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オ、オーフェンはなんでもない!
[それは...が持つ闇。誰にも知られてはならないと、必死に、それでいて慌てて手を振った]
…そうなのか?
まぁなんでもないならいいんだけ…
[ゆらり、背中で黒い何かが立ち上る。
斑な羽根は一瞬で黒が強くなり、糸のように笑顔で細められた目が半眼へと変わると、冷たい声が出る。]
なんでもない事無いだろ?
何かあるんだろう?
――「負」の、何かが。
[くすと笑む口元は歪み、喉仏がくくと笑って上下した。]
[部屋に戻り、外には出ず。
狐は翌朝、屋敷の者の騒ぎで知る。
――彼が堕天尸だったなんて。]
彼、ね
[聞いてわらう。もう一人はまだ、見つかっていないらしい――。]
うん。黒い黒い。こんな色もいいね〜
[黒い羽根を楽しそうにもっているが、浄化されていってるのか徐々に薄れていっている。]
それで。それで。虚ってどんな感じだった?
[ネロに、歪んだ笑みのまま振り返る。]
「虚」か?
うーん…なんだろう、楽、かなぁ。
でも、力を弾かれた時は苦しかったぜ。
[ゆらり、周りの黒が揺らめくと笑みはいつもの人懐こい笑みになる。]
な ん で も な い の !
[冷たい瞳の色に気づく様子もなく慌ててラスに背を向けると]
あ、ちょっと果物でもとってくるね!
[と、*足早に走り去った*]
そか〜。楽なんだ〜
[リディアを見送りながら、ゆがんだ笑みを浮かべるラスを
やっぱり陽気に見ながら]
あ、そういえばそういえばね
えっと。えっと。疲れて、壊したい…だったっけ?
[水鏡から注意もそぞろに見ながらだったからか、首を傾げながら]
なんで、一番重い荷はおいといたの?
−結界樹−
[夜の中、大樹は静かに佇んでいた。湖面に銀の月が揺れる。
その根元へとゆっくり歩み寄り、幹に布を巻いた手を当てた。]
………来るのが遅くなってすまん。
早く出してやりたいんだがな…俺では力が足りないようだ。
[俯きがちに口の端を歪め、目を閉じた。
夜風に木の葉がささめく音だけが耳に返る。]
………やっと一人見つけて送る事が出来た。
だがまだ他にもいるらしい。俺はそちらを探しに行く。
ラスが目を覚ましたら、俺の分まできっちり叱ってやってくれ。
………またな、とは言わん。
次に会う時は樹の外でだ。
[挑戦的に口の端を上げて背を向け、湖へと地を蹴る。
大きく重い翼を強く羽ばたかせ、再び夜空へ。]
アヤメ嬢が守護天将の血を持つ者とはねェ。
守り手とはさぞかし手を焼いていることだろうな。
[喉の奥でわらいながら、狐はふわりと空へと舞い。]
手伝ってやろうか。
匿うだけではなく。
[浮かんだかおは、狐の下。]
…強いな。
[自分の中に膨れた「虚」に物怖じもせず恐れもしない様子に、肩を竦めてその彼女の背中を見送った。
とても羨ましい、と思った。
それから見上げてくるネロの言葉に。
目を見開いて、かくりと力が抜けるようにしゃがんで、目の高さを合わせて。]
…なんで、…だろ、な…
[じ、とネロを見つつ、開いた膝に肘を置き、くしゃ、と、眉が真ん中に寄った。]
むぅ〜。聞いてるのはネロだよ〜
[と、解答が納得いかずに不満そうにするが
すぐに表情を陽気なものへと戻し、顔へと手を伸ばし、糸目を広げるように指でむにーっと伸ばす]
[白い羽根をはばたかせ、狐は慣れた道をゆく。
もう一人と話をするために。
やがて家の姿が見え、
彼女のいつもいる、そのベランダへと。]
― 自室 ―
[ 相変らず目覚めは悪く。
起きてからも憂鬱で仕方がなかった。
水を飲もうと水差を探したが、其処にはコップしかない。]
嗚呼、そうでしたね。
[ 水は既に乾ききっていて、其処には硝子の破片のみ。
いつものようにベランダに出たところで気配に気付く。]
……おはようございます、ケイジ様。
さて、何のお話でしょうか?
[ 見当はついているが。
男が堕天尸、己のことを知っていることを自身は知らない。]
そうだな、聞かれてるのは俺、だな。
重い荷は、俺には重すぎてさ。
後に回そうとした、のかもな、無意識に。
…俺、好きなものを最後に残す性質なんだけどなぁ?
[むに、と伸ばされればその顔は、川の中にいる両生類のようになった。
眉を下げて、手を伸ばしてネロの顔も同じように、むに、と引っ張ろうとした]
おはよう、ロザリンド。
気分は悪いか?
[問いかけ、狐はわらう。]
そうだな――名目は、見舞い、だ。
何のかは、さて。お前がよく知っていると思うが――
あは。
[むにーっと伸ばした。
いつも細い目がそうじゃなくないのを見るのは楽しく]
そっかそっか〜。じゃあそれだけ大事なんだね〜
よかったね〜。あはははは
[返事をしながらも普段と違う顔になっているのを見て笑っている
そのため自分に伸びている手は気にもしておらず]
[ 相手の様子にくすりと笑いを漏らす。]
はい、夢見が良くなかったようで。
気分転換にベランダに出ようと。
お見舞い……ですか?
くす…ありがとうございます。
名目と言われると困ってしまいますが。
[ 己の正体を隠そうと笑みを作り続ける。]
あァ、――もしや、聞いていなかったか
[ようやく気づいたとばかり、狐はわらう。]
彼にも困ったものだな。
伝えておいてくれたなら良いものを。
アヤメ嬢の事も、聞いてないンだろうな
[笑うロザリーへと手を伸ばす]
俺は、 知っているぞ。
――最初から。
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