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[降りしきる雨の中。
暗い闇の中。
走り回ると段々と頭が痛んでくるのを感じた。
少しずつ、意識が途切れそうになってくる]
クソ……!
なんだってんだ、これは。
[そこで、はたと気づいたことがあった。
宮司が殺された。
桜が咲いた。
嗚呼。
自分は。
そこから、一度も外に出ていない。
外には、何かが利吉を拒もうとする強制力があるのだ。
ならば、それは、まさか―――]
の、こせ…もの、…て、な…に…?
も…、だれ…が、しぬ…は、いや…!
[蓮実が示すことを錯乱した頭で考えようとするも、考えることすら身体が拒否して。自分が厭うことが口から漏れ出た]
[冷たさも感じない。寧ろ熱い。
誰かの声が聞こえた気がする。でもそれも認識には入らず]
涼さん、待って!
[パシャパシャと水の跳ねる音]
大切なひと、いるんでしょう。
だから取り込まれていないのでしょう?
まだ、間に合うのなら…!
[―――思い出す。
夢の景色]
[―――思い出す。
桜の姿]
[―――思い出す。
永遠に続く現在]
[目的地など――― 一つしかなかった。
頭が痛み、意識が飛びそうになり、利吉の侵入を拒もうとするが、もうそれに負けることはない]
[玲の言葉には、黙ったまま。
利吉の言葉に、ゆるゆると笑みを消す。]
なァに、・・・本気?
・・・・・・ふゥん。
[ぽつりと呟き。
飛び出す背を見送る。
瞳に感情は無い。]
俺はもう前には進めねぇのか?
冗談じゃねぇ!
命を惜しんで俺を貫けるか!
何処にある、俺を足踏みさせる壁は!今度こそ打ち砕く!
れーちゃん。
[困って呼びかける]
――うん。
あのね。
……良かった。まだ人なんだね。私。
でも、もしかしたら、――人じゃなくなっちゃうかもしれないんだね。
/中/
でも動き足りなかった。ちょっと後悔。
鳩なのはだってまだネット環境が(ぇ
入村自体結構悩んでた。
守護の動きは、まあ自分も経験無いからにんともかんとも。
[肩を竦める様子に眼を細める]
だったらそれこそ、玲ちゃんの傍についていてあげれば良いだろうが。
[呆れたような声]
…それとも、俺の事を桜や巫女だと疑ってるから、かな。
それだと、残念な結果しか見えてこないが。
[静かな、冥い声。まっすぐな問い掛け]
俺は、ただの人間だから。
どうやっても、あの状況を一人歩くような相手を信じきれなかった。
答えは、それで満足かな?
[ベットから、ふらつく足で立ち上がり]
満足するのは、懐のやつを使ってからになりそうだけど。
……。
[息を切らせて、辿りついた場所]
―――桜。
[ポツリ呟き、桜を見上げた。
嗚呼。何度繰り返し見たことだろう。
嗚呼。だけど、その姿は]
……違う。これじゃ、ない。
[今まで、何度も繰り返し見たと思った桜は、現在の桜ではなかった。
もっと。
ずっと以前に咲いていた桜。その姿だ]
そうだ。そうだったんだ。
俺は―――。
[頭は、もう痛まない]
涼さ…涼、ちゃん。
[名前を聞いた最初。呼べた呼び方]
うん、涼ちゃんはまだ人間。
でも声が聞こえてしまっている、のね?
…巫女様は間違えてしまったの。
大切な人が居るならこそ、魔を開放してはいけなかったのに。
それは止めることの出来なかった私たち…私の祖先たちも同じ。
[ふらふらと、近寄る]
可能性があるのなら。同じにはしたくないよ。
だから、お願い。戻って…。
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