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[玉鋼の力を秘めた銃、迫る鉄の蟲へと向けて。
滾るが不安定な火炎の力を玉鋼は支えて、一点へと収束。
幾千度の息吹が、一体を貫く。]
―果樹園―
[槍はしっかり脚に刺さっていたので、その柄を掴んだまま、顔を顰める]
後で癒せば、何やってもいいってもんじゃないだろうが!
まったく…
[ぜえ、と息をつきながら零された呟きは倒れた少女には聞こえていないだろう。そして、ぽとりと落ちた猫に、漸く気付く]
あ………ごめん。
[手遅れ]
[痛みに耐えながら]
俺が、邪魔になった、って、こと、だろう。
そ、こから、導き、出される、答、え、は、一つ。
[言葉が途切れ途切れになっているのはご愛嬌。痛いものは仕方が無い。力の流れを感じると、治療の痛みが少し和らいだようだ]
…あいつが、どういう目的かは別として、機鋼竜に協力してたってことだ。
[昨日あれだけ詰め寄ったのだ。事実であれば、自分に矛先が向くのは分かっていた。分かっていて、やった]
…向こうでも、暴れてるみてぇだし、ほぼ決定だろ。
逃げじゃないですよ。戦略的撤退。
それに、あんまりにも犯人犯人言われるのに疲れちゃいまして。
だから、言いだしっぺっぽいハインリヒさんに消えてもらおうかなぁ
…………って!?
[とか喋ってる途中に届いた音波でぐらりと揺らいでどしゃりと倒れる。]
うー、くらくらする。
[感じる波動に、微か、過ぎる、嫌な予感]
……まさかとは思うけど……。
[そのまさかは、当たりな訳だが]
っとに!
[苛立ちを込めた、声。
感じる苛立ちが、自分がいつも他者に負わせているものと。
気づいているかは、定かではなく]
< うん。猫は、びりびりして、そのうえ、どさって「重いの」がのってきたから
ものすごく手遅れでした。
もしかして、ヘルガの猫は、こんな奈落なあまりに喜劇みたいな様子を見たでしょうか…… >
[上に座ったまま、マテウスの頭を撫で。]
ん、眠り姫お二人ともお目覚めね。
["姫"の部分が微かに強調されてただろうか。]
[ブリジットの言葉に、視線を移す。
見ているのも痛いけれど――声が響いて、痛い。
メーアに頼んで、痛みやわらげてもらったほうが、いいかな。
僅かに眉を寄せながら、ハインリヒの近くへと座り込んで]
…オレのせい?
[知ってるのに、オレは黙ってたから。
オレの名前を出さなかったのは、知ってる。]
−東部:屋敷・果樹園−
…………。
[少し離れた位置]
[一部始終(というよりは終部分)を見ていたが、]
[二人と一匹へと歩み寄る]
……、何事……?
[ちょっとおっかなびっくり。]
< 猫はユリアンにひっぱりだされました。だきあげられました。
きゅう。
めをくるくる、まわしています。
だから、黒猫も、アーベルも、見えません。 >
―果樹園―
[緩衝剤代わりのエーリッヒを引っ張り出され、地面に頭をぶつけた]
ぅ……。
[痛かったが、少し覚醒した。
ずるずると上半身を起こす。あちこち痺れた]
おいたって……何よ
[剣を抜き、二体目に向かって跳ぼうとし…]
…ぬぁ!?
[べしゃ。
うん、足元のコードがまだ数本抜けてませんでした。
顔を上げると、もう目前にドロイド。]
< それでも声をかけられて、ぷらぁん。ってしていた猫は、にゃーと、なさけのない声でなきました。
ぱたぱた。
羽根が力なくうごきました。びりびり、きらい。でも、重いのも、もっときらい……。ぱたん。 >
[白梟は静かに力を紡ぐ。
痛くない治療法を覚えていないのは、きっと無茶しかしない相方のせいだろう。
それでもやがて、銃弾は押し出され、傷は、ゆっくりとその口を塞いでいくか]
[そして、痛くない治療法だけを学ばせた相方は]
……って……なん、だ、これ?
……天聖……?
[響く、波動。
直接的な影響は辛うじて受けてはいないものの、力の集中は解かれ]
……真面目に、走るしか、ねぇか。
[ぼやきながらも、前へと進む]
―果樹園―
[かけられた声に、初めて、アーベルと黒猫(人型)の存在に気付く]
ああ、いやちょっと…家庭争議?
[ますます判りにくいですから]
研究生 エーリッヒは、学生 リディ を投票先に選びました。
『止まった…』
[少女が地へと倒れ伏すを見、私は安堵の息――ではなく込み上げる熱を吐きかけて、耐える。
五音が消えた瞬間、姿は半人半獣へと戻り、私は空から落ちてゆく]
……っ!
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