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[駆けて行く先に見えてくる二つ(正しくは二人と一匹)の姿。離れたゲルダの手から光球が現れるのを見ると、標的を定めたことを知る]
相手に不足無し?
ゲルダ、どっちと──や、良い。
[訊ねかけて、ゲルダの視線がミリィにしか向いていないことに気付く。そちらに任せようとライヒアルトの視線はマテウスへと]
マジで?…じゃあ俺男の鬼狙うのやめとくか
[しかし未だ男の鬼…ライヒアルトしか鬼は把握していない。レナーテは耳のことよりも違う印象で流れてしまっていた]
俺はちょっと潰しちまったかも…襲ってくるほうが悪い
[だって待ち伏せしてたし。とか思いつつ。とめる言葉を流された。レーグは嘆息。
そのため思わずぽんぽんと撫でたが]
…ぉ…会うのはやっ…レーグ
「承知」
[主に呼ばれ、狼は従う。ゲルダの光球から回避行動と同時に蒸気の結界を作る]
しっかし、ライの奴どこにいったんだろ? レーグに匂い辿って貰うのはどうかな?
[と振り向き様に目に入った景色に、魔法の光とそれを持つ人影は映った]
――!
[そのまま蒸気の結界を張るマテウスとその人影の間に己の体を差し込むようにして移動すると袖口から五枚の符を抜き出した]
急急如律令! 判天星盾!
[言霊に答えるように符が星型に広がり、魔力の盾を展開した]
気付かれた?
[もっと不意をうつ行動を取ったほうが方がよかったかと思いつつも二つの光球を正面で一つに重ねるようにして前に突き出せば、無数の光条が射出される。
威力と命中精度を捨て射出速度、数を取った無差別な面攻撃。
廊下一杯の光条が撃ち抜かんと迫る。]
ぉー…なんつーか勇ましい
[己の体を差し込んで魔術によって盾を作るミリィの背に勇ましさを感じつつ
面攻撃を始めるゲルダの余波を、蒸気の熱が取り込んで無理矢理押さえ込み、その様子をみつつマテウスはレーグの頭を撫でる
別にサボってるわけではない。単に自分にはかけられない魔力強化をレーグにかけているのです。]
しっかし…
[光球を投げつけた者の視線が一点だったりするのを把握する。仕方ないのでもう一人…をみれば目的の人物は人物だが]
…男同士だと…
[先ほどのミリィの言葉を思い出し、ちょっとグロッキーになりつつ、ふわふわと水色の光がブレスレット周辺に舞う]
[奇襲掛けようなんて思って無かった甘ちゃんはしばらくぼけっ]
『呆けてないでアンタも動きなさいよ』
…はっ、何かタイミング逃したっ。
-開け異界の門 我が盟友を介し妖しの力を我が力とせん
-渦巻く魔力を我が力と為し 紡ぎ出せ強化の陣!
[ここまで出遅れたらこっちを先にやっておこうと、自分に強化魔法をかけ]
と、そうだ。
[不意に思いついて右手を後ろの上着へと当てた。周りから死角になる部分を指先で文字を書くようになぞり]
-開け異界の門 我が盟友を介し妖しの力を我が力とせん
[小さく呪を紡ぐ。以前靴に仕掛けたものと同じものだ]
[何とか盾は壊れることなく防ぎきり、光球がなくなると盾は光の中に霧散した]
げ〜る〜だぁ〜……。食堂入り口で仕掛けてくるとはいい度胸じゃない〜。
[ブチブチと何かが切れる音が周囲に響くが、本人は気にしない。ゆらゆらと腕を肩と水平の位置まで持ち上げると、幽鬼の見た目の癖に、ズン! と激しい足音を立てて一歩前に出た]
覚悟できてるんでしょうねぇ〜?
あーあーあー。
ありゃ止まらんわ。
[ミリィの剣幕に呟く。あの様子では今はゲルダしか目に入っていないことだろう]
ほんじゃあこっちはこっちでやるかいね?
[そう声を投げかけるのはマテウスとレーグ。相手がグロッキーになっている理由なんて知りません]
防御手段を展開させない内に先手を取らないとこの手の攻撃はやっぱり駄目ね。
[有効打とならなかった事を確認して淡々と呟く。
ミリィの様子に口端を吊り上げ、意地の悪い笑みを浮かべて挑発するように手招きをして其の侭、出口から中庭へと跳び出した。]
…そだな…ゼル落としたライには興味あるし…俺も飽きてきたとこだし…な。ただ…ちょっと気が散るかもなぁ
[ミリィの剣幕とかゲルダの一直線のところとか。なんか戦闘というか喧嘩に見えたりするのであったが、狼の上から軽く身を起こした態勢のままライヒアルトを見つつ]
ここに誓約文を捧ぐ。我が意を知り我が意を解し…
[言葉と共に青白い光が古代言語文字へと変化する…最もこれは入学の際の、初歩の初歩として使う基本的ではあるが、威力も弱くほとんど使われることもない詠唱方法であるが]
そして描け。 …アイスリッパー
[唱え終えると同時ぐらいに。大量の、小さく脆い。ただ形もごてごてながらもただ鋭さだけのある氷のナイフが描かれ、ライヒアルトに向けて発射する]
あ! こら待ちなさい! 人に引っ掛けておいてそれだけなんて許さないんだからねー!
[と、逃げたゲルダを追って、...も勢いよくライヒアルトの横を駆け抜けて――ピタリと止まった]
……ライ、アレを倒したらお話があるから待ってなさいね?
[と、ちょっとだけ塗れている(ように彼女には見えた)頬を指差してから、再びゲルダを追いかけた]
[中庭に出た所で足を止めて出口に振り向く。
挑発でペースを乱してくれればとは思ったけれど、単に広い場所で戦いたかっただけ。
右ひざを地面につけた姿勢でミリィが出てくるのを待つ。]
ゼル先輩倒せたのはラッキーだっただけだよ。
あっちは連戦直後だったs……うはっ!
[言ってる途中に大量に現れる鋭さをもった氷塊。左腕に灰銀を止まらせ前方へと腕を突き出す]
-開け異界の門 我が盟友を介し妖しの力を我が力とせん
-異界に燃え盛る数多の焔 来たりて氷塊のかb……あ?
[属性防御魔法の詠唱途中、横をすり抜けて行こうとしたミリィの言葉に詠唱が止まる。指されたのは右頬。心当たりに、何で!?と集中を乱され、ものの見事に詠唱は失敗]
『お馬鹿! 戦ってる時に意識逸らしてどうするのよ!』
[魔法であれば耐性があった精神の揺さぶり。それ以外では効果が無かった。呆れた灰銀が左腕から飛び、急所に向かう氷塊だけ打ち落として行く]
いでででで!!
[残りの鋭き氷塊は晒された腕や頬に紅い筋を作って行く]
[ゲルダを追って中庭に飛び出した]
こら! 待ちなさいって言ってるでしょ……。
[しかしそこにいたのは右ひざを地面につけた姿勢で待ち構えているゲルダの姿]
やば……。
[即座に符の展開を狙うが、間に合うか――?]
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