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[そうして、中身を食らい尽くされたテントウ……というか混沌のカケラは、そのまま黒い塵となって風に飛ばされていく。
そして、それを為した蛇たちはしゅるしゅると戻ってくると、複雑に絡み合い……あら不思議。右腕、元通り。
暫く、肘から先の袖の無い右腕を振ったりニギニギしたりしていたが、]
……ふん。所詮混沌か。
食ろうても、腹の足しにもならん。
[腰に手をあて、そう機嫌悪そうに言い放つ。]
―戻る前、結界内でのこと。殺戮現場―
うぇ…。
[光景に軽く眉を潜めながらも。
回りこんで近づいたエルザの左腕を取り、流れる血を拭うように触れた。
手は刻印のちょうど上で止まる。そこに数秒当てれば、流れ落ちる血はすぐさま止まり、おそらく刻印の効果は復活するだろうか。
服の中から白いハンカチを取り出し、腕に残った血を拭う。]
鍛錬が足りません。
[笑顔でそう呟く様は、やはりどこか楽しそうにも見えたかもしれない]
若焔が居れば、同じような感じで雨を蒸発させながら、
歩くことも出来たかもしれませんね。
その分、かなりの熱気になりそうですけれど。
[一度だけ、どっちがマシか尋ねるように、肩を竦めた]
―西殿・結界前―
[命竜からの問い掛けには]
先日、陽光帝の仔とユディが居なくなったときと似た感じね。
属性のバランスがさらに崩れてるのと――
……また、虚竜の王が不機嫌になってるのかもしれない。
[くしゃみをし始めた命竜を見ると、流石に少し気遣うように。
懐紙を取り出して、差し出した]
/*
はい、てことでやりたい事終了、っと。
グロい? いやいや、
腕なんて飾りです。偉い人には……。とか
血じゃないからセフセフ。とか
内→外の食い破りとかはないから。とか
結局、腕はまた生えてきてるし。とか
言い訳はいっぱい。(言い訳って言ってる時点でアウアウ
…、…えっと。
――かんたんな剣だと、こわせない?
[地竜殿の説明は幼子と云えども幾らか判り易かったかの様であった。
数寸の沈黙の後、仔の中で噛み砕かれ導き出された答えは、少々言葉の意味は湾曲したが然程離れぬ物に着地する。
短な問いには答えて良いものか微か困ったように眉を寄せしかし頷きを返す。
口に出さなければ良しとしたか、それとも幼心に黙っているに耐えられぬ事で有ったかは判らぬが。
地竜殿の言葉と共に確かに剣を持っていないと知れば薄らと落胆の色が見えようか。しかし持ち合わせて居ないので有れば仕方の無い事。
仔は判ったと小さく頷いて――
ただ最後に、一つ思い出したかの様に再び視線を地竜殿へと向けた。]
…えっと、
ノーラみたいなわっかは、ちがうの?
[おずと問うた言葉は余りにも控えめで、私にすら届いたか怪しい。
抽象的とも言えるその問いに、果たして答えは返るや*否や*]
さて……。
[そう呟いて振り向くと、すでにいつもの彼女。
エルザに心配そうに首をかしげて、]
大丈夫でしたか、エルザ様。
[ツッコミ要素満点な台詞。]
あっ。
[気付いた時には左手を取られていた。刻印に触れる指。癒され、刻印が力を取り戻してゆく気配]
…ありがとう、ございます。
[傷ではなく、その奥で疼く痛み。
表情を消したまま腕を引き、小さくクレメンスに感謝を述べた。
最前の状況があれば不審とまでは映らなかったかもしれないが]
ユーディット様。力及ばずがゆえにご負担をお掛けしまして、申し訳ありませんでした。
[時空竜へと向き直り静かに頭を下げた]
…はい、私は大丈夫です。
[顔を上げれば普段のように戻ったユーディットがこちらを見ていた。戸惑いながら、それでもコクリと頷いて]
あ、あの。
私はまだ若輩の身なれば、普通にお呼び付け下さい。
[今度こそ、ティルの気持ちを理解した、気がした]
まぁ、そう言うことじゃのぅ。
[意味としては微妙だが、強ち間違ってはいないために肯定の頷きで応じる。問いに対して頷きが返ってくるのを見止めると小さく唸り考え込んだ。今剣について知るは限られている。ましてや己が持つと気付いているだろう人物と言えば──]
[己が帯びるものを確認してやや落ち込む様子のベアトリーチェを見て、ひとまず誤魔化せたかと安堵する。その安堵も相まってか、続いた問いには直ぐには頭が回らず]
…ぬ?
ノーラ殿のような輪っか?
[問いは届いたがその物に直結せず。しばし考えた後に己が腕輪のことと理解する。これに目をつけるとは侮れん、と思ったかはさておき]
これは腕輪じゃからのぅ、剣ではないのじゃよ。
[この辺りはもはや言い包めに近かったか]
[幼子との問答も終わり、ようやく一息ついて。だいぶ冷めてしまったであろう茶を飲み切ると、食堂に居る者に対し辞す挨拶をする。部屋へ戻ろうと食堂の出入り口へと近付いた時だった]
───っ!
[何かが纏わりつく感覚に囚われ、その動きが止まる。しかしそれは直ぐにパチンと弾かれるように霧散した。同時に己から湧き出るように高まる、影輝と精神の気配]
[来たか、と言う思いと、拙い、と言う思いが交錯する。止まる動きを訝しんだ者は居ただろうか。高まる気配に不思議に思った者は居ただろうか。何かを言われる前に、足早に食堂を出る。向かうは宛がわれた個室。移動する間、右手は左手首を強く*握りしめていた*]
―東殿→西殿・結界前―
こいつぁ厳しいね!
[それでも楽しそうな氷竜には、仕方ないというかぶぅぶぅというか、そんな軽い感じでついていきながら。]
…蒸れない分こっちだな。
[何か内側からじっとり湿っていきそうな気がする。
その様を想像したあと、真顔で答えた。]
―西殿・結界前―
不機嫌か…もう発動したからこうなった、ってことでいいんだよな、一体誰へっくしょい!
[ずびーと垂れそうになった所でタイミングよく紙を貰えば、鼻声でサンキュと言いながおもいっきりかんだ。
近くにゴミ箱とか当然ないので、予備のハンカチでゴミ箱がわりに包んでしまう。]
ええと、ティルは居たんだよな?
んじゃそれ以外の誰かか…って。
そういやティル何処だ?
[すでに結界前からは離れたのか。近くに姿は見当たらない。]
[エルザの言葉ににっこりと笑うと、]
いえいえ。私が主様に命じられている行動の優先順位で、竜命救助は第二位となっていますので。
[ちなみに第一位は知識の蒐集。いいのかその順番で。
そして、エルザの普通に呼んでほしいという言葉に頷くと、]
了解しました。なにはともあれ大事に至らずよかったでs……
[笑顔のまま、ぴたりと動きと言葉が止まる。
そして笑顔のままゆっくり横に傾いていったかと思うと、ばたーんとそのまま倒れる。
どうやら電池が切れたようだ。(実は強ち間違っていない表現
だからといって笑顔のまま倒れられているのは、*怖すぎです*。]
/*
てことで暴れるだけ暴れて寝ることにします。お付き合い感謝。
あと、私のお遊びに巻き込んでしまって申し訳ありませんでした。
ではまた明日。
―戻る前、結界内でのこと―
[傷の奥の疼きまでは分からない。知っていればともかく、基本癒しは傷にしかきかないからだ。]
おう。…ちうか。無茶すんな。
[エルザが戦う所は初めて見たが。
刻印を躊躇なく傷つけてから攻撃した様をみるかぎり、基本そうしなければならないようで。
だが刻印は傷をつけるものではない。
そもこの卵姫は刻印の力を借りなければ体を保つ事ができなかったような気が。
んなもん傷つけて大事にならないはずはなく。]
後でギュン爺さん説教コースだなこれは。
[とぼそり言いながら。
とりあえずユーディットがエルザを向いたところで一歩二歩と下がる。]
…よもやこのタイミングでとは。
[宛がわれた個室。左手首──腕輪を握りしめたまま転がり込むように中へと入る。その力を使うことは出来ないが、それでも仮契約の身。増大した気配を抑え込むことには成功したようだ。尤も、あの場に居た者達にはほぼ気付かれてしまったかもしれないが]
しかしこれでは誰が手を出してきたのかは分からぬの…。
遠隔で可能とは、何とも厄介なことじゃ。
[思いきり顔を顰める。己は剣により護られるが、他が押し込められぬようにするには聊か難しく思われた]
やれ、後で誰に何を言われるか分からぬの。
覚悟は決めておったが…更に腹を括るしかあるまいて。
[剣は己が命に代えても。そう竜王達に誓った。何が何でも渡すわけにはいかない。気配を抑えた腕輪に視線を落とし、再び右手で*握りしめた*]
―戻る前、結界内でのこと―
[ユーディットが笑顔で倒れたのを見届けると。]
…じゃ、後任した。
[びしっと片手を上げ、エルザに後を丸投げしてから西殿から逃げた。]
―西殿・結界前―
私も、暑いのだけはちょっと。
文字通り溶けてしまいそうで怖いから。
[微かに苦笑した後に、首を振るって呟いた。
その後の、もう発動したから――という問い掛けには]
おそらく、その通りでしょうね……。
ティル、は。さっき、雨の中真っ直ぐに西殿へ向かっていったはずだけれど……。
もしかしたら、どこかで雨宿りしてるのか、それともすれ違いで戻ったか。
[辺りを見回すが、それらしい気配は無い]
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