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イレーネさん、大丈夫?
[それが傷の痛みなのか別の要因なのかはわからない]
[だけどイレーネが苦しんでいるのは確かで]
……止めるには、見つけるしかないのでしょうね。
[選択肢は狭まっていて、だから余計に考えたくはなかった]
案外、ヤバイのは俺自身かも?
[声は楽しげだが、それなりに切実で。
未だ、蒼花のあまさを忘れられぬ身には。
傷ついた朱花は、誘われるモノでもあり]
元気は元気、だな。
痛くて仕方ねーけど。
大変……ホント、大変だよ。
このままいくとまた、抑えが効かなくなるからな……。
[リディ喰った時みたいに、と。
呟きはごく小さく]
そうですね。
それがシステムですから。
[対するのは、特別なんとも思っていないような声]
ユリアン君を食べたりしたくないんでしょう?
本当は、リディ君も食べたくなかった?
[ナターリエの、見つけるしかない。という言葉に、思わず、腰にさす剣を見る
腕をすぐに変えれない以上武器を変えるしかない。昨日から頼んではいたが、まだ己の情報やからは届いておらず]
シスターもか
昨日部屋を覗いたが、少し散乱しててな。誰かと争った様子もないから、ただこの状況に苛立っただけかと思ったが
[そこまでいって顔を顰める。顔を顰める理由は心配と疑念]
…ホントに。
[濡れてしまったスカートに溜息を吐く。
ユリアンに肯定を返そうとするだけで走る痛み]
…これを、消したら。
崩れるのかしら。
[当然増す痛みに俯きながら小さく呟いた。
ずっと欲しかった朱花。
けれど今となっては邪魔でしかないそれ。
我侭だとは思いつつも、消えることを望んでしまう。
大きく息を吐いて顔を上げた。
アーベルの事は分からず、小さく首を横に振る]
[マテウスの問い。
微かに震える身。
右手で左腕を押さえて、
息を吐き出した]
僕は、
……知ってる。
[それは、二つの意味を持っていた。
どちらの意味に聞こえたかは、わからないが]
外…か
[立ち上がっていうハインリヒ。続いてユリアンが微かに身を震わせながら、知っているという。この二人はそういえば…]
……昨日、何があった?
……ああ。
[返す言葉は、短く]
今更、こんなコト言っても、意味ねぇが。
あの二人だけは、俺が喰うのも、猩に喰われるのも。
嫌だった。
[いつかの事、緋色の世界でのやり取りを思い出しつつ呟いて]
…大丈夫、です。
[ナターリエにもう一度頷く。
調子も悪い。痛みも消えない。それは隠し様もなかったけれど。
それでも、同じ痛みを持つ人がいることを知っていたから。
その人もきっと。必死に抗っているから]
…希望を。
願っちゃ、いけない、のかな。
[立ち上がったハインリヒへと視線を向ける]
[階下から多くの人の気配。
生者の世界。
余計に孤独を感じてしまいそうで、其方には行きたくなかった。
代わりに居るのは白い世界。
名を呼ぶ声に誘われるように、ふらりと小屋を訪れた。]
ならば手を貸しましょうか?
俺を助けてくれたお礼も兼ねて。
[ついでに兼ねている物は何なのか]
[まだ手の内は見せず]
俺としても喜べることですからねぇ。
ここから解放されるのは。
……そうね、こんなシステムは崩してしまうべきだわ。
こんな、痛みと苦しみと…悲しみしか生まない物は。
[イレーネには口にできないであろう言葉]
[それを口にしても何も起こらない]
……あは。
内容の提示ナシで、最初から二択かよ。
[突きつけられた言葉に、思わず零れる、コエ]
……とはいえ、俺に、選択の余地はねぇんだよな。
[自身の力だけでは、どうにもできぬと、知っているからこそ。
この男の許を訪れたのだから]
……答えは、Yes。これで、満足?
[どこか幼げな仕種で首を傾げつつ。答えと問いを、投げかけて]
[交わされる会話を沈黙のうちに聞く。
勿論、全てを正確に分かっているわけではない。
ただシステムがどういうものなのかを、過去に一度聞いていることと、先日の会話から分かることがあるだけ。
ただ、もう一人。
沈黙している人物が気になった]
だってねぇ。
断られるとは思ってませんし
[くすと笑って]
ま、といっても俺もたいしたことを知ってるわけじゃないんでねぇ。
ちょっくら大芝居を打つくらいしか考え付かないわけなんですよ。
ってことでいっぺん死んでみましょう?
僕も、詳しくは知らない。
ただ、システムのせいで……
みんな、それに縛られているのだって。
それが、なければ――
[声が揺らぎかけて、一度、口を閉ざす。
視線を落とした]
それを崩せれば、
こんなことは、
もう、起こらないはずなんだ。
[確かでは、なかった]
……断らせるつもりなかった、の間違いじゃ?
[思わず突っ込みつつ。
続いた言葉に一つ、瞬いて]
はあ!?
[……素で、声が上がった]
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