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あ…。
[剣を振るうミハエル]
[その剣がベアトリーチェを貫けばこの胸は癒える?]
[全身が、震える]
あたしは。
[汚れてしまう]
[血に、汚れてしまう]
ミハエル。ミハエル、だめ。
……澄んだ硝子細工。
澄み切りすぎて。
陰ったな。
[少年と少女が銀を交差させているのを感じとりつつ。
静かに、呟く。
その声は静かで。
どこか、哀しさを帯びて]
[身に着けた、nun's habit。
いつもの服装。
いつもの武器を。
今日もまたcrossの中身を見る。
中は灼熱。
銀色の液体。
――タリウム。]
―昨晩/台所―
[やがて、何か女優は呟いて。
硝子は無表情を取りもどす。
ふと見えた、彼女の黄金の瞳。
其処に映る物は、一体――
此方を見ていなくとも、彼女の瞳から目が離せなくなって]
[紗を通さずに聞こえた声。
「綺麗なままで」。
……かつて、同じ事を、望んだ記憶が微かにある]
他者を殺める理由に、護るという事を、選んだ時点で。
それは……絶対に、かなわん望みだ。
[呟きと共に、僅かに伏せられる、蒼]
[アーベルを振り返って、乞うように]
止めて。止めてよ…。お願い。
[自分の手が生者をすり抜けるのを分かっていても、そう言わずにいられない]
―in my room(A)―
こんなに希少なものを、どうしてこんなところにいれておくのでしょうね。
食べ物に、盛れと言いたかったのでしょうか。
…そんなことするわけありませんのに。
[困ったように、呟いた。
致死量はほんの少し。
これはそれ以上。
本来は遅効性の毒であるけれど、一度にこれだけの量をあびれば、
ただではすむまい。]
[いやいやをするように、首を横に振る]
…汚れないわ。汚させない。
罪はあたしがぜんぶ持っていくもの。
[ああ、でもあたしはもう]
[そばにいてあげることもできない]
―昨晩/台所―
[ふるりと頭を一度振る。
彼女の目線は遥か、彼方。
魅入られてばかりではいけない。
確かに彼を視界に入れたが気にする風もなく。
エントランスホールへ向かう彼女は、何を見ている?
少し距離を置いて、追おうとする。]
[少年の振るった剣は、左の腕の上を滑っていって、
突き出した小さな刃物は、彼の身体に届いただろうか?
そのまま勢い余って、浴室のタイルの上に転がる。]
[そういえば、ふと思い立ってdaggerを見る。
その模様はcrossの下に小さく書かれたものと同じ。
灼熱でなければ液体にならない毒は、
daggerの刃を溶かしてしまう、はずではあるが。]
[side tableにおいて、*思案する*]
[乞うような声に、首を左右に振る]
……ここにいる俺たちにできるのは。
見届けること。
それだけ。
[伏せられた蒼が、少年と少女を見る。
僅かに哀しみの色彩は帯びても。
その瞳は、毅然として]
…見届ける?
眺めていろと言うの。遠くであたしたちを嘲笑う神のように!
[翠の瞳が光る]
[憤りと苛立ちに満ちた眼差しでアーベルを見た]
――エントランスホール――
[その場より見える全ての窓が、吠え立てる狼とならん]
…これは、彼女の力?
まるで「占い師」ではなく、
[そこまで呟いた時に物音。とっさに階段の陰に入った。
窺っていると、イレーネとオトフリートがエントランスホールへとやってくる。]
[浴室の床は濡れていて、僅かにバランスを崩す]
[振り下ろすはずの剣は逸れ、少女の腕を傷つけるに留まり]
[少女が差し出した小さな月は、...の脇腹を掠める]
っく。
[灼熱感が走る。崩れたバランスを取り戻し損ねる]
[そのまま交差するようにすれ違い、タイルの床へと膝を突いた]
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