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─森─
ちょ……? なん……で?
[コエが返らない、どころか。
そこにはいないはず、と聞かされたモノのコエが、聞こえて。
口をついたのは、小さな、呟き]
……どこ……に。
[声は、僅か、かすれたか]
[急所を狙った剣先もギリギリのところで避けられる
これでは拉致があかない。長期戦などやれば不利なのは明白だ
だが、先程までの動きからわかったことがある。
最初に切りかかったときは、浅く踏み込んだ。だからこそ軽傷で済んだといえる。そして急所を狙えばただ退くだけ…と。
狼だからかそもそもなのか。経験が、戦闘技術が違う
だからこそ、睨みつけながら隙を作るように、剣先をゆらりと揺らして誘い、乗ってきたブリジットの喉目掛けて剣を振るう。避けようとすれども、この距離ならば間に合うまい
耳を覆いたくなるような大声量の悲鳴があがった]
[緋色に世界にコエを投げても答えはなく。
掠めたのは、嫌な、予感]
まさか。
……それ……って?
[ふるり、小さく、首を振る。
認めたくない。
真っ先に浮かんだのは、それで]
[パラパラと、雪が落ちた。
煌々と光る月以外に見えるものはなく、聞こえるのはアーベルの声だけだった。
彼自身には、違ったのかもしれないけれど]
……どう、したの?
[座りこんだままに、アーベルを見上げる]
職人見習い ユリアンは、青年 アーベル を投票先に選びました。
職人見習い ユリアンが「時間を進める」を選択しました
……あは。
ちょっと、これ。
あんまり、笑えねぇ……。
[これまでは、誰が生命を失っても。
強く感情が動く事はなかったのに。
……リディを殺めた時でさえ。
血に酔っていたのを差し引いても、平静だったのに。
なのに、何故か、今は。
揺らいで、揺れて]
[右肩を抱え込んだまま。
響いた悲鳴と、その後に聞こえた呟きに顔を上げる。
最初に見えたのは、鈍く光る長剣で]
ジッ……!
[直後、翻った銀色が金色を巻き込むのが、見えた]
ランプ屋 イレーネが「時間を進める」を選択しました
誰も、って。
[酷く、不安定に思えた。
壊れてしまいそうに感じた。
揺らいでいたのは視界だろうか、身を起こしてアーベルへと手を伸ばす]
[不意に聞こえてきた悲鳴に顔を上げる]
二階?
まさか、また……?
[ふらりと立ち上がる]
[キッチンにいるクレメンスは気付いているだろうか?]
[「痛い」と呟くドゥンケル
本来ならば、追撃をかけるところだったが
頑強な体に目掛けてはなった一撃は、己の腕をも痺れさせる。
そのような状態で振るう剣は鈍くなってしまうのはわかっていて、迂闊に踏み込めず
その間に扉から飛び出し、窓を割って外に逃げていって]
ちっ!!逃げられたか…
[ミハエルを巻き込んだのまで視認できず、瞳の奥の朱金の光は収まり、その場に蹲る]
探偵 ハインリヒは、青年 アーベル を投票先に選びました。
探偵 ハインリヒが「時間を進める」を選択しました
[窓の外、何かが落ちる音]
[だけどここからは何も見えず]
ここにいてもわからないわね。
[クレメンスに一言声を掛けてから二階へ]
[急ぐ必要は無くなったのだろう、と男は思う。そして、この事態が、アーベルを変えることがあるのか、と]
[*二人の青年を見つめる瞳は、今は揺らがなかった*]
誰も……いない。答えが、ない。
[伸ばされる手、それには気づかずに]
……猩、グリズ、ライン……誰も。
それに。
ブリスも。
消えた……。
[最後に、緋色の世界で見たのは。
自分を呼んだ。緋色の名前──ヴィント、ではなく。
それは間違いなく、いつもの少女で]
……死んだって……コト?
マテウス、さん。
大丈夫、ですか…?
[蹲ってしまった人の傍にまず寄った]
あの。今、外に誰、か。
[朱花の一部を巻き込んだ傷は深く。
白い袖は緋色を吸い切れずに雫を落としている。
けれどそれより気になったのは]
金色…まさか。
[扉の外へ。窓の外を確認しようと。
全身の感覚が麻痺したまま、歩く]
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