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[ぽたりと頬に当たる雫。
冷たさに、眼を開いて、身を震わせる。
森で眠る様子も己を包む翼も傍らの鳥も、
護り手たる娘によく似ていたが、
四翼は異形であり、ひかりに器はなく、滴は一粒も零れていなかった]
ふと思ったんだけど、身近なところから壊すとか言ってるのに、ア〜ヤとか家族とかすごく大事にしてるし、何で堕天尸になったかわからないくらいに恵まれてるよね!
[それは、自分には決して手に入れられないものだから――]
……そうなんだ。
[最初の一言も含め、説明を聞くと、息を吐いて、安心したように目を細める]
うん、僕の知ってる、ラスさん……と、一緒
……あったかい、の
[自分の頭の、ラスに撫でられた辺りに触れ]
……頑張ろう、ね。
[アヤメに笑いかける]
……返事が無い。誰も……、いない?
[それなりの緊張感を持って訪れた家。けれど、それは空振りに終わってしまい。
また誰かが倒れたのかと施療院に行けども、こちらでも目的の人物は見当たらず。
ただ施療院の主から、カレンもまた結界樹の中に居るのだと言う事を聞くことになり、表情を険しくした。
礼を述べて、施療院を辞する]
…これは、勘で探し回れと言うことかね?
運命の出会いとやらが、現実に存在したら驚くもんだが…。
[リディアの言葉には、羽根をばさ、と揺らして少し中腰に立ち上がる。]
恵まれてる?俺が?
何、言ってんだ…
[その目には、仄黒い光。]
[堕ちていく。
翼はどこだろう。動かそうとして気がつく。背中には、翼がなかった。
星はない。月が出ている。赤い月。しかし見る間にそれは赤い唇と化し、にやりと笑った。
空がなくなってしまった。それならば、なるほど堕ちるしかない。
闇は、深く、底が見えず、柔らかく身体を包む。
ゆっくり、まぶたを閉じようとした。
音が、響いた。
笑うような嘆くようないたわるような嘲るような天上の歌声のような鳥のしゃがれた断末魔のような
音は一瞬、闇をゆらし、消えたとき、堕ち行く先に、小さく細く光る銀がわだかまっているのが見える。
――――月だ。ああ、こんなところに空がある
ふかいふかい闇の底へ、届けと手を伸ばし]
……『堕天尸』になったからって、その者の本質は変わらない。
アタシの母上が、そう言ってたよ。
『虚』は、誰しも抱えるモノ。
ただ、それとどう付き合うか、どう向き合うか。
それが道を分けるだけ……ってね。
[亡き母の言葉を思い返しつつ。
笑う様子に、笑みで返して]
ああ。
頑張らないと、ね。
[止めようとするジョエルを手で制して、まるで気にする様子もなく...はラスの羽に触れた]
さっきも言ったじゃない!
私は親がいないんだってば! でもラスさんはいる。ア〜ヤだっている! ジョエルんだってあんなに心配してるし!
これで恵まれてなかったら罰あたるよね〜!
[あ、当ててもらってもいいのかなぁ? と物騒な一言]
あは、ラスが堕天尸になったのは
目がこんなにちっちゃいからだよ〜
[と真似するように、糸目にして]
だからちょっとのことしか見えなかったんだよ〜。
うん。きっとそうそう〜あははは〜
[雰囲気など読めた試しもない...は、やっぱり笑っている]
俺、は。
このまま、後何十年同じ生活をしたらいいんだ。
それで、親父やお袋が居なくなった時は自分の体さえ満足に動かせないくらい老いてるんだろう。
でも逃げられない、逃げられないんだ。
そんな人生、もういやなんだよ…!
緩慢な真綿で首を締められるような苦しみ、だ…
[リディアの言葉はほぼ聞かず、勝手に綴る言葉は、彼を知る者ならば多分驚くような後ろ向きな「心の闇」。
背の翼は、薄金より闇色を濃くし、ざわりと「虚」の気配が波立った。]
うー………
[呻きながら、柔らかな寝床から起き上がった。意識をはっきりさせようとすれば、片方だけのみつあみがゆらゆらゆれる。目の前に居る、人々を見て]
……ああ。
[思い出す。捕らえられたラス、迫ってきた黒と、目の前のスティーヴの顔、ちらりと見えたアヤメの顔と]
皆、無事か。
[小さく、呟いた]
あは。
お寝坊さん〜。お寝坊さん〜。おはよー。
[ゆらゆら揺れる三つ編みを楽しそうに見ながら]
無事〜。無事〜。
[やっぱり周囲を気にした様子はない]
[ゆらゆらと中空を漂う、
淡い――薄くなったひかりを見上げ、緩慢に身を起こす]
……どうしようか、な。
[首筋に、色を失った指先を添えて、独り言ちる。
ゆるりと首を巡らせ、
微かに聞こえる水の音に喉の渇きを覚えて、そちらへと歩むことにした。
数日前に訪れた、洞窟の傍と気づいたのは川辺に辿り着いてからのこと]
[腕を伸べたまま、ラスの言葉を聞く]
だから、それを早く…言えと、言うんだ……!
[蠢く虚の気配に、息苦しさを覚え、声は掠れた]
堕天尸……に、なっても、変われるわけじゃ、ないんだ……
[目を伏せて、つぶやく]
虚は、なく、ならない……
……うん。虚があってもなくても、ラスさんは、ラスさん、だったし。
[アヤメの顔に笑みが浮かんだことに一瞬嬉しそう]
堕天尸、どこにいる、んだろ……?
……知ってる?
[ラウルに向かって首を傾げる]
/なか/
会話するの、難しいキャラで、ごめん。
脈絡のなさと曲解と自分勝手な理論の半分は故意で、半分は中の人の仕様だったり。
[ネロの声を聞いて、ふむふむとうなずいた。みつあみがひょこりと揺れる]
そうみたいだな。あんまり変わっていないから拍子抜けした。
………そんなに眠っていたのか。虚に飲み込まれたせいか、夢見が悪かった。
ところで、眠っている間に髪型が変わっているのは結界樹の効果なのか、ひょっとして。
[それ程多くも無い、エリカとの記憶を思い出す。
最初に出会ったのは、広場]
後は…島の端と、あの洞窟か……。
エリカちゃんは、人目に触れないような場所が好みなのかね。
[そんな場所にばかり向かっていた自分に気付けば苦い顔。
けれど、躊躇うことなく、どちらかと言えば近い森の中の洞窟へと足を向ける]
[ざわりと広がった「虚」は、すぐに抑え込まれて霧散する。
ぐ、と拳で胸を押さえて膝をつきながら、額に汗を浮かべてジョエルを見る。]
…言ったって、あんたが心労で禿げるだけだろう?
[苦しげに、笑った。]
[ラスの羽を撫でながら、大丈夫と呟いて。そしてネロの言葉に大きくうなづいた]
そうね。
結局そうやっていつもいつも狭い世界しか見れなかったから、そう勘違いしているだけなのかもね。
だったら、ここで羽が真っ黒になっちゃうくらいまで全部吐き出しちゃえばいいよ! それでもみんなついてきてくれるよ?
変わりたくて、そうなるヤツも、いるかも知れないね。
けど、人の根っこなんて、そうそうころころ変わりゃしないよ。
[目を伏せる様子に、静かにぽつりと呟いて]
『虚』がなくなれば、人も世界もおかしくなる……だったかな?
ただ、強くなりすぎると、危なくなる……ってだけで。
ちぃちゃい頃に聞いた話だから、よくは覚えちゃいないんだが。
[嬉しげな様子に、感じるのは安堵]
どこに……か。
さて、島にいるのは、確かなんだが……。
[呟いて、空を見上げる。
首を傾げられたラウルは、くぅぅ、と鳴きつつ、同じ向きに首を傾げ]
そうなのよ〜! ここに入ると髪形変わるんだよ! ジョエルんが逆毛になってるのは思わず噴出しちゃったもん!
[とりあえず、カレンには冗談を言っておこうと...は思った。
だって、カレリンのクールな反応もかわいいんだもん。とは言葉にはしないが]
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