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[あかい瞳の半端者。
今日もまた、あかを受けてあかあかと]
…イレーネが、狼を見つけたと。
そう、言っていました。
お気をつけ下さい…
――エントランスホール――
[金に近い輝きに光る、太陽の光を反射させた月の色の眸がちらりと見えた。
彼女(イレーネ)は人狼の――?
二階にオトフリートが立ち去り、帰ってくる間に、広間に運びこまれたイレーネの元に歩みよる。]
[手を布団の中に収まるようにいれると、再度頭を撫でた。立ち上がり、]
イレーネ、人狼の道を行くか人間の道を行くかは君次第だ。
[オトフリートとはすれ違わずに*二階へと消え去る。*]
―自室(J)―
[『終わったよ。何も心配する事はない』
昨夜クレメンスの言葉にユリアンはこくり頷いて、ハンスの部屋を離れて自室へと戻った]
うん、きっと何も心配することはない。
だってベアトリーチェは、あの姿はまるで…
[ガラスの破れた大きな窓の向こう。
満ち行く月と、淡い光に照らされた花園と森。
落ちたハンスを追って、ふわり舞い降りる金の髪の少女。
小さな身体が、月の光の中で浮かび上がる。
世界が止まってしまったかのように、息を飲む一瞬。
その姿はそう、まるで――…神の使い]
[どこか安らいだ気持ちでベッドに入るユリアンの目に映ったのは、波打つ窓の表面で硝子細工のように形作られるナターリエの姿]
シスターナターリエ?
[それがやがて、ぐにゃりと形を歪めて獣の形に変わっていく]
これは…、
[見開かれるユリアンの目]
これが…狼…!
[心中で渦巻くのは誰の声か。
”人狼は人を食べるもの”
”武器を取って殺せ”
”試練は、俺達が俺達の手で人狼を倒しさえすれば”
”終わるのでしょうか?”
ユリアンは、肉体の奥深く刺し込めるはずの刃を求めて柄を握り]
[”――もしも私が死んでしまったら…ナターリエの事を頼む”]
……”彼女を守ってやってくれ”。
[口は勝手に渦巻く声を呟き、そして刃を掴んだ手は力なく落ちる]
どうすればいいんだろう一体、俺達は。
俺は…。
[出ない答を求めていつしか夢無き眠りの中に。
そして目覚めた今も、現実は変わらずに続いているのだった]
――二階階段前――
[階段の手摺にもたれかけ、銃弾を確認した。
クレメンスは、拳銃の扱い方に長けている方ではない。]
〜♪
[教会でよくしていたような、アメイジンググレイスを鼻唄でうたう。Iの部屋から物音が聞こえてきている。]
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