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…これが限界。
これ以上干渉すると、多分逆に大変なことになるから。
[多分風の精霊の声は望むよりまだ多く届くだろう。
それでもハインリヒの望む声も届けてくれるようになっただろうか。
戻した左手の鎖を締め直し、小さく息を吐いた]
< 猫、リディに回復してもらって、ようやく目がさめたみたい。
誰になでられてるのかしら。
あおい目が開かれて、ユリアンをとらえました。そして、邪魔してほしくない、っていった、リディ。 >
―果樹園―
[深い、深い溜め息]
だからって、人間に喧嘩売ってどうするんですか?
邪魔をして欲しくないなら、もっと慎重に立ち回らなきゃだめですよ。
[こういうとこは母親似だよな、と思ったとか]
[時間がたち、現在。
陽光の精霊は湯あみに興じる。
ほの甘いかおり、湯槽から手を軽く持ち上げると勢いよく下ろす。
――――ばしゃん。
響く水音。
ゆらゆらと揺れる水面をじっと見つめながら]
……カラクリの王は何を考えてるんだか。
まぁ、何考えてるかワケわかんないのはうちの王さまも一緒か。
[言葉少ない陽光の精霊王の姿を思い出して唇がつり上がるだろうか]
[緩む風の勢い。流れてくる情報も緩やかなものになる。負担が減った事に左手を額にあて、小さく息を吐いた]
…助かった。
スマンな、ブリジット。
[勢いは緩んだが、鳥と戯れる風精は相変わらず周囲を駆け巡る駆け巡る。アーベルに視線をやれば、寝てんのか?と思うほどに静かに瞳を閉じたままで。起こすことも無かろう、と声はかけず]
―果樹園―
うーん、それはアレだよ、若さ故のハヤマリみたいな感じで。
なんかもっと疑ったりしてみてもいーかなーって思ったけど、人間だからかな、分かんないけどなんか頑固みたいで困っちゃった。
[あはは、と笑う
猫の目が開いたことには気付いていない]
はは……まあ、そこはお互い様、という事で。
[くすり、と笑って。
続いた言葉には、ええ、と頷く]
元を正せば、機鋼王殿のお節介なんですが、ね。
だから、翠樹の彼女の事も、事前に。
[だから、昨夜は唐突に見解を聞いたのだと、告げて]
……確かに、一筋縄では行きそうにないですしね。
昨夜の様子から、少なくとも、生命のお嬢さんは関係者でしょうが……。
そして、もう一つの問題が、防衛プログラムの暴走。
セレスの話では、あれを放置すると、界自体が危険らしいので。
< 猫、こんわく。
リディのいってることの、ひとつもわかりません。
声をユリアンにかけられて、猫は、にゃあ、となきました。
でも猫のままだと、お話できないにゃあ。 >
―果樹園―
なーにが若さ故ですか、いい大人のくせにって、ヘルガさんも呆れてましたよ?
大体、自分の性格判ってます?
隠し事や、隠密行動ってやつには絶望的に向いてないですね。
[なんとなく半眼、意外と溜まってたのかもしれない]
ううん。少しでも役に立てたなら良かった。
[微笑。鎖細工がシャラリと流れる。
僅か中央の石の色が薄くなっているだろうか]
…元気ね。
[風と戯れる黒の小鳥を見てニッコリ。
そして共にいた大地の人のことを思い出して]
あ、そうだ。
ハインリヒさんとかお腹すかない?
ユーディットさんいないけれど…何か作る?
[そう言ったときには普段の幼さがまた混じっていたか。
ニッコリ笑って首を傾げてみせた。
…そのままだと何が起きるかは分かる人には分かるだろう]
―果樹園―
[一度猫を見て、溜息]
ヘルちゃんに言われると太刀打ち出来ないね。
まあほら、誰かさんに似たんだと思うよ、その辺全部。
[ぺらぺらと手を振った]
< 猫、なんだか、お説教されてるリディに気が付きました。
でもどっちもどっちなのかしら。
そういえば体が楽になっているのが、不思議でした。
……なんとなく、とことこ、ユリアンからはなれて、リディのところにいきました。
足元にすり。
――愛なんてことばは、聞こえていませんでしたけど、もし聞こえていたら同情するようにないていたことでしょう。 >
< ユリアンに、ふりかえって、にゃあ。
だいじょうぶになったよ、だいぶ。
っていいたかったみたいです。
でもやっぱり、不便ねえ。
猫は、ふるり、身をふるわせて、――人の姿になりました。うん、ようやく自分の意思でかわれました。 >
ええと。
……こんにちは?
んあ、そういや昨日リンゴ食ってからろくに食ってなかった気が…。
お相伴に与ろうかねぇ。
[少女の言葉にありがたそうに笑って]
[この後何が起こるかなんて知りません]
――あぁ、そういうこと。
突然に見解を聞かれたから、少しだけビックリした。
探査の力が弾かれると言っていた割に、
オレと同じような、認識をしていたようだったから。
[特に気分を害した様子も無く小さく笑って]
だね。ハインリヒが食って掛かっても、あの様子だし。
…リディが関係者なのは予想がつくけれど。
――直接的な協力者と言うには、何だか不思議な気がする。
[声に聞いてみようか、と緩く首を傾げながら思案して。
続く言葉に――時空の竜へ、そして従魔へと視線を向ける。]
…機鋼界自体が?
―果樹園―
[猫の感覚如何では、リディに触れるとその力の一部を分けられた事に気付くこともあるいはあるかも知れない]
……おそようじゃなくて?
……ホント、何考えてるんだか。
[微かに首を捻ると湯槽から上がり、暫くすればいつも通りの装いで果樹園へと現れるだろう。
いつの間にか猫が現れ、その足元に]
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