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―東殿/回廊―
[青年が現れたのは、比較的静かな一角だった。側の籠には白い小猫が眠っている]
……いいコだね。
[柔らかな毛を撫でて回廊の様子を伺う。上の方から幾つか派手な音が聞こえた]
………。
行かなくては原因もわからないかな。
[しばし逡巡するも、今度は探す為に動き出す]
─東殿・回廊─
影……そうじゃな、力も弱く脆い。
ティル達が倒したものや郷で相対したものとは全く違う。
どう言うことじゃ…?
[再び考え込む。問いの答えを聞くと訝しげに視線を向けて]
…暴れるも何も、反撃せねばお主がやられておろうに。
そんな悠長なことを言っている場合では無いぞ?
[忠告、叱咤するように言葉を向ける。何か隠しているな、とは思ったが、言いたくない理由があるのだろうと、そこを突っ込むことはなく]
ともかく他を回ってみるとしようぞ。
この程度ならばやられてしまうと言うことは無いじゃろうが…戦えぬ者もおるしの。
[エーリッヒの周りから砂を取り去り、翼へと戻し掻き消した。そしてここからの移動を促す]
―東殿:廊下―
[扉を開けて外にでる。
なんだかあついようであった。]
[ゆると目を向ける。]
[そこに、炎の竜がいた。]
……一暴れ、終わったところですか?
[探すのは『混沌』以外の気配。精神の竜である青年の司る以外の属性。青年自身は混沌に紛れながら、音や心の動きを探り進んでいく]
――あぁ、此処にいましたか。
[欠片から生まれた影に隠れようとも、それは『混沌』のもの。
影のなかの輝きの如き一つへと、青年は口元に笑みを浮かべた]
―東殿・回廊―
[声をかければ辛うじて、ベアトリーチェは振り返りはするものの、怯えているのか動こうとはせず。
軽く舌打ちして、幼竜のもとに走りこんで抱き上げる。
驚いて泣かんでくれとは思いながら。
そのまま身を翻せばぎりぎり、カケラっぽいものからは逃げられた…と思いたかったが。
カケラもどきは砂のような化け物に転じ、こちらへと向かってくる。
慌てて暫く走って走って。幾つか角を曲がった所で赤い影と、見知った月闇にに出くわす。]
あ、丁度いいとこに。悪い後ろの任せた!
[疲れて座り込んでいる竜には酷い一言を言って。
そのまま二人を通り過ぎ、角を曲がって一旦足を止める。]
ん、まぁ…そんなとこ。
[月竜に声をかけられて、よろりと立ち上がる。]
多少遅れは取ったけど、脆いね…今回のは。
[焦げた鱗は未だ戻らない。]
―― 私室前・廊下 ――
[突っ込みを受けなかったことに、ほっと息をつきつつ、頷く]
はい、みんな、無事だといいけど…。
[促されるまま歩き出しながら、窓の外に目を向けた]
[雷からの言葉には小さく笑み]
大地のからお小言食らうのはごめんですわぁ。
……まぁ、少しぐらいならばれないかもです。
[大気中に集まっている水の粒子を集める。
水の力が一時的に強化されたこと。それから、雨が強くなり、湿り気を帯びているからこそできる芸当だ]
行・き・ま・す・わ・よ・ぉ・!
[水が霧のように伸びて、雷の進路を作りだした]
風の!
進行方向は、貴方に任せますわぁ!
[風が吹けば、嵐は猛烈な勢いで移動する]
―回想・庭園―
……なるほどね。ありがとう、ティル。
[ティルに出会う事が出来、一通りの情報を聞くことが出来た。
結界に干渉が起こった結果を探知する、という稀有な力というのが分かった。
風竜独特のものなのだろうか、それとも別の力が何か関係しているのだろうか。
そんな考え事をしていると、不意に目に入ったのは、命竜を睨むように見る、視線]
―回想・庭園―
[その後は雨の中、疾風となりて風竜は去っていくわけだが――]
……何か、嫌われるようなことしました?
[不可思議そうに、命竜を見上げる。
「なーんかしたっけかね」などとへらり笑えば、呆れた様子で見ただろうか。
そのまま東殿へと向かい、命竜とは分かれる。
もちろん、さっき言われたことは忘れていないようで、
あちらが忘れないようにと、とても"良い"笑顔で微笑んでおいた]
任せた、ってぇぇぇ!!??
[なんかいっぱい引き連れてるし!引き連れてるし!!
とりあえずヒュウと息を整えて、両の指先は銃の形に構える。]
Feuer!!
[解き放たれる、無数の焔の弾丸。]
もろいですか?
[不思議そうにダーヴィッドを見て]
もろいも何も、……普通の欠片では?
[首を傾げると、首飾りが軽く音をたてる。]
―現在・東殿個室―
[さまざまな考え事をしていたり、外の天気を気にしていたりしていると、
いつの間にか眠りの海へ浸ってしまっていたらしい。
ふるり、首を振るって起き上がると、何やら騒がしい気がした]
……今度は一体なんですか。
[渋い顔をしながらも、軽く身なりを整えて。
部屋を出ると、少し遠くに。翠樹の仔を抱えた命竜の姿が見えただろうか]
< 返答はないかと動き出そうとしたその時、寄る気配。
黒布を手繰り寄せる >
……アーベル殿。
< 呼ばれる名に応じて、呟くように返す >
御無事でしたか。
欠片が暴れているようですね。
それも、影に似て影に在らぬものとなって。
よっしゃあ!
[返事はとかく、勢いよく。
文字通りの疾風怒濤、吹き荒れ、駆けた。
……進路上のカケラがどうなるかは、まあ。
推して知るべし、ってことで]
[バリバリと音を立て、紅い髪が逆立つ。
思い切り手に集めた力を、風へと乗せて解き放った。]
…お任せ、します。
[前に誰か居ないか、目を細めて確認をする。]
[ホーミングする焔弾が砂のような欠片を焼き払って。
月闇の声に振り向く。]
…そうかな?案外楽に…って、俺つえーってな訳でもなさそうだが。
[はたと気づく。]
…月闇の。
その首飾り、何さ?
[昨日見たものに、似ている気がして。]
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