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─南館周辺─
[空間の歪みを探してうろつくのは良いのだが。先のバトルで破れた服がぴらぴらと風に靡く。腕と足、そして左脇腹。先程の立ち回りで左腕が焦げてたりも]
何と言うか、服だけ見ると満身創痍だな。
『傷は治したけど…ってやつ?』
あと少し動きにくい、上脱いじまうか。
[上着を脱いで腰に巻き、袖は巻くって落ちて来ないように固定した。細い腕が空気にさらされるが、それなりに力はある。はず]
さて、どうすっかな。
ここまで人数減って来ると、逃げるよりは潰した方が早い?
『あら、逃げ回るかと思ったけど、やるつもり?』
まぁ一応。ゼル先輩に充てられたとでも思っとけ。
[その言葉に灰銀は少し納得するように尾を揺らした]
[南館屋上から落ちてくる人影。
勿論身投げ等では無くライヒアルトの眼前で急減速、ゆっくりと着地する。]
アルト。
何か、事前に鬼を捕まえそうとうわさになってた比較的有名な人達は8割がた脱落してるみたい。
開始時はあっさりと捕まりそうだと思ったけれど、意外と何とかなるものね。
[腕を巻くっている最中、目の前に着地する影に一瞬だけ警戒。しかし誰なのかが分かると直ぐにそれは霧散した]
ゲルダ、そっちも逃げて来れたみたいだな。
へぇ、かなり脱落してんだな。
同士討ちで削れた感が強いなぁ。
こっちとしてはありがたいことだけどさ。
うん、何とかなってるね。
ちょっと驚いた。
何とか、ね。
おまけに此方かの脱落者は零と。
よく考えれば何とかどころか上出来ね。
そろそろ此方から攻勢にでて片をつける時期だと思うけど
アルトはどう思う。
[首をかしげながら、積極案を提案してみた。]
だな。
俺は何とかゼル先輩に勝てたし、レナーテも上手い具合に逃げてるようだし。
やられる前に潰す、も手の一つだ。
俺も丁度考えてたとこ。
いっちょやるか?
[提案してくるゲルダに笑いかけた]
うん。
此処で逆転負けなんて、良くある作戦ミスなんて事にしないでね。
[笑いかけるアルトに至近で微笑みを返して右頬に唇を重ねた。 ]
流石にそれは避けたいところだね。
気は抜かずに行くさ。
[そう返し、一発気合いを入れようとして]
……ゲルダ?
[急に自分の左頬に手を伸ばしてきたゲルダに暗翠を瞬かせた。至近で見える微笑み。次いで頬に触れる柔らかい感触]
……え? あ?
[一瞬何が起きたのか分からずにきょとり。状況を理解すると少しだけ頬に朱が走るか]
勝ったら、唇に、して。
[頬が赤く染まる様子を見て可笑しそうにくすりと微笑みを零し、手の甲で頬を撫ぜる。
鈍い反応に、こつりと額を重ねて囁いた。]
へ? や、なん……。
[何で、と訊ねそうになるも、更に近付いた顔に言葉が詰まる。そんなことを言われるなどと思って居なかったため、動揺は隠せない]
〜〜〜〜ッ、行くぞっ!
[返答するでもなく、突き放すでもなく。ゲルダの額から自分の額を離すと相手の手を掴み。参加者を探すべく走り出した]
[今はただ、儀式の勝利だけを考えようとするかのように]
……む?
[ゲルダがライヒアルトにキスした頃、...の第六感がいろんな意味で危険を感じた]
……気のせい?
[だったらいいなぁと思いつつ、マテウスに向き直った]
とりあえず、参加している以上必ずライを探し出しましょう。何もせずに負けました。じゃ、結界の向こうにいて儀式を見ている(だろう)連中が、大挙して襲ってくるかもしれないし。
[そう言うと、ガラガラと食堂のドアを開いた]
さ、行きましょ。ライ達を殺って、大手を振って戻りますよ。
[さらりと危険な言葉をはいた]
……ほんと、お子様というかわかり易いというか。
[くつ、と陰を含む笑みがこぼれるけれど
直ぐに表情は消え、獲物を狩る猫を思わせる無表情で目的の人物を探しに駆け出して行く。]
[鬼って落ちてるのかどうかとか。どれぐらい残ってるんだか。とか適当に思っていつつ、ミリィの新技をぼんやり横に見ていたり]
…飽きたな
「何がだ?主」
…どんぱちやってる横で大人しくしてるのが
「そうなってくれるのは我も嬉しいが…それならば…もっと速く…先ほどのときとて…」
気にするな
[なんかかんだで苦労人な白狼であったりするが、一応やる気を出して…くってりじゃなく狼にぼけっとのった]
何もせず負けたってのと、自ら潰しあって負けたってのとどっちが情けないかなぁ
[こちらをみて言うミリィの言葉に、なんだか最近の風潮は仲間つぶし?とも思えたり。まあ厳密に仲間ではなかっただろうけど]
殺るか。…案外そのほうが楽でいいかも?
「駄目ですぞ。主もミリィ殿も」
[と危険な言葉に同意しかけてる主を止める狼は、そんな間違ってるような勇ましさを出すミリィの背中をのそのそついていった]
多分潰し合ってだと、男子対男子、女子対女子だと喜ばれそう。
[色々と桃色な意味で]
あ、ただ私は潰し合いはしないわよ? 一応守護者だし、そんな無駄な事やってられないしね。
[後ろのレーグの止める一言をさらりとスルーして、見事にやる気を出した]
[中庭を横断して寮に入れば廊下の先、食堂の入り口にミリィの姿が見える。
あっさりと目標が見つかった事に拍子ぬけするが、声も掛ける事無く両手からソフトボールサイズの光球を生み出す。
明確な戦意。
此方もやる気満々らしい。]
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