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司書 ライヒアルトが「時間を進める」を選択しました。
司書 ライヒアルトが「時間を進める」を取り消しました。
惜しかったな……司書さん。。
だけど……この差は何だと思う?
[ライヒアルトの奥の手を左手──レナーテは獣のそれではない人の素手で受け止めた。
その痛みが左腕全体に波及するが眉を顰めて激痛に耐える。]
──経験。
お前と私を隔てたのはそれだよ……神の使徒。
[それは踏んできた場数の違い。それは葬ってきた人間たちの数だけ知った人間の覚悟……故に防げた一撃。
すでに動かなくなった左腕、他の感覚はないのに確かな痛みだけが残る。これほどの傷を受けたのはいつぶりのことか]
お前と最初に出会っていたのなら私は死んでいただろう。
─ →雪原 ─
[先を走るイレーネの足は思いのほか早く。
男女の性差のお陰か引き離されはしないものの、雪に足を取られるせいで追いつけまではしない。
何かに導かれるように迷いなく走る少女のすぐ後を追いかけて、見えた光景に息を飲んだ。
イレーネが投げたのは何かもわからず、雪に転ぶ彼女の身体を慌てて支えて]
……っ
[旅人と対峙している司書に、司書から銀十字を突きたてられている旅人に視線を注いだ]
これで私を知る者は再びいなくなった。
[ドクンッ……ドクンッ…]
なん…だ?
[力の制御が効かない。
ニンゲンの姿を保てない。
左腕に籠る熱が体中に広がる]
なん…だ?
[ライヒアルトの口を封じ、あとは順番に殺していくだけだというのに。
心臓が……跳ね上がるように……鼓動が……強く]
……貴様。
[ライヒアルトを睨み付けた瞳の色は───赤。
同時にレナーテの短く切りそろえた髪が徐々に伸びていく。
その長さが腰にまで達しようというころ、
獣は大きく吠えた]
オオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!
―談話室―
[そうして、人は居なくなり。
陽が昇って初めて扉が開かれた時と同じ影だけが残る]
[行きたい気持ちはあるけれど、それよりも]
……よ、っと。
[横向きに凭れかかるエミーリアの身体の向きを変える。
左肩に顎を乗せさせて、申し訳ないとは思いつつも脚を開かせ。
左を基点に自身の身体を反転させる。
両腕を肩の上から前へと引き、どうにかこうにか背負い上げた]
……これなら、何とか。
[安定させるのに少し掛かってしまったけれど。
歩み出す足は開かれたままの扉を潜り、彼らとは逆へ]
[イレーネを支えたまま、>>84旅人の言葉を聞く。
彼女はこちらに気付いていないのだろうけれど、小さく呟き]
…違うわ。
アンタとライヒアルトさんを隔ててるのは、絆の有無、よ。
[駆けつけたマテウスに視線を向ける。
このまま自分に娘を任せるなら、彼はきっと司書を助けに行くだろう。
そう思うのは、彼が娘の元に来るなら自分が司書の下へ向かうつもりだから]
─ 雪原 ─
[刃がどこにどう突き立ったか、なんて、知らない。考える余裕もない。
自分がどうなっているか、よりも、今は目の前の月のいとし子に意識を向ける]
……そんな話、どーでも、いい。
[零れ落ちるのは、こんな呟き。
右手からは力を抜かない。ただ、食らいつく意志が、そこにはあって]
……俺は。
いや、俺だけじゃなくて、誰も。
諦める事はしない……。
……『運命』に飲まれて、押し流されるだけのひとたちじゃない、って。
しんじてる、から。
[掠れた声で紡ぎつつ。睨み付ける赤を天鵞絨で見返す。
そこに宿る色は、静かだった]
司書 ライヒアルトが「時間を進める」を選択しました。
司書 ライヒアルトが「時間を進める」を取り消しました。
[夜はまだだというのに、人間の姿を保てない。
だが……力も身体へと満ちる。]
ふふふ……そうか、確かにお前の言う通りだ。
[レナーテは口許をまるで三日月のように歪めて笑うと、]
ライヒアルトだけに聞こえる声で言葉を放つ。]
───皆殺しだ。
[左腕に銀の十字を突き立てながら弾けるように走り出す。
反応ぐらいはできた者もいるだろう。だがレナーテの動きはもはや人のそれではない。
疾走する姿はまさに獣、狼にごとき速さで、地面に落ちた小さな小袋を踏みつけて標的へと迫る。]
我が爪、我が牙、獣の力
何の能力-チカラ-も持たぬ人間-オマエタチ-に防げるものか!
[その凶刃が向かう先は
───イレーネ!]
― →雪原 ―
[到着はマテウスとオクタヴィアと前後するかたちとなるか。]
……っけほ。
[軽くせき込みながらも、対峙する二人を見る。]
……もう、人狼にころさせない。
[なぜ、どうして。
その疑問はあるけれど。
手にしていた短剣の鞘を外して。]
[この男もまた神の使徒だった。
シスターと同じように。
欲したのは自らの命でも名誉でもないのだろう。]
だから……死ぬことになる。
旅人 レナーテが「時間を進める」を選択しました。
[最近、とエーリッヒから聞けば>>+37きょととする。
今回ならば衝動を覚えるようになったのと同じ頃と思い至った。
彼が人狼が誰かわかっていても
人狼は彼が何者であるかを知らなくて
襲われる危険もあり、現に彼は夜の獣の手に掛かったのだから。]
――…ん。
これまでの私は消えない。
けど、人をころしたいと、思って。
団長さんを、食べてしまった。
知ってて、……怖くなかった?
[自分でも自分が怖かった。
同じ獣を抱えるもう一人が怖かったから、
へなりと眉を下げて思わずたずねるけれど]
……それでも、好きと言ってくれるの?
[優しい彼だから情けをかけてくれているのかと思いかけ――]
[笑いだした彼の様子>>+38ににぱちぱちと瞬きを繰り返す。
どうして笑うのか疑問に思うとその答えが紡がれて]
――…、本物の「子猫」?
[虚を突かれたように、暫し声を失う。
状況を整理しているのだろう。
考えて、何か思って、表情は揺れ続け]
ずっと、あなたには恋人がいるから、
あんまり甘えちゃダメだって、話を聞いてからずっと思ってたのに。
こんなことなら、もっと早くに聞いてればよかった。
[勘違いに気づき恥ずかしさに頬が染まる。
これ以上の勘違い予防か、懇切丁寧な注意書きのような前置きに
はたと我に返ったようにエーリッヒを見つめ返す。
緩みかけた手は優しく握るその手のかたちにそわせて]
[告白の言葉を受け止める。
やっぱり夢なのかもしれない、と思うけれど
繋いだ手が、その眸が、本当なのだと知らせるようにある。]
……好きになってくれて、ありがとう。
[護りたいと思いながら失わせたいのち。
好きになってもらえる資格などないと思うのに]
死なせて、ごめんね。
護れなくて、ごめんね。
あいたかった。
話したかった。
……触れたい、と、触れてほしい、と、思ってた。
[大事な恋人がいるはずの彼に心寄せてはいけないと
どこかで思っていて考えないようにしていたけれど]
[改めて心に問えば導き出される答え。]
私も、エーリッヒが好きだった、みたい。
[今になってようやく自覚した想いを
頼りなく紡いで、笑む彼に、はにかむような笑みを向けた。]
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