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ヒサタカが「時間を進める」を選択しました。
「でも、どうやれば、離れるか、わからない。その……隔離の陣? でどうにかなるなら、今がチャンスかも、しれない」
[悪しき心を浄化できるのであれば、であるが]
……って……なんだよ、いきなり。
[その場に膝を突きつつ、口をつくのは、こんな言葉。
紅鴛が慌てたように、ばさばさと羽ばたく]
……大丈夫だ、紅鴛。
……堕ちるほどじゃ、ねぇ。
一時的に弱らせる必要はあるね。
パワー全開の状態で封じようとしても、跳ね返される可能性が高い。
大人しく久鷹の中から出てきてくれるかどうか…まずはやってみないと。
浄化出来るか、封ずるのみに留まるかは、その時次第、かな。
…今がチャンス、ってーと。
まだ、その悪しき心ってのは久鷹を支配し切れてないんだな?
[あれこれと考えながら。チャンスと言う九尾に問いかけた]
手当てしたのに?
…すぐには治せないほどの無茶したんだな。
[会長の姉心?は知らず。適当に解釈して]
うん…!?
[ミツクニの応えに被る風の音。舞い散る紅]
ちょと、大丈夫!?
[慌てて膝を突いたミツクニを庇うような位置を取る。更に奥、「何か」を放った相手を確かめようと、顔を向けた]
……あー。
やっぱり、イメージし難いわな。
見えないモンだと。
[ 仕留めるつもりだったんだけど。
手首を振りながら、ゆらりと木々の向こうより現れる。
日の落ちゆく頃、深く陰になり、その表情は窺い辛いが、
その声も姿も、常の彼と変わらぬもの ]
ま、いいか。
どうも、お邪魔しま。
[ ――けらり。
フードの下の口許が、場に合わぬ、軽い笑みを浮かべた ]
へ、そうなん?
[今、明かされる謎!みたいな生徒会長のお言葉数々に、
きょとん、と、ぽかーん、の中間くらいの顔になりました。
それでも紅鴛と翠麟の名前は知らんかったんで聞きましたけど]
……や、ミックんやる気はなさげやけど、そこそこ親切やし。
別に付き合いにくいっつー訳でもない思うんやけどなー。
[入学式の翌日、耳上に隠し刺してるヘアピン使って屋上侵入。
貯水タンクの陰で爆睡してるんを呆れた声で起こされたんが出会いやったり。(その名残で5分前の目覚まし要請続いてるとか)
そんなコトを思い浮かべながら、イトコを案じる会長を見上げる。
既に現在、屋上が人気ないから好んで行ってるんか、ミツクニいてて居心地いいから行ってるんか不明やったりします。つーかお子様なんで気にしてないのが真実ですが]
大丈夫だ……。
[啓子に返す言葉は短く]
この程度で……堕ちるわけにゃ、いかねぇ……。
[続いた言葉は、自身に言い聞かせるかのように]
……随分と、いきなりな挨拶してくれますねぇ……。
[最後の言葉は、現れた姿へと向いたもの]
「支配、仕切れていないんじゃない。力に、振り回されているから……。本当は、妾と二つの心で、制御するべき、ものだし」
[ちゃんと説明したいが、うまく言葉が纏まらず、最後にはあうぅぅ……、大きな瞳に涙をじんわり]
……我妻。
[最初の無茶をやらかして。運んでもらった記憶も新しい相手]
まさか、ユゥゴ君も。
取り込まれた…?
[ヒサタカの例を見ていたからかもしれない。
それはアズマ本人でないと、そう信じたいというような声音で]
別れの挨拶のつもりだったんだがね?
[ 軽く首を傾げてみせた ]
そうならず、残念無念――
すぐには使いモノにならんだろうけど。
と、いうことで。
[ す、と手を横に伸ばす。
無秩序に流れていた空気が一定の流れを持ち、
ひゅう、と小さく音が鳴った ]
今のうちに、そちらさんを削らせて貰おうかと。
[苦痛は時間を置くほどに増していく。脂汗が廃墟の床にぽたりぽたりと染みをを作り、終いには小さな水溜りではないかと思える程、溜まっていた]
ダメダ……。このままじゃ制御も、痛みも……。
[と、そこでふと思いついた。そうだ役立たずが居たじゃないか]
そうだ……。役立たずだったんだ……。最後くらい俺のために動いてもらっても、いいじゃね? ふ、フフフハハハハハハハ!
[すでに眼は血走っていた。焦点は合わず、ただ脳裏に唐突に浮かんだ考えがなんとも妙案にしか見えなかった。一頻り自分の考えに酔った後、久鷹はマリーのところへと、ふらつく足取りでビルを出た]
あー、泣くな泣くな。
[瞳に雫を溜める様子に慌ててぽむぽむと九尾の頭を撫でる]
とにかく、抑えなきゃならんのは確かだな。
このままじゃあいつ、暴走しかねない。
久鷹に憑いてる奴は、遠慮なく滅しても良いんだよな?
九尾は、人と、久鷹達と一緒に居たいんだろ。
[袂を分かったと言っても、向こうも九尾の一部。改めての確認を取る]
[語られる従弟の評価に、表情の威圧感は少し緩んだかも。
空気の体感温度も、平常に戻ったかもしれない。
ちなみに、当人がどう思っているかは謎です。
色々と、思う所はあるんでしょうが。
ともあれ、最後の一言には、麒麟、心底ほっとしたように一つ息をはいて、「ありがとう」、とぽつり、呟き。
それから、はっとしたように虚空を見上げ]
─寮・自室─
…………んう。
[苦しそうな呻き声を上げ、彼女はゆっくりと瞼を開く。
身体は言う事を聞かず、頭はガンガンと割れそうな程に痛む。
頭を押さえ、億劫に首を動かして周りを見渡すと、そこが自分とケイコの部屋であることに気づく。
そのルームメイトの気配は部屋にはないが、おそらく彼女が運んでくれたのだろう。
身体を起こそうにも、まだ起き上がるだけの気力も体力も戻っていない様子。
外はジーワジーワと蝉が喧しく鳴き続けている。
ジッとしているとどうしても思い出されるのは、邪悪な笑いを撒き散らすヒサタカの姿。]
…………ヒサタカ。どうして。
[つー。頭を押さえた手の隙間から一筋の水──涙が零れ落ちる。]
マリーが「時間を進める」を選択しました。
投票を委任します。
マリーは、 ミツクニ に投票を委任しました。
……んな、情緒のねぇ別れの挨拶はいらねーってぇの。
[情緒あったらいいんかい、というのは置いといて]
ったく……今日はほんと、ついてねぇなっ……!
[使い物にならない、という指摘は間違ってはおらず。
どうにか立ち上がるものの、『音』を紡ぐにも、痛みが集中を妨げた]
[滅する。と、言う言葉に、これまで生きてきて、襲ってきた人々の般若のような表情を思い出し、背筋が震えた。
だが、これまで九尾を助けてくれた人達は、皆優しい人々で……]
「う、うん……。よろしく、お願いします……」
[尤も、悪しき心を滅した後で、己がどうなるか予測がつかないが、それでも九尾は勢い良くお辞儀した]
投票を委任します。
ヒサタカは、 ミツクニ に投票を委任しました。
残念ながら。
剥がす方法は不勉強にして知らないからな。
叩きのめすしかないっしょ。
[アズマの言葉には、緊張しつつも笑みで返す。
両手を軽く触れ合わせ、光と共に金の爪を喚び出した]
ご老公。今の一撃、効いてるよね。
ここは抑えとくから、準備整えてきて。
[何かを覚悟したような声でミツクニへと言った]
生憎、男相手にんなもん持ちたかないね。
[ その返答もまた、何処かずれていたろうが。
ミツクニの動きを認めるも、
障害にならぬと判断して、視線をケイコへと向けた ]
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