると思う。
試したわけではないが、なんとなく、分かった。
大地の力が存分につまった、鋼の刃…あまり使いたくないな、と思った。]
< 大きく気配はゆれました。
あわててリディのそばに走ります。さすが、足音はしませんでしたが。
その口をふさいじゃえばいいんです!
というのはなかば、盗み聞きの負い目と、ばれたくないっていう気持ちで、パニックになってしまったからでしょう、か >
[ナターリエの問いかけにくすりと笑うと]
そんなの私の知り及ぶ範囲じゃないよ。
ただ、寂しいなんてのは、その協力者がそばに居てやればそれで済む話。
拒否したなんてのは、協力者の意義自体が歪むから問題外。
だから甘い話。そう考えただけ。
[道行く途中、]
[彼方此方に展開されたモニター]
[地上の様々な場所を映すも]
[流石に個々人の部屋までは感知すまいか]
[時折、線の混じる画面を眺めながら]
[やがてファクトリーエリアへと繋がる路へ]
< すくなくとも、かろうじて聞こえた範囲。知り及ぶところじゃない、って、どういうことか。
考えるまえに、瞬発力をいかして、じゃんぷ!
手を伸ばして――その腕をとらえようとしました。
ねえ、猫。逃がしてあげれば、よかったんじゃないかしら? >
こっちか?
[パイプラインを辿る道。
壁向こうからはもう音がしなくなった為警戒を解いて(こう見えてもそこそこ警戒はしていた)、歩こうかと足を出す。
冷たい床には、柔らかい皮のブーツでも足音がした。]
[少女の小さな笑いに、私は哀しげに瞳を揺らす]
寂しくなくば、何故に連れてゆくのですか。
連れて行かれた者達は少なくとも望んで行ったではありませぬ。
それに…協力せし者は何ゆえ彼の竜へと力を貸しておるや。
そなたは何を知り、何を望みて動く…?
…――っ!?
…無駄に強いから、制御しきれないんだよなぁ…。
[例の機竜の仔の力が、封じられていない野放しの状態での力なわけで。]
ブレスも余計なとこまで燃え広がるからから、コイツ通さないと危なくてねぇ。
[軽く掲げてみせる銃は、唯一鋼を扱える特別な精霊が作ったもので。
ガラス玉の飾り緒がきらりと揺れる。]
< 気づかれる って思った瞬間、
猫は、その勢いのまま、近くにあった扉をあけて、リディをおしこもうとします。
もちろん、自分もいっしょに。
口ふさいだほうが、いいかもしれない。
そう思ったら、おおえる場所は、ひとつしかないわけなんですけれど。だって、猫にとっては、たいした意味などもってませんもの。 >
制御は大事だな。うん。
お、いい細工だな…なんだろう、大地の匂いが少しする。
[ダーヴィットの銃に、目を丸くしつつ微笑む。
ゆっくりと歩いて行くと、なにやら閉じられた大きな扉が見えてきた。
読めるかは分からないが、「メンテナンスエリア」と書いてあるようで。]
だから、知らないって…………ん?
[突然、聞こえた足音。そして聞こえてきた声。怪訝そうにドアを開けきょろきょろと廊下を見回すが、すでにリディは部屋に押し込まれた後。]
……何だったんだろ?
[そう言って首傾げ。]
[広い通路に響く足音。
みちなりに流れ、集約していくパイプラインは、彼の竜のへと活力を供給していて。]
…そーいや、熊オッサン通れるのかな…。
[たしか、あの隙間はギリギリだった気が。]
ここなのか?
[扉の横にある光る四角いモノを触る。
ンイー、と音がして、左右に扉が開いた。
が、そこには目当ての機竜ではなく、沢山の細かいパーツが並んでいて。
少し広くなった部屋からはまだ廊下や扉が沢山並んでいたが、中央に通じる扉は開ききっており、その中に見えるのは…銀の、骨。
一本の太い銀の骨から何本も細かい銀の骨が生えており…それはまるで、翼。]
[翠樹の少女の後ろから、私も廊下を覗く。
既に姿も気配もなけれど、獣の鼻はそれが彼の猫だと教えてくれた]
……なにゆえ…?
[疑問はあれど、いま成すべきはそれではなく。
私は驚きを押し隠し、知らぬと言い張っていた少女を見下ろす]
……あくまでも知らぬと…そうおっしゃるのですね。
なれば…私に出来る事は………
[獣の耳が垂れて、愁いの瞳を睫毛に隠す]
…翼。
[作りかけの鋼の骨格は、力強く広がる。
…かつて自分の背にあったものとあまりに似ていて。
ただじっと、それに見入る。]
…これが、機竜?
どこに意志が…あるんだ??
[ぽかーんと見上げ。
この骨組みから作られる翼が設置されるのだとしたら、相当大きな事だけは分かるが、胎動もしていない骨組みからは意志などは感じられず。
残念、ここはファクトリーじゃなくてメンテナンスエリアの一室ですからー。]
[翠樹の少女を捕らえても、彼女が口を割ることはないだろう。
なれど、連れゆかれるを防ぐ事にはなるであろうか]
[竜が望みも、彼女の望みも、私は知る事が出来ずに肩を落とす]
[捜索を諦めたか]
[機鋼の竜の元へ]
[右手で横たわる体躯に触れる]
[相似にて][相違なる][異形の腕]
" fbl#O' "
[されど一拍のうちに人のモノへと戻り]
[数拍ののちに彼の姿は其処から消え]
[*粒子の残滓が僅か在るばかり*]
[言葉を尽くして訴えても、通じぬのであろうか]
[何を望むかすら、言っても意味がないと判断されたのであろうか]
[結局、私では…役に立てないのだと――それが哀しかった]
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