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マテウスさんの。
…その子も驚いちゃったでしょうね。
[小さく微笑んで。その姿に何を思っていたか]
私はもういいから。
落ち着くことはできたし、これ以上は無理。
…自業自得だけど。
[苦笑い。普段見せる表情とは随分違うものが掠める]
風に何かを聞いていたんじゃなかったの?
随分と沢山集まってるけれど。
[それとなく左手を動かしている。ひらり、シャラリ]
[こんな下らない会話が流れっぱなしになるくらいなら装置を止めたかったが、あまり怪しまれる行動も取りたくなかった。結局そのままにしている]
そか。
…ここを捜しても、なぁ…。
あいつらがどこに消えちまったのか。
仮に場所が分かってもそこへ行けるのか。
[鳥と風精の戯れを眺め。続く言葉に視線を青の少年へ]
ああ、いや。
どうにも風のコントロールが上手く行かなくてな。
屋敷周辺の情報がひっきりなしに運ばれて来るんだ。
それをどうにかしようと思ったんだが…風に邪魔された。
−ファクトリー−
[作業台の上で眠る、未誕の機竜。
ケーブルとパイプに繋がれたその身体に、背を預けて座る。
本性の時の自分と、どこか似たおなじ大きさの冷たい肉体。]
<<…みせて。>>
>>…何を…?<<
<<…せかい。>>
[寝物語をねだるような幼子の囁き。
それは同族ゆえの同調か、同じ焔を胸に抱くがゆえか。
無数のコードがざわめき、プラグが幾つも突き刺さる。]
…っく。
[絵本を読み散らかすように、勝手にめくられる記憶のページ。
データとして読み出される、今まで触れてきた世界。]
[ユリアンの言葉に]
(……馬鹿です。馬鹿が居ます)
(駄目だあいつ。早く何とかしないと)
[そんなこと思っていたとか]
学生 リディは、シスター ナターリエ を投票先に選びました。
[持ち上げた左手]
[空を舞うもの達には届かず]
[重たげに垂れ下がる鎖]
風のコントロール……
対たる大地がいなくなってしまったから?
[じゃらり。]
[ブリジットの言葉に、この少女も色々悩んでいたのだろうかと考える。消えた者について知ることの出来る力。一人で抱えるには大きすぎるものなのだろうか]
聞きたくなくても、運んで来るんだよ。
普段から気をつけなきゃそう言う風になってたが、今日は一段と酷い。
しかも俺の意思を聞いてくれやしないと来たもんだ。
[お手上げ、なんて両手を顔の横に持ってきたりして]
[2人の無言の会話に、何してんだか、などと思いながら]
そう、なのかね。
昨日ここに戻ってきた時もそうだった。
急に風が暴れて、その時はどうにか止めたんだが。
何かの異変を感じた。
多分、マテウスが消えたのに反応したんだろう。
―果樹園―
[立ち上がり、プリーツスカートの裾を払う。
寝起きにするように、ぐい、と腕を伸ばしてから樹に触れた]
命を持たない存在ってあるんだね。
オヤジたちから訊いてたけど、吃驚だ。
それはそれとして本当は命を持ってるのかも知れないけど、私には判らないよ。とても冷たい気がするんだ。
[林檎を齧る様子は特に気にした様子もなく。
高く買われて、という言葉にはほんの少しの苦笑]
幼心に、印象が強いもので。
[冗談めいた言葉をさらりと告げて]
ええ。さすがにこんな騒ぎになっては……俺と、もう一人だけの手には負えないし、そんな悠長にも構えていられないので。
『魂』の意思ではないですね。
実際、セレスも今回の事態は理解できずにいるようなので……。
推測するに、今回の騒動の発端は『器』に宿された仮の意思……恐らくは、本能的なものによる、と思っているんですが。
正直、それが何かの予測が立たない。
そして、機鋼竜に与する者が、何のために動いているのかも。
[ため息をつきつつ、碧をぽふり。きゅう、と短い鳴き声と共に、尻尾がゆれる]
大きかった対が消えた分の反動。
あんまり無理なことは出来ないけれど…少しだけなら宥められるよ。
でも望まれなければしない。
[アーベルには小さく首を傾げるだけで。
振り返ったハインリヒをまっすぐに見た。
いつもより少しだけ大人びた表情]
風は自由に運んでくるから。
それだけ貴方の役に立ちたいと思っているんじゃないかな。
―果樹園―
[命を持たない存在…その言葉に一つの面影が浮かぶ]
冷たいって…
[それは既に、問いではなかったかもしれない]
うーん、掴みきれなくは無いんだが…かなりの集中は必要そうだ。
邪魔さえ入らなければ。
[現時点で最大の邪魔は風精なのだが]
命に関わるような危険性は無いとは思う。
[アーベルにはそう返して。いつもと異なる印象を受けるブリジットに視線を移しつつ]
いつも、役立ってもらってるんだがな。
こいつらが居なけりゃ俺の仕事は成り立たない。
んあー、少し宥めてもらえると助かるかも。
今のままじゃ掴むにも掴めない。
[幾度か早回しで見た後で、
気に入ったものがあったのか、同じ場面を何度も何度も繰り返す。
夕映えの空をゆったりと飛ぶ翼。
背に身を寄せる、命のちから持つ同胞。
治りきらぬ傷の痛みはあれど、風はその頬に、その翼に。
空とひとつになり、渡っていく感覚。
飛べなくなる前の、最後の空の記憶。]
―果樹園―
[ここから出たいのは、皆同じだろう、と言いかけて、それは意味が違うと、自分の中の何かが押しとどめる]
お嬢、でも、それは…
[ここではないどこか、今ではないいつか…それは、もうずっと誰もが唱える呪言だけれど]
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