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[取られた前足は手に変わり、かけられる声にこくりと頷く。
心は切れるよに痛いけれど。
時空王の転送のおかげか、この身には何も怪我などはないゆえに]
[名を呼ぶ声と、馴染んだ波動。
それでようやく、保護者の存在を意識が捉え]
……ナタ・リェ!
[振り返りつつ名を呼び、その様子にきゅ、と眉を寄せて]
…………。
[とりあえず、きゅ、としがみついた]
[しばし、『道』の前に座り込んでいたものの、やがてゆらりと立ち上がる。
離れていた白梟がふわり、とその肩に舞い降り、それと前後するよに、無限の輪が虚空から落ちてきた]
……。
[ぱしり、と音を立てて受け止めたそれ。
そこから感じる波動に、す、と異眸が細められ]
[完全に騒ぎが収まったと見ると、結界を解く。
リックへは声をかけも応えもしなかったが、
ブリジットへ”立てるか”と一言だけ訊ねて、屋敷へ促す。*]
[拙いな、と思った。
よりによってこのタイミングでナタ・リェが居なくなると。
オトフリートの無茶を止めきれる人が居ない]
オト…さん。
リック、も。休まない、と。
[掠れる声でどうにか言うが、ちゃんと届くのかどうか。
ナタ・リェのことに言及することはまだできずに]
[名を呼ぶ愛し仔の声に、嗚咽を耐える。
泣いていたら心配させてしまうからと、口元を片手で覆って]
………。
[しがみ付く温もりへ頬を寄せる。
涙に濡れてはいたけれど、無事で逢えた事への喜びも込めて]
あ、うん。
まだちょっと、フラフラする、けど。
[ミハエルに訊ねられればコクリと頷いて。
麻痺の影響は抜け切れておらず、それでもどうにか立ち上がって]
ね、もどろ?
[抱えるように支えられ、館へと促されながら。
時空竜と翠樹の魔にも再び声を掛けた]
……予定調和も大概にしやがれ。
[ぽつり、零れ落ちるのは呆れたような言葉。
直後に傷が痛みを主張して、表情が歪む]
……ああ。
とにかく、この傷、何とかしねぇと、な……。
[声のトーンが常より低くなっているのは、多分、ミハエルやブリジットには伝わっただろう]
大丈夫。
時空竜、大丈夫だから。
時空竜、『わかってる』って、言った。
だから、きっと、大丈夫。
[何とか宥めようと思ってか、早口に言い募る。
……モニタ越しの様子に不安なんか感じてないったら、感じてません]
[常に無く低いオトフリートの声にギクリとなった。
ミハエルも渋面になっているようだ。危険がまた一つ増えたよな]
あー…。
[予定調和という言葉には目を逸らす。
いい加減自覚できる部分も少なくなかったから]
うん、ちゃんと手当てしないと。
…分かった。でも後でリックも戻ってきてね?
[こちらに向いた顔に、心配そうに返しながら。
ゆるり歩き始める]
[ナタ・リェの変化の様子をただ黙って見ていたけれど、
人型で落ち着き、そしてセレスが抱きつくのをみれば、
そっと手を離し、代わりに獣耳のある頭をぽふぽふした]
[何を言ったらいいのか、わからず。
だからと言って何も言わないのも駄目な気がして]
[でも結局何も言えず。しばしの間ナタ・リェの頭を撫で続けた
*反対の手はポケットに入っていた葉っぱを握りしめて*]
[早口に言い募る愛し仔の声に、僅かに頷く。
その言葉をまともに受けたのではなく、そうであれとの願い故に。
濡れた目で見上げるモニタは、ぼやけてはっきりと見えぬものの。
今までの経験から、待ち受けるものがうっすらと想像できてしまう]
/*
まぁ、時空竜に余裕は無いですよね、そりゃ(苦笑
ちょっと雰囲気硬くなりそうだったから、PL的お遊びみたいに挟んでみたのですがw
さて、この後どうやって動こうかな。
クレメンスさんが占われたんですよね、これは。うーん。
[ブリジットの様子には、気づく余裕はなく。
手当て、という言葉に頷いて]
まあ、そこらは相方に……。
[相方に頼む、と。
言いかけた言葉は、不意に途切れた]
/*
うむ。気分切り替えよう。
吊られてもいいやと思っていたのだから、いいじゃない。
投票結果見て惜しくなっただけで……!
後悔先に立たず。
俺がむばる。
……どこ……へ?
[声に織り込まれるのは一転、戸惑い。
身近にある事に慣れつつあった、近しくも遠い力。
それが、急激に遠のいた事に、その時ようやく気がついて]
[ぽふぽふされる度、獣耳がぴぴぴと揺れる]
[避ける事なく、へたりこんだまま大人しく撫でられ続けた。
少しづつ、心が落ち着いていく]
……どんどん癒しが減っていくな。
[まあ、なんというか自己責任なのだが。
こってり蜂蜜で甘くなった紅茶は冷えてしまっていて。
何やらすっかりおとなしくなってしまった小動物を膝の上に乗せたまま]
…そろそろ、おとっつぁんがぱったりいかなきゃいいけど。
ちゃんと、回復したら戻るよ。
…つれて帰ったほうがいいんじゃない?
[ブリジットを呼び止めて、そういう。
その先には、オトフリートの姿。]
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