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もう……?
[かつてあった鳥の器。
喪失を示唆するエリカの言葉に、寂しそうに目を伏せ]
……何、いまの……?
[目の当たりにしたアヤメの力に、瞳を大きく見開き、きらきらと感嘆の視線を向ける]
[ 不思議そうに首を捻る。]
結界樹の傍に…ですか?
もうお元気になられたのでしょうか。
それなら、尚のこと様子を見る必要はありませんね。
[ 広場に向かおうと羽根を動かす。
だがケイジの狐の面をまた見つめ、その動きを止めた。]
……あまり、戯れが過ぎますと封じられてしまいますよ。
鷹の目殿の目も厳しいようですし。
[ そう言って自分の額を指差しながらそう言う。
男に意味が通じないのであれば、それはそれで良かろうと。]
[すい、と手を動かし、手に深紫の粒子を呼び集める。
それに連れて、螺旋は解けて]
『堕天尸』にとっては、『虚』を読み取れる者は目障りになりがちなのさ。
『虚』を見出す力を持つ、アタシの母上がそうだった。
[瞬くエリカに、さらりと返し]
護りの法……『虚』を阻む、紫星の陣。
アタシが、父上から引き継いだ「力」だよ。
[目をきらきらとさせるオーフェンには、静かにこう返す]
[攻防らしきものは一瞬で終わり、動きを止める。しばし、アヤメの姿を凝視していたが、言葉を聴き]
アヤメ、4枚翼だったのか。
今までよく、外に出さなかったな。……器用だ。
守護の法、か。今……エリカを狙ってきたものが、あったんだな。
はい、広場に人が集まっているようです。
……長老が、また誰かを封じるのでしょうね。
[ そう言った声は沈む。
淡く金色に光る羽根を動かす。]
では、参りましょうか。
[ 広場での出来事に予想がついているのか。
羽根を大きく羽ばたかせた。]
[どう見ても、その上にどう聞いても、明らかな体調不良で不安になる。けれど。
自身もまた、羽根を広げるだけで倦怠感に襲われるのだから、忠告する立場には無い気がして。
こつり、結界樹に額を付ける]
……ごめんな。
[一言だけ呟いたのは、誰に向けた言葉か]
……っ
[アヤメの言葉に、一瞬身を竦め]
……紫星の……陣……すごい、綺麗……
[先刻の光景を思い返しながら、アヤメの姿に見惚れていた]
[ぽたり、ぽたりと 腕の下、足の間に汗が落ちる。
ゆら、と揺れる薄金の羽根は再び一瞬影が落ちるが、すぐに薄金に戻るとそのままの姿勢で寝息を*立て始めた*]
……、
[眼前で目にしても、尚、信じ難いのか。
感謝の一言は、なかなか出ずに。
金糸雀色の眼は、じっと移ろう深紫を見つめた]
でも、
知っている者は…… そう多くない、はず。
まだ、報せていなかったのなら。
[不用意に他者の前で見せたのは確かだったが、それでも、と。
腕を組んで思考に耽りかけたが、
ともかくは広場へ向かうべきかと、*顔を動かした*]
……エリカさん、を、狙って……
じゃあ、狙ったのは、エリカさんの……力のこと、知ってる人?
[アヤメの翼から、ネロを保護しているカレンへ、エリカの顔へと視線を移す]
[結界樹に手をかけ、少し上の方にある太い枝の元まで登る。
深く息を吐いて心を落ち着け、その羽根を広げた。
先日の痛みは既に癒されており、多少の負荷をかけても平気ではありそうだった。
その事に落ち着けば、周囲の様子もよく見えるようになり]
結界樹って、実なんか付けてたんだな。
[独白めいた言葉が落ちる。けれど、それに返ってきたのは小さな小さな寝息の音]
色々あってねぇ?
[カレンの言葉に、くすりと笑う]
器用っていうけど、結構苦労してたんだよ。
昨日、調子悪かったのも、これが関係あるし……。
[今は落ち着いてるけど、と笑って。
オーフェンの言葉には、軽く、肩を竦める。
その身が一瞬竦んだ事には気づいても、特に追求はせずに]
あはぁ……ありがとね。
[どこまでも軽く言いつつ、手に集めた粒子を散らそうとして]
……え……?
[そこに残る力の波動──その残滓に。
零れ落ちたのは、困惑の声]
……そういやあ。
アンタの力の事、今、知ってるのは何人いるんだい?
[エリカの疑問の声に、短く問う。
昨日とは違う、胸騒ぎが過ぎった]
……ま、知らなけりゃ、狙わないだろうね。
エリィはここに来てまだ日は浅い……狙う理由が、思いつかないしね。
[オーフェンの疑問に答えつつ、また一つ、ため息]
とにかく、ここにいても仕方ない……聖殿まで、行こうか?
[ぐるり、場にいる面々を見回しつつ、翼を畳んで歩き出す。
行った先で起こる事は、*未だ知る由もなく*]
[ゆっくりと、動きはじめる。ネロから腕をそっとはずし]
今の力が虚のものならば、エリカは多分、堕天尸ではないのだろうな。
昨日、私達と一緒に居て、エリカの言葉を聴いたものならば、カルロス、ネロ、ロザリー、それに、私。……他にも、エリカに力があることを疑いそうな人は、いるのかな。……どちらにせよ、確かに長老には話すべきだ。これは
[改めて、ネロにともに行くかと尋ねれば、行くとの返答を貰うだろうか]
……アヤメさん、どう、したの?
また、具合……悪くなったの?
[アヤメの様子の変化に気づくと、心配げに声をかけ、カレンを見やり。聖殿へと促されれば、大人しく*同行する*]
[ 頷きに反応するかのように答える。]
そうですね。
早く、封じられると良いのですが。
[ 何をかは言及しない。
広場へと到着すれば、少し騒がしくなっていた。
部屋に篭っていたはずの長老がまた、姿を見せていた。]
色々、か……。
[共に育ってきたのに、知らない事も多い姉貴分と、その4枚の翼を眺める]
ああ、翼を半分ずっと封じるなんていう事をしていれば、無理が出るだろうね。今はいいならば、いいけれど。無茶はしないようにね。
……どうした?
[アヤメの様子に一瞬首を傾げるが、エリカが村へ行こうと顔を動かすのを見れば、構わずオーフェンを促して、村の広場へと向かうだろうか]
森→広場
…やっぱり、疲れてたのかね?
[起こさぬよう、小さく呟いて。それなりの時間を掛けて羽根を繕う。なかなか起きた様子が見られなければ、更に念入りに。
それでも起きる様子が見られなければ、羽根を仕舞って、枝から飛び降りる。
その際に手に掠った実が枯れたのには気付きもせず、ラスの顔を覗きこみ、反応が無ければ揺り起こす]
流石にそろそろ体力は戻ったか?
無理そうなら、まだ眠ってても構わないけどさ。
[訊ね、了承が得られれば、また湖の縁へと運ばれていき、そこでラスと*別れる*ことになるだろう]
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