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[意識は別へと移ったか]
……ねえ、
“痛い”?
[まるで関係の無い問いかけ]
[滴る赤へと手を伸ばす]
治した方が好いよ。
壊れてしまわないように。
[触れるか触れないかのところで、][止まった]
あなたは…一体、なんのための……
[声は途切れて、近付く青に気付いたのは、その手が目の前に翳された後]
アーベル………
君は、何…だ…?
[以前にも問いかけた、その同じ問いを、もう一度口にして]
小説家 ブリジットが「時間を進める」を選択しました
―廃棄エリア・第一集積室―
< いっしゅん。
なにが、起きたのかは、猫には、わかりませんでした。
こえ? ことば? それとも――ほかのなにか? >
[ブリジットの言葉にちょっと思案顔。無表情だけど。]
……リディ。ああ、そういえば。了承はしていたけど契約はしてないのか。
強制転送には関わっていないから、リディ。
目的は企業秘密。口止めはされてないけど。
欲するものは……こっちは隠しても仕方ないか。
流石のご名答。機鋼竜が欲しがっているのは力。多分、出来るだけ多くの、ね。
< 視界のゆらぎに目を閉じて、猫がふたたび目をあけたのは、その場所でした。
無機質で
どこかつめたくて
どこかさびしくて。 >
……あ。
リディ?
[空間を『渡り』、屋敷へと。たどり着いたそこは、緊迫感に満ちているか。
取りあえず、どこに行こうか、と思いつつ、一歩、踏み出した所で、肩の従魔が翼を広げる]
……セレス? って、何処へ!
[呼び止める声に答える事無く、従魔は飛び去り。
それを追い、走った先には]
─屋敷・果樹園─
ユリアン……と。
アーベル?
一体……。
[何があったのか、と。どちらへともなく、問いかけて]
< スクラップの上に落ちた体は。
少しいたかったけれど、彼女に近づいて。
ただ、こんなに寒い場所にいたら、駄目だと思っただけでした。
こんな感覚を、味わった事はなくて >
……いた。
< 左の腕がじくり、痛みました。
猫はそれを押さえ、なだめるように、青い布のうえから、口唇でおさえました。
――自分がいたいというと、彼はいつもそうやってくれました。たいせつな、たいせつな、自分の親のような人のこと。
その情報は、既に、機鋼の竜にもあるでしょうか。 >
<--
優しい手が、猫の頭を撫でました。
いい子だねと。
芸を覚えた猫に、みんな喜んでくれました。
だけれど、覚えなくっても、その人は、喜んでくれました。
人の姿になることができたとき、びっくりしないで、抱きしめてくれました。
猫のときは、あんまりあたたかく感じなかったけれど。
そのあたたかさに、なんだか、とてもなきたくなったのでした。
むかし、むかしの、猫のきおく。
-->
……怪我?
[それが誰の物をさしているのかは、すぐにわかったが]
俺じゃ、無理。ヴィンターならできるが……。
一体、何があったんだ?
[声にこもるのは、僅かな警戒。
ひとまず、腕に抱えたナターリエを草の上に横たえ、その前に立ち位置定める。
その傍らに舞い降りた従魔は、じ、と青年を見つめて]
<--
一緒に逃げ出した日のことも、伝わっているでしょうか。
他の人たちの、猫を売ってしまえということば。
かなしかったけれど。
それでいいなら、いいかなって、猫は思ってたんでした。
でも、それをとめたのは、その人でした。
とめられないってわかったら、
いっしょに、逃げてくれました。
つないだ手は、あたたかくて。
とっても、不安だったのが、おちついたのでした。
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普段なら聞こえない情報も、今の俺なら運ばれてくるから、な。
あれだけ情報が集まれば、推測も出来る。
聞きたいことはまだある。
多くの力を集め、何をするつもりなのか。
…他にも協力者は居るのか。
……機鋼竜が、その契約を守るつもりがあるのか。
[最後のは聞きたいことと言うよりも、聞いてて浮かんだ、疑問]
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