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わかってても…うーん、やるしかないのかぁ。
別の方法って無いの?
[再びクルクルと周囲を回る影]
狭間で揺れてる?
それならミハエルさんの言う通り、このまま大人しくしてるほうがいいのかな。
[色々制御しきれてなかったりもするんですが]
あのね、ここに来た時から気になってる人が二人い…
[ゆらり、と影そのものが大きく揺れた。
遠くで目覚めた存在に引き寄せられるように]
……夢か。
[ふわ、と小さく欠伸を一つ。
いつの間にかブランケットがかかっていることに首をかしげ]
……?
[くい、と引っ張ってみたら小動物がぽってん、と床に落ちて、きゅっ、と短い鳴き声。
すまん、と小さく謝りながら首根っこを捕まえて拾い上げて、ブランケットを畳もうとしたのだが。
ブリスが眠っている様子に気がついて、畳みかけたブランケットをかけてやり]
…少し気分転換にでも行くか………お前も来る?
[屈みこんで小動物に手を差し伸べてみると、一声鳴いて、ソファの背もたれからぴょーん。
肩の上にちまっと乗っかって]
他の方法を選べるなら選ぶけど、多分、無理だ。
[言い切った]
どうしたいか、どうすべきか選ぶのは、君だよ。
ま、彼は傍で大人しくしろ、と言うだろうけれど。
[くすり、と。掠めるのは悪戯っぽい笑み。
それから、揺らぐ様子に表情はす、と険しさを帯び]
……慣れない状態、しかも揺らいでいるなら、無理はしない。
うー。
[言い切られたことと、悪戯っぽい笑みに小さく唸って。
無理はしないと言われてクルとその場で回ったが]
気になる…とかも、いつも…こと……
そんなものかと、おもっ……
[ゆらゆら、ゆらり。
妙に間延びした声になりながら影は薄くなってゆき]
言うのおそ……ごめ…………
[ふよん、というように溶けて*消えた*]
─モニタールーム─
……時空竜ぅ〜……。
[映し出される映像を見つつ、ぽつり、零れる呟き。
同属の魔を、精霊王たちの手も借りて連れ帰った後。
請われたならば、自身の力を癒しのそれに充てて。
その後はまた、モニターの前にちょこん、と座っていたのだが]
……ほんとに、もぉ……。
[明らかに無茶をしそうな気配に、きゅ、と眉を寄せていたり]
[消える間際の言葉に、ふと掠めたのは苦笑]
……あの様子だと、まだまだ『修行』は続きそうだねぇ。
[軽い口調で呟き、それから、左手に握っていた腕輪を見て。
次いで、視線は現れた黒い影へと]
……。
[しばらく進むと、空間そのものが停滞しているのがわかる。
けれど森の濃密な空気は、翠樹の流れを汲む体に心地よく、葡萄酒色の瞳を猫のように細めた。
本当は日のあたる草原とかがあれば最高なのだが]
彼女だけではなくて、あなたもですよ、オトフリート。
そんな様子では、外に戻った麒麟殿が、心配して倒れてしまうかもしれませんよ?
[その身に纏うのは、未だ気怠い夢の気配。心から案じる口調で目を細める]
無理と無茶は、俺の十八番。それは、あんたも良く知ってると思うが?
[返す言葉はさらりと。
対ならざる対の事を出されれば、刹那、翳りは掠めるものの]
……そう思うんなら、俺の負担にならんように、大人しく向こうに戻ってもらえませんかねぇ?
[――嘆息。]
[重い身を動かして寝台から降りる]
[左腕は全く効かないものの、]
[右腕は動かせなくはないようで]
(あくまで無理をすればの話だが)
[扉を押し開け部屋を出ると遅々として歩みだす]
[意識的か無意識か、同属に惹かれるようにして]
おや、私としては、この場の安定を買って出たつもりなのですが?
[にっこりと笑う]
我が対なる機鋼の竜の仔が、せっかく創りあげた空間です、無惨に崩壊するのは忍びないですからねえ。
それに、私一人を戻した所で、解決しないことは既にお気づきでしょう?
[眠る時にでも声は届いていた。
思い返して、天を仰いで苦笑する。]
答えないのが答えだね。
核になってもクレメンスは楽しんでいるんだろうけど。
[指を動かす。動く。
爪の先からひらりと花びらを飛ばし、翠樹の力に満ちた森の中、遊ばせる。]
こう言っては何ですが、もう御一人の囚われの姫は、少々力に溢れすぎておいでです。
恐らく、あの愛らしい影精殿が無意識に力を提供されているせいだと思いますが。
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