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娼妓 カルメン に 8人が投票した。
ピアノ奏者 オクタヴィア に 1人が投票した。
娼妓 カルメン は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、読書家 ミリィ が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、自衛団員 マテウス、司書 ライヒアルト、雑貨屋 エルザ、湯治客 アーベル、編物好き イレーネ、ピアノ奏者 オクタヴィア、旅人 レナーテ の 7 名。
―→聖堂―
[ややの時間を置き、再び聖堂へと足を踏み入れた手には、手入れを怠ってはいないのだろう煌めきを乗せた包丁。
ライヒアルトと行き会うようなら、謝罪と共に借りるよと告げただろう。
其処に待つのはひとりか、それとも他に居ただろうか]
……お待たせ。
ごめん、これくらいしか思い付かなかった。
[姿を変えても何も変わらない彼女は、謝罪に首を左右に振って返しただろうか]
……そうだね、終わらせよう。
[せめて、君の悪夢は、ここで]
[悪夢を引き裂く銀色の刃を右手で携え。
それに左手が添って]
[深く、深く。けもの心臓を貫いた――**]
[その夜、レナーテの細剣がミリーの体を刺し貫いた。
獣は娘の瞳に宿る光を見逃しはしない。
発する敵意に気づかないほど鈍感ではいられない。
なぜ時に愚直というのは賢明を超えて幾倍もの速さで正解へと辿り着いてしまうのか。]
バカな子……もう少しだけ長く生きられたのに。
─ 聖堂 ─
…邪魔は、しちゃ駄目よ。
カルメンも、アーベルも、余計辛い思いをするから。
[>>3:171カルメンの名を呼ぶミリィの声、理解が追いついていないような彼女の肩に軽く手を置いて声をかけ。
>>3:167行こう、と。
声をかけるのは司書に任せて、自分は少女達に手を差し出す。
この場を離れるのを拒まれたならばその傍に付いて、自分も見届ける立場についた。
その場に残っても、離れても。
…邪魔は出来ない、立場も代われない歯がゆさに、胸を締め付けて。
また悔いる朝を迎える事を、この時はまだ知らないままに**]
─ 回想・いつかの夜 ─
『こんな時間にお祈りかしら?』
[そう言ってシスターが近寄ってくる。
真夜中の聖堂で、一人変わりゆく自分をゆっくりと感じていその時だった。
短めに揃えた髪はいまや腰に届くまで伸び、その瞳は暗がりに赤く赤く浮かび上がる。
──その姿を見られた。]
『そう……貴方がそうなのね。
大丈夫、私は貴方の味方だから。』
[その言葉がレナーテの胸を不意に強く打った。
その声がそれは真実だと告げている。
その顔が温もりを伝えてくる。]
『ねえ、貴方の名前を聞かせてちょうだい』
…レナーテ。
─ 回想・いつかの夜 ─
『いい名前ね。
レナーテ、貴方に罪は無いのよ。だから大丈夫、私がまも…』
[そういってレナーテを抱きしめようとするシスターにレナーテの腕が真っ直ぐ伸びて──
強い吹雪のなか、外へ出たレナーテは老女を掴み上げたまま一跳びで聖堂の屋根へと移る。
首を掴まれたままの老女は虫の息だというのに何かを言葉を発しようと口をぱくぱくと動かしている。その瞳には未だレナーテへの思いやりを浮かべたままで。
…だが]
私の味方だと言ったな……そんなに聖人でありたいか?
いいや、違う。幾人もの聖人を自称する者たちが同じ言葉を口にしたが、一人としてそんなことを思っている者はいなかった。
神の使徒を自称する者も所詮ただの人間でしかない。
お前もそうだ!
─ 回想・いつかの夜 ─
[強い風にレナーテの怒鳴り声もすぐに掻き消えてしまう]
老いた身体はさぞ不自由だろう?
若さを妬んだことはないか??
寂れた教会で静かな暮らしがいいか?本当にそうか?
こんな辺鄙な村で何の奇蹟もなく朽ちていくのは悔しくはなかったか??
それでも……それでも聖人たらんとするならば……
───聖人のまま終わらせてやる。
─ 回想・いつかの夜 ─
[そして──小さな音を立てて老女の首が……]
さようならシスター。
私が証人だ……貴方は最期まで敬虔な神の使徒であったよ。
[シスターの身体を十字架へと飾る。
死してなお、神への祈りを捧げられるようにと。
それが、初めて出会った聖人の最期だった。]
[カルメンが人狼だったと、娘の言葉から理解する。
娘も良く懐いていた。
そのショックは計り知れぬものだろう]
[村の者で無ければ良いと思っていた。
けれど、心のどこかでは村の者が人狼である可能性も考えていた。
それ故に、明らかになった場合に手を下す覚悟も出来ていたのだが。
結局、それを為したのは別の人間で。
何も出来ず、娘を苦しませる要因を取り除くことも出来ないのに悦びが湧き上がって来る左手が至極忌々しかった]
…イレーネ、部屋に戻るぞ。
横になった方が良い。
[それだけで緩和出来るとは思えないが、立った状態で居るよりは幾分楽になるだろうからと。
抱え上げてイレーネが寝泊りしている部屋へと向かう]
[直接関わったわけではないせいか、湧き上がるものは然程大きくは無い。
結果、それを厭うてもイレーネ程反動が来ることは無かったようで、共に意識を失う事態には陥らずに済んだ]
カルメン、が……。
[娘が人狼だと言った子が脳裏に浮かぶ。
親を知らず、老尼僧に育てられ、本当の親子のような関係を築いていた子。
だから、その子が老尼僧を襲ったとは思えず、そこに僅かな違和感を作り為した]
……シスターの時と団長の時、そしてエーリッヒの時…。
[全ての現場を見た男はそれぞれの光景を思い出す。
老尼僧とエーリッヒの時は常軌を逸した殺し方。
団長の時は、それらと比べると猟奇的には見えなかった。
そこから紡ぎ出される推論は]
───── 複数
[同一犯ではないと考えるとそれらの違和感も納得が行く。
また、カルメンは恐らく老尼僧を襲っては居ないだろう推測も]
あんな優しい子が、母と慕った相手を殺せるわけが無い。
[カルメンはここに来てからもイレーネを気にかけてくれていた。
月の獣であるはずの彼女が、だ。
何より、老尼僧が亡くなったあの時の様子が偽りとは思いにくい]
もしかすると、まだ───
[終わらないであろう推測は、ほぼ確信として心に残った]
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