情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
[三階には部屋がひとつ。
何があるのか。
子供は扉を開けて、
中に小さな体を忍ばせる。
真っ暗なそこに、マッチをこする音。
二、三度で火はともり、
子供は手探りで、
ろうそくを探して火をつけた。]
[部屋の中には、がらくたにも見えるものばかり。
子供はその中の一つの山に、
荷物を崩さないよう近づいた。]
…あった。
[母の、渡してくれたもの。
古びたバック。
古びたコート。]
まだ、入るかな
[吐く息は白い。
子供は軽くコートをはたいて、
それに袖を通した。]
[ぴったりのコートに、
子供は満足する。
これで大丈夫。
そう思って、
とりやすい位置にそれを置いた。]
外に出られたら
また一緒にいようね。
[そして胸元の指輪をも、
チェーンごとそこに置いた。]
[誰も目をさましていない。
布団にはいり、冷えたからだを暖める。
熊のぬいぐるみと
飾られたティアラを見て、
少し悩んだ顔になったか。]
『君はつれていけないよ』
[心の中で呟いて、
子供は*まどろんだ*]
[あの後、皆と別れ別荘に帰り着いて、ベッドに入ったのだとは思う……が、茫としていた所為か、記憶は定かではない。
眠りについたのは遅い時間だった筈なのに、目覚めるのは早かった]
[朝食を、ひとり、黙々と食べる。
フィリーネは、まだ休んでいる。ユーディットは、いない。何時もはお喋りなイザベラも今日は静かで、食事を運んで来ると、朝の支度があるからと早々に立ち去ってしまった]
[静寂の中、そうしてひとりきりで食べるのは、随分と久しぶりのような気がした。向こうにいた時は、当然の事だったのに]
[食事を済ませ暫しぼんやりと過ごした後、陽も大分高くなってから、イザベラに一言告げて外へと出る。
向かった先は、ロックフェラー家――祖父母の家]
……こんにちは、お祖父様、お祖母様。
[老夫婦は、突然訪問に謝罪の意を示す孫を、喜んで迎え入れた。
フィリーネは遅くに生んだ子だそうで、二人とも、元は金であっただろう髪は、殆ど銀に変わっていた。並んでみれば、親子というには違和感があったかもしれない。あたたかな雰囲気は、よく似ていたけれど]
[済ませなければならない仕立屋の仕事があるから、あまり彼に構えない事を夫婦はすまなさそうに言う。
お気になさらずにと彼が答え、代わりに、是非に読みたい本があるのだと告げると、勤勉なのを褒められ、祖父の私室でもある小さな書斎に案内された]
[以前に来た時に、どのような書籍があるかは、知っていた。二人が去った後、くるりと周囲に視線を巡らせて]
……さて。
[並ぶ本の一冊を抜き出すと、その頁を*ゆっくりと開いた*]
[目が覚めて、最初に感じたのは気だるさ。
蹴りの痛みは、相棒の治癒で静まっていたものの、それとは別の疲労は残っていたようで]
……だりぃ。
[思わず、ぽつりと呟く。その頬を相棒がてちり、と叩いて何事か訴えてきた]
何だよ、ヴィント……?
『フェーンー?』
なんだよ……?
『何だじゃなくて、ちゃんと、わかってるー?』
……何を?
[ネズミ、ふかーくため息を]
あほかぁ、俺……。
『うん、そーだね』
[容赦ない]
『まったく……知らないよ?
みんなに聞かれてたしねぇ』
……し、しっかたねぇだろ!
……本心、だし。
『…………』
[見つめる相棒の目は、生温かったかも知れない]
『……で、これからどうするの?』
どうするもなんも……。
事の元凶引きずり出して、詫び入れさせるしか……。
『うん、それはそーだけど……』
そーだけど……何だよ?
『その後、は?』
…………。
[問いに返事はなく、相棒はただ、ため息をつくのみ]
……ま、過ぎた事は言っても始まらねーし。
[呟きが言い訳がましいのは、気のせいではないだろう。
はふ、と息を吐いた彼は、じぃ、とこちらを見つめる相棒を軽く撫でてやりつつ、ベッドから起き出す]
さて……細工、しあげねぇと。
……ここに、いられる間に。
[小さく、小さくこう呟くと、作業台にむかって*道具を手にとった*]
『……フェーン』
[作業に取り掛かる様子に、ネズミ、言いかけた言葉を飲み込み。
作業台の片隅の花冠を見やって*小さくため息*]
それにしても、まーまー…
[いたずらを思いついた悪ガキの様な笑み]
おうじさま、ねぇ。アレが、ねぇ。
[再会したら絶対からかってやろうと思っていることは言うまでも無い。]
[ほぼ一晩かけて、ミリィの話を聞き終えて。]
………消えてしまいたい……。
[――別の意味で。
と、自分の勘違い振りに恥じ入って、小さくなっている
妖精が一人。]
ま、過ぎたことはしゃーないしゃーない。
あれこれバレたっぽいしあっさり片付くんじゃね?
…親子関係がどーなるかはしったこっちゃねぇけども。
[更にちっこくなってる茶色の妖精さんをぽふぽふなだめ]
それにまー、お前さんは結構必要とされてるっぽかったし、すぐ逢えるって、うん。
[王様の夫婦喧嘩がすさまじいのはいつもの事…という噂だし、それに発する親子喧嘩も多分…どうにかなるんじゃないかな、とは、彼女も思う。
――けれど、それとこれとは別で。]
でも…でも………。
[ぽふぽふされて、うるうるとなりながら見あげて。
もう、かえれません。と、ぽつり。]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新