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[寮の屋根、端まで歩いた。
輪郭が溶け……否、無数の桜の花弁と化して崩れた。]
それに、
契機がどうあれ
[校舎屋上、細い手すりの上に佇み、
各務誠人へ頬笑む。]
いまの在りようを選んだのは人間自身だ。
刃を取ったのも、人の手、人の意志。
[たどり着いた屋上。
扉にかけられていた力は、大分薄れて難なく抜けられた。
そうして、抜けた先──倒れ伏した姿にほんの一瞬、痛ましげなものが表情を掠める。
けれど]
……確かに、そうかも知れない。
『憑魔』は、人から生じたもの、だから。
[聞こえた言葉に感情の揺らぎは消え、静かな声が零れ落ちる]
……どうも。お散歩ですか?
憑魔は人から生じたもの
憑魔が宿るは人の心
それを否定するお前達は一体何なんだろうね。
水月海は私の事を化け物と言った。
それならお前は一体
何と呼ぶのが相応しいんだろうね。
……それは、ちょっと困りますね。
彼まで、食べられたくないし。
[予想通りの言葉に、表情はやや険しさを帯びて]
人の心を否定はしない。
だけど、『憑魔』のなす事は、容認できない。
それだけのこと。
俺が何なのか……そんなものは、俺が聞きたい……そう、思っていた。
[けれど、と。
そこで、言葉は一度、途切れる]
今は……何だろうと、構いやしない。
人でも、化け物でも。呼びたい者が呼びたいように呼べばいい。
[桜の樹をとんと蹴り、彼女は宙を漂う。水の中に似た感覚が心地よくて。だけども、知っている。もう自分は泳げない魚である事を。]
[幾つもの緋が咲き誇る地上を見下ろし。]
ああ、殺し合いは止まらないんだね。
血塗られた手を現実に、あの人たちは生きられるのかしら?人として。
[言いながら、陽の光へと手を翳す。]
私は、血塗られた手を持つ者にならなくて良かったのかも知れない。
―――そんな手で、大輝に触れたくないもの。
[近づく様子に、自分も同じように歩みを進め]
他に、言いようがありませんから。
[静かに言い放ち。
出てきた名前に、一つ、瞬く]
ウミが……護ろうと……って。
え……。
なん……で?
[目の前で語る者に問うたとて、答えなど得られない。
わかっていても、その疑問は口を突いて]
コトネは……だって……。
[彼女を殺めたのは憑魔。救えなかったのは自分。
いや、憑魔を引き寄せた原因からして、自分と言えるのに。
それだけのはずなのに]
二人……俺と……ケン?
どうして……。
[疑問の呟きは、更に進められた歩みに途切れる。
亡骸を護る位置に立ち、手にした木刀を、下段に構え]
さぁ………………?
[答えが得られぬことを知っていながら問われたと
それを知りながらも尚、嘲るような笑みを浮かべて答えた。
中空から抜き放つ、白い刃。
前後に脚を開いて立ち、上段に構える。]
[嘲るような笑みに、軽く唇をかみ締めた後。
す、と感情の色彩は影を潜めるか]
……触れさせない。
[紡がれるのは、ただ、自身がなすと定めた事のみ。
風がゆらりと、周囲に舞って]
[繰り出された突きは、下段から振り上げた木刀で打ち払おうと。
後ろに庇った状態。
動きが鈍るのは、承知の上。
それでも引かない決意と共に、振り上げの頂点から、振り下ろしの一撃へと繋げて行く]
[初撃打ち払われ、]
[高く振り上げられた木刀を、踊る相手の腕と見立てたように、その場でくるりと回る。
そのままの流れで、返る一撃へ、下からすくいあげるように受ける。木刀であれば、撃ち合った場所から斬り跳ばしてしまおうと強く。]
[振り下ろしへの返しの一撃。
ほんの一瞬、危惧が掠めるが、既に勢いは止まらず。
鈍い音と共に打ち合った二振り、そして、強靭な材質で作られたとはいえ、木の刃は白の刃に敵わず。
斬り飛ばされた先が、蒼天へと舞い、力の均衡が崩れる。
均衡の崩れはそのまま身体の均衡をも崩してよろめくが、舞う風がその身をぎりぎりで支え]
……このっ!
[苛立たしげな声と共に、手に残った部分を投げつけて]
[蒼天へ向け目一杯に伸ばした右手
振り抜いた白刃。]
[マコトの動きをなぞるように振り下ろし、
投げ付けられた木片を斬り伏せる。]
[獰猛に嗤い]
[更にもう一歩踏み込む、返す太刀で胴薙ぎ]
[踏み込みと共に放たれる胴薙ぎ。
避けるのは容易いが、ここで距離を開ければ、アズマが、と。
そんな思いは動きを止める]
……っ!
[伝わる衝撃。身体に刃が食い込み、白の剣道着を紅に染めた。
伝わる傷みと熱さに顔を歪めつつ、手を、空へ翳して]
……集え!
[凛、と響く声。それに応じるように風が舞い、その手に透き通った刃を形作る。
現れた風の刃を確りと握り、それを肩口へと向けて振り下ろし]
[切っ先から血の軌跡を引いて
更に追撃、刃を突き込もうと強く握り直すが]
[咄嗟に、刀身を倒して
司の力による刃を受ける。]
[ぱき]
[骨の折れるような軽い音がして、刀は中程から砕けた。
肩口へ斬り付けられ、背後へ飛び退く。]
[ちらり、傷口へ視線を向ける。それなりに深く斬り込まれたようだが、動けないほどではない。
一つ、息を吐きつつ、視線を正面へと戻し]
風が……なん、だよ?
風は、俺の、力。
俺に応えてくれる、森羅万象の、理、だ。
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