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― 2階・ラッセルの客室 ―
[其処にはネリーとユージーン。
それから、物言わぬ姿となった、ラッセル]
……嗚呼。
[もしかしたら、石の方が、なんて。
薄らと抱えていた淡い期待も霧散する]
……まだ、居るようだよ。
ハーヴェイが『そう』であったのか判断する手段はないけれど。
[低く呟き、緩やかに首を左右に振る。
ユージーンの言葉に自然手を貸そうと動きかけて、ネリーの言葉に笑った]
では、力仕事は男二人に任せて貰うとしよう。
……そうだね、ではネリーには少し話を聞いて貰おうか。
[一先ずは、と。力を喪った為に随分と重い身体を持ち上げることに専念する]
― 2階・ラッセルの部屋 ―
[部屋にいれば、ついさっき顔を合わせたユージーンもヒューバートもやってきた。みんな血の臭いに敏感になったんだなぁと思ったりもした。]
そうだねぇ、どっちかだろうねー。
どっちもかもしれないけど。
[>>30ユージーンの呟きには、真実のところわからないので、そんな風に言った。そんなに驚く事でもないが、違っていた事に衝撃を受けたような人の事は珍しそうに見た。
>>32ヒューバート曰くまだいるらしい。それはわかるが、どこか確信めいた物言いに違うものを感じたが、口は挟まなかった。
ラッセルの体は二人に任せて、自分は少し離れて遺体を見つめていると、ヒューバートに話しかけられ視線を向けて瞬いた。]
何です?話すことって。
― 2階・ラッセルの客室 ―
[ユージーンと共にラッセルを持ち上げる。
寝台に乗せる折には、不要な程に丁寧に下ろして]
丁度ユージーンも居る、丁度良いだろう。
これから話す事は、普通なら信じられないことだ。
信じるも信じないも任せるよ。
[床を染める程に零れた赤は、運ぶ行為ひとつで身体に移る。
赤く濡れた手や衣服をそのままに、瞬いたネリー>>34へと視線を向けた]
端的に話をしよう。
私は一夜に一人、人狼かそうでないかを見分ける手段を持っている。
これまで、ユージーンとラッセルを。
そして昨夜、君のことを視させて貰った。
……結果は全て、人狼ではないというものだ。
[一度、言葉を途切れさせる。
少し躊躇うように視線を彷徨わせ、何処か諦めたように腕を組み]
……今、この屋敷に残るのは四人。
その内の二人は間違いなく人だと判っている。
私から見れば、人狼である人物は完全に絞られた。
[ひとつ、息を吐いて]
……我々が生き残るには、彼女を殺すしかない。
君は、彼女に仕える者として、どうする?
─ 前日/2階・廊下→1階・食堂 ─
[撫でられて>>4、ほんの少しだけ表情が緩む。
微笑むとまではいかないものだったが、雰囲気が和らいだのは伝わるだろう]
はい。
[ゆっくりと言われてその通りに歩き始める。
足取りはそこまで危ないわけではなく、問題なく階下へ降り、食堂へ向かうことが出来た]
[食堂では具なしのスープとキッシュ>>12が出て来て。
結局、口に出来たのはスープだけだった]
[その後、ヒューバートとは別れることになるか。
ユージーンとハーヴェイのことは耳に入れることが出来たかどうか。
耳に入ったなら、人の手により齎された死に、身体を強張らせることになるだろう]
[それ以外は特に何か無いようなら、自室で過ごし夜を迎えることとなる]
─ 深夜 ─
もぉ わかったから
べつのひとにするから
エッタの にがてなひと たべる
[頑なにヒューバートを襲うことを拒否するヘンリエッタに折れ、ハーノは別の獲物を狙うことにする。
ヘンリエッタの苦手な人───即ち、赤毛の青年へと矛先を向けた]
いーぃ エッタ
おにいちゃが いなくなった いじょう
ハーノたちで いきのこらなきゃ ならないの
おとうさま わたしが じんろうって しってたのに ころさなかった
そのいみが わかる?
いきてほしいって おもわれたのよ
だから いきなきゃ ならないの
エッタも かくご して
[糧を得に行く前、他を喰らう理由、生き残りを目指す理由をヘンリエッタへ伝えて。
彼女へ今後の選択を迫る。
ヘンリエッタはしばらく、黙り込むより他無かった]
[糧と定めた相手の部屋へ入るのに、あまり悩みはしなかった。
扉をノックして開かないようなら、ノブを壊して入れば良い。
そうして押し込んだ部屋で、ラッセルを引き摺り倒し、爪で切り裂き、その臓腑を喰らった]
[仔狼となっての一連の作業はハーノが表に出てのこと。
ヘンリエッタでは仔狼に変ずることもまだ難しかった。
そうでなくとも人を喰らうのに抵抗があるため、襲うことなど不可能に近かっただろう]
んんぅ
おい し
[『狩り』を楽しむハーノとは対照的に、ヘンリエッタはその間、表から視線を逸らすようにして意識の片隅で震える。
自身が人狼であると認識したなら統合するはずだった別たれた意識。
未だ別れている理由には、この性格の違いがあるようだった。
相容れぬ意識は不完全な融合を果たし、それぞれの意識を保ったまま、最期の日を迎えることとなる]
─ 翌朝/自室 ─
[朝の目覚めは悪くない。
起きて、いつものように着替えて。
忘れずネックレスを身に付けて窓辺に立つ。
相変わらず白いカナリアは鳴かず、ヘンリエッタが近付くとバサバサと翼を大きく羽ばたかせた。
それを静かに見遣ると、自室を出て外へ]
─ 落ちた橋の前 ─
[かつては麓の村と繋がっていた場所。
今は焼け焦げた痕だけが残る場所。
唯一の道だった場所に、ヘンリエッタは居た]
……わたしは、生かされてきたのだから───
[生きたい。
生きなければ]
───がんばるよ。
[誰かに語りかけるように*呟いた*]
おにいちゃ ハーノ あきらめないから
[相容れぬ二つの意識。
共通するのは『生きたい』と言う希望。
それは自身が喰らった父の願いであり、援けてくれた同胞への誓いでも*あった*]
― 2階・ラッセルの客室 ―
へー、ヒューバートさんが。
[ホントに居たんだ、というのが先ず最初。それを素直に信じて良いかが後からやってくる。順番については特に気にもせずに、3名人狼でないという結果には、2、3度と瞬いた。]
そうですねぇ、幸い私は人間の味は知りませんから。
[ならば残るは一人だけ。迷う間も言葉を待つ。]
ふむ。
[どうする、と問われ。ほんのり赤色の残った指を顎につけて、暫し考える。話の全てを信じられるかどうかはさておき、自分を人だと思い味方だと判断しているのであれば結局。]
お嬢様を殺すかどうかのお話ですか?
そうですねぇ。
人狼相手にナイフを使ったことはないのでわかりませんが、やれば出来るんじゃないですかね。
ああ、殺せるかどうか、っていうお話でしたら、Yesですよ。
ただ……ま、諸手を上げてその話を全面的に信じるかって言われれば、Noですけど。
― 二階/ラッセルの客室 ―
[ヒューバートがネリーに話しかけるのに耳だけを向けようとして、名前を呼ばれて改めてヒューバートを見る。
話し始めたのは、予想通り…彼のもつ石柱のこと。
今までに誰を見たか、それを告げられ、そうして、はっと気が付いて彼を見た。
どこか、諦めたような、その表情を]
……まさか
[見た、と挙げられたのは三人、内二人はここにいて、一人は寝台で骸となっていて。
そして、残っているのは。
ネリーが仕えるもの、は………]
………あの子が、人狼だと?
[呟いて、ネリーとヒューバートを交互に見た]
でも信じる信じないは脇に置いといても、
お二人見てる限り、殺せそうなのってお嬢様しかいないんですよね?
[少なくとも、ユージーンはヒューバートを信用しているように見えていたので。]
なら、私が殺りますか?
それとも、ヒューバートさんが殺ります?
その方がいいのかしら?
私はどちらでも構いませんよ。
[返す言葉はいつものように軽く、どこか淡々とも響いた。]
― 2階・ラッセルの客室 ―
[そういえば、彼女が気を荒げるのを見たことが無い気がする。
思考を巡らせそれから紡がれる言葉>>42が普段通りのような軽さに聞こえて、ふと思う。
人間であることは疑いようがない。
だから、追求する事はしないけれども]
可、不可と信じるか否かは別物だからね。
信じられなくても仕方ないとは思っているよ。
[だから、信じるかに返された否定の音は拒絶しない。
ただ苦笑を浮かべて受け入れるばかり]
[ユージーンの呟き>>43には諦観の色濃い苦笑を向ける。
ゆるゆると、力無く首を左右に振った]
『力』が暴走して、人狼がいないのに機能したのかとも思ったんだけどね。
けれど、実際に人狼はまだ居て、ラッセルを殺した。
そうなってしまえば、……もう、そう考えるしかないんだ。
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