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[ハインリヒの言葉に一瞬僅かに眉を動かすが]
うーん、困ったなぁ。
知らないものは知らないんだけど。
[本当に困ったように呟く。]
「……平気。
今は、時空竜も、いるから」
[宥めるような声に、セレスは小さく呟いて]
……大丈夫、セレスは。
とはいえ、そっちもあまり、無理はせずに、ね。
お手上げとまでは言ってねぇ!
仕事の相手が人間専門だってだけだ!
ましてや今は仕事じゃねぇ!
判るから言ってんじゃねぇか。
確信してねぇならこんなこと言わねぇ!
情報屋は、正確さが命なんだ。
[意識はいつしかミリィからリディへと。オトフリートの問いかけも耳には入っていないだろうか]
[ハインリヒを見る。真剣だ。
リディを見る。自信満々だ。
ナターリエを見る。どこか哀しそうだ。
ミリィを見る。本当に困っているようだ]
……。
[混乱した。とりあえず近くに居たユリアンの服を掴んでみた。
多分誰か別の人にやってるつもりだ]
それで「大分楽」なのなら、
本来はもっと悪いって事だよ、オトフリート。
[隠せてない。と呆れ半分に言葉を零して。
同じように、響くリディの声に屋敷へと視線を向ける。
ゆるく、瞬いた。 リディの言葉の内容と、オトフリートの、問いに]
――…オレの見解で良いなら、
ミリィの事を知ってて、…でも、庇ってるんだと思うよ。
…繋がりも、理由も、判らないけれど。
[ミリィの「声」に、――機竜の声は、聞こえたから。
そこまでは言葉に乗せないけれど、ぽつりと]
…そなたは、良い仔だの。
なれど我侭を言うもまた可愛いもの、ゆえの。
[健気に平気という仔に、私は柔らかなコエを投げる]
…ええ、セレスの事は…どうか。
[時の竜へと感謝を返すも、後半には僅かに口ごもり…告げしは]
………気をつけまする。
[というもの。嘘は言っておりませぬ]
だーらさっきも言ったろが!
風が教えてくれたと。
お前だって「ミリィには機鋼の感じがしない」ってしか言ってねぇじゃねぇか。
それとも何か、お前にはちゃんとした理由があるのか?
[服を掴んだブリジットの手に、軽く手を重ねて、安心させるように叩いて]
とりあえず、声がでかすぎだと思うんだ、ハインリヒさんも、お嬢も。
[モニターの中の眼鏡の少女。それを問い詰める髭の男性を見つめたまま。]
魔族でも仲間意識がある方はいるのでしょうけど。
わたしには、魔も竜も獣も同じ。
機鋼の竜はどんなものかと思ったけれど―― 人間とは比べるべくもありません。
人間が願うのであれば・・・ どんな願いであっても叶えてあげるつもりでいますよ。
…リンゴは、リンゴで一緒だけど。
[アーベルの言葉に、少しだけ困ったように首を傾げる。]
でも少しだけ変わるの。
貰ったものと、自分で採ったものは、違うの。
[――「声」が、変わる。
でも多分、実際に聞けないと判らないだろうし。
…説明も出来ないんだけれど。]
元が不安定存在ですから、俺は。
これでも大分、落ち着いてるんですよ?
[冗談めかして返す。指摘された事は、己自身が最も良く知る所だから、それ以上は何も言わずに。
それから、返された言葉。それに、す、と異眸は細められ]
……見解は一致、ですか。
[小さく呟いた後、ぽむ、という感じでイレーネの肩を叩き]
俺は、あなたを信じてますよ、精神の同族。
……『対ならざる対』殿と、同じく、ね。
[最後の部分は、イレーネにのみ聞こえるような小声で呟かれ。
そして、異眸は屋敷の喧騒へと*見守るように向けられる*]
怪我人も、対を無くして不安定な者もいるんだし、ついでに、肝心のミリィさんが置き去りになってるよ。
もう少し落ち着いたら?
[リディとハインリヒの顔を鋼の瞳が見つめる]
[加熱する水掛け論に、私は髭の男へと近づいて指先を伸ばす。
落ち着くようにと、服を引こうとする指先は、少し震えて]
……少し、落ち着かれては。
このままでは、話が進みませぬゆえ…。
[口を押さえる茶の髪の少女の様子へと視線を投げてから、男を見つめる]
[ユリアンの言葉に「おっと」と言いながら左手で口元を覆って]
どっちにしろ他の連中にははっきりと説明出来ねぇんだろ。
対だから、それだけで説明がつくとは思えん。
[もう一つの対、精神から聞いた情報であるが故に]
とにかく、俺が得た情報はミリィが機鋼竜の協力者であると言う事。
それに嘘偽りは無い。
[はっきりと、皆に伝わるように告げた]
「わがまま……?」
[投げられた声に、セレスは不思議そうに瞬く。
きょとん、とした響きが伝わるか]
うん。
俺も、無理はしないから。
[肩の碧を撫でつつ、静かに返す。
……無理しない、という言葉が、同族の戒めの言によるかどうかは、*定かではなく*]
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