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[着地をすれば、巨大な火炎鳥が具現化して此方に迫り来る。
舌打ちをして氷槍を一瞬で具現化させて射出。
火炎鳥を撃ち抜くが――適正が低いせいか出力が足らずに撃ち抜くだけで、マトモに影響を与える事ができず直撃と共に炎に呑まれた。
炎の中で人影が左右に両腕を広げれば鳥は中央から両断されるように断ち切れて、両腕の周囲を渦巻く炎に変化する。
消失してしまった袖、縮れ焦げた前髪と眉。
溜息をついて前髪に触れれば千切れ散る。]
そう。
私は――男友達としてではなく、そういう風に思ってる。
[この距離では有効打を与えられないと判断したのか、言葉と共に前へと跳躍、間合いを詰める。
空中で両腕を振り上げれば巻きついた炎がハルバートに変化し、技も何も無くそれを勢いに任せてミリィに叩き付けんと振り下ろした。]
[投げつけた後は相手の動きを注意深く見つめ。マテウスの構えや縮小する白狼を見て興味津々。蒸気で嵐を抑え、そのただ中を駆け抜けて来る様子に感嘆の声が上がる]
すっげ、あそこ突っ切って来るなんて。
しかも雷撃効かねーとか、どんなだ。
[その間もマテウスはこちらへと肉薄して来る。振るわれる爪を防ぐ術はほとんど無い。ギリギリで避けるしかないと切っ先に注意した時、自分とマテウスの間に人影が滑り込んだ]
おお!?
ちょ、レナーテあぶねーって!
いいからさっさと行きや!
男やったら、好きなおなごんことくらい守ってやらんかい!
[マテウスの爪を小剣で受け、ぎりぎりと重みに押されつつ。]
獣人は頑丈だからな
「雷はアーデルハイド殿のおかげで慣れたのも大きい」
だからいうなっ…っと
[ライヒアルトに迫る直後に入る人影に舌打ちしてその双剣をはじかんと爪を振るい]
ちっ。横槍かよって…あんときの……ってかおまっ。鬼かっ
[やっと魔道具のピアスをみてやっと気づいた人]
[『私は――男友達としてではなく、そういう風に思ってる』
それはある意味生まれて一番衝撃的な一言だった。長年表面上は冷たいような雰囲気でも、何気にそばにいてくれていたと...は思っていたのに、自分と同じ気持ちだった大事な部分を見落としていた。
思わず唇を噛み締める。口内に苦い鉄の味が広がった。
その時、遠距離だと不利と判断したのだろう。ゲルダが間合いをつめてきた。
符術は元々中遠距離の技だ。ゲルダの言葉で呆けてしまっていた...は慌てて後退するも炎から変化したハルバードが振り下ろされる]
疾ッ!
[大技の防御ができないと踏んで。二枚の符を両手の人差し指と中指に挟んで簡易防御盾を展開する。だが、その程度でハルバードの勢いなど殺せるはずもなく、刃が左腕を手首から二の腕付近までを切り裂いた]
あうぅ!
[苦悶が口から漏れる。だがその場所にいては追撃がくると、破れた衣服から符をばら撒きながらも、ゲルダの背後に地面を転がりながら移動した]
いまさらきづいたん?
鈍いお人やなぁ。
[きゃらきゃらと笑って。]
…っきゃ!
流石にパワーあるんやなぁ。こらおもろいわ。
[剣を軽々とはじかれ、ころりと転がって体勢を整える。]
は!? 何の話だ!?
[割って入ったレナーテの言葉に驚きの声。高まっていた集中力がどっかに飛んでった]
つか護るったって、あいつらどこ行ったか分かんねーし。
[どんだけ周り見てないのかと小一時間]
ああ。今気づいた。なんかよくわからんやつだとおもってたら
「主はそういうかたなのだ」
っつーか好きなやつ?……ま、無粋だしいいか…そういうあんたは身軽だな
[きゃらきゃら笑うレナーテにあっけらかんと答えつつ
気迫をこめて嵐を切り取ったため、落ち着ける意味と二名に増えた警戒もこめて、大男はただ威圧するように立ち眺める]
[雷撃科の生徒と比べれば近接戦闘技術は児戯に等しい水準だが近接戦闘が苦手なミリィ相手ならそれでも十分。
漸くマトモに入った一撃だが満足することも無く、背後へ転がるミリィに視線を向ける事無くハルバードで円を描くかのようにその場で振れば手の中のハルバードが消え始め、爆風に変化する。
腕を振り切った所で完全にハルバートは爆風に変化し、盛大に土煙を巻き上げながら自分を中心として全方向へ爆風がふき抜けてゆく。]
ちぇ、レナーテやる気満々じゃん。
俺が楽しんでたのに。
[きゃらきゃら笑う相方に小さく舌打ち。マテウスの威圧はびりびりと感じていたが、それでも怯むことは無く]
しゃーねぇ、集中力ぶっ飛んじまったしゲルダ達の方見て来る。
[ぽんっと軽くバックステップ。マテウス達から離れるように飛ぶと、中庭を目指して駆け出した]
[ライヒアルトを無言で見送りながらもレナーテから視線を外さずに]
「無粋…ですか?主」
わかってるな。…ま、弄って笑えるようになるのが一番なんだがな。
[ついでに性悪さももっていた]
[背後に転がり、距離をとる――。
その思惑はあっさりと打ち砕かれた。ゲルダの手にしていたハルバードは一瞬で爆風に変化すると、まだ体制の整えていない...を吹き飛ばした]
キャア!
[地面を転がされながら、ようやく止まったのは校舎の壁に背中を痛打した時だった。くじけそうになる膝を叱咤しつつ、強引に体を起こす]
ってことは、今回やけに喧嘩腰だったのは、邪魔な私を蹴落とすためってところかしらね?
[別に返答を期待しているわけではないので、小さく勝手に解釈すると同時に頬を伝って血が口元に流れてきた。どうやら転がっている間に額を切ったらしい。その新しい鮮血をぺろりと舌で舐め取ると、腰のポーチから真っ黒な邪気の感じられる符を二枚取り出した]
邪智現臨!
[言霊が発動した。それに合わせて黒い符はぐにぐにと姿を変え、最終的に巨大なぎょろりとした目が一つついた、脳髄のついた脳味噌が二つ、...の両肩の上に浮いていた]
さぁ続きと行きましょうか。
否定は、しないけど。
あまり趣味の良いとは言えないモノね。
[簡素な言葉を返して具現化した其れを見て眉を潜める。]
『ヒカリ、アレ』
[簡素な言葉と共に現れたバスケットボール大の光球。
空に向けて掲げれば、無数の光条が空に向けて射出されていく。
雲を撃ち抜き、上昇していく光の群れはやがて視界から消え、光球も力を失うように掻き消えた。]
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