人狼物語 ─幻夢─


28 Rainbow stone

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視点: 人


召使い ユーディット に 5人が投票した。
工房徒弟 ユリアン に 2人が投票した。

召使い ユーディット は村人達の手により処刑された。


今日は犠牲者がいないようだ。何かの介入か、それとも……?


現在の生存者は、音楽家 エーリッヒ、少年 ティル、娼婦 イレーネ、詩人 ハインリヒ、工房徒弟 ユリアン、小説家 ブリジット の 6 名。


娼婦 イレーネ

っ、駄目!やめて!

[エーリッヒの腕にしがみ付き、持っていた短剣で切り付けた。]

(0) 2008/08/10(Sun) 01:02:07

工房徒弟 ユリアン、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 01:02:34

娼婦 イレーネ、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 01:04:36

音楽家 エーリッヒ、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 01:05:02

少年 ティル、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 01:07:49

音楽家 エーリッヒ

……離せっ!

[しがみつくイレーネに、舌打ち一つ。
切りつける一撃は、自身の刃で打ち払い、引き離すように振り解く。

そこに届く、ユーディットの叫びに、はっとそちらを振り返り]

(1) 2008/08/10(Sun) 01:09:39

音楽家 エーリッヒ、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 01:12:02

娼婦 イレーネ

[細い腕で斬りつけた剣は、容易く払われ背後へと飛ばされた。]

っ!ぅ………

[くらりと、世界が傾ぐ。]

(2) 2008/08/10(Sun) 01:12:08

工房徒弟 ユリアン

[既に倒れたものとしてユーディットの動きには意識を向けていなかった。
次なる標的に幼い少年──ティルを選び、爪を振るおうとした時]

───っ、つぁ!!

[右眼に走る激痛。
右半分の視界が朱に染まり、そして暗闇が訪れる]

っ、この、アマぁ!!

[異形の右腕で傷付いた瞳を押さえ、最後の力を振り絞り短剣を揮ったユーディットに踏みつけるような蹴りを放つ。
何度も何度も、苛つきを全てぶつけるように。
ユーディットが事切れたのはいつだったか。
そんなことは気にも留めない]

く、そ……。
…滋養を…傷を癒すための贄を!

[瞳を押えた腕はそのままに、今度は左腕を変貌させて、当初の標的であったティルへと襲い掛かる]

(3) 2008/08/10(Sun) 01:12:53

少年 ティル

[目前の展開に、口も挟めず眺めていたが。
異形へと変わるユリアンの姿には、身体が竦んでいく]

え…ユリアン…兄ちゃんが…

[目の前には、狼の爪]

(4) 2008/08/10(Sun) 01:18:09

音楽家 エーリッヒ

……てめぇっ……。

[ユーディットを蹴りつける様子に、何か、切れた気がした。
それは多分、ずっと押さえ込んでいたもの。
他者が傷つけられる事への憤りとか、そういうもので]

……やらせねぇって、言っただろうがっ!

[ティルへと向けられる、爪。それを見た瞬間、動いていた]

Die Flamme, die mein Leben bekam.
Führen Sie Macht der Verteidigung herbei!

[床を蹴ってティルの前へと飛び出し、銀の短剣を翳す。
ゆらり、立ち上るのは焔の如き、気。
それは守りの壁の如く揺らめいて少年を包み込む]

これ以上は……死なせねぇ!

[直後、繰り出された銀は真っ直ぐ、大気を裂く]

(5) 2008/08/10(Sun) 01:20:26

少年 ティル、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 01:23:26

少年 ティル

[身体が動かない。
ああ。死ぬんだ。と心の中で思った瞬間、目の前に人影が現れた。
揺らめく空気。大きな背中]

エーリッヒ兄ちゃん!

(6) 2008/08/10(Sun) 01:29:18

工房徒弟 ユリアン

[爪を振り下ろす前にエーリッヒがその前に立ちはだかる]

死することを望むか!
我が力と成り果てるが良い!!

[にぃ、と口端が吊り上がる。
狂気に支配された表情。
相手の力量を測らぬまま、爪を振り下ろそうとする。
しかし]

────!?

[放たれる炎の如き気。
一瞬の怯みが、僅かな隙を作る。
直後、切り裂かれる大気。
本能的に、左腕を顔を庇うように翳した]

(7) 2008/08/10(Sun) 01:30:21

工房徒弟 ユリアン

…がっ…!
お、のれ……護る者め…!

[飛び散った鮮血は己のもの。
毒となり得る銀による、二度の負傷。
分が悪いと、一足飛びに出入り口へと飛び退り、扉をぶち破って外へ逃げた]

(8) 2008/08/10(Sun) 01:30:26

娼婦 イレーネ

[頭を振り立ち上がる。聞こえるのは悲鳴と、敬愛する主人の咆哮。]

―――――エウリノ!

[呼ぶ名はいつものものではない。赤い世界で囁いた真名。
傷つけられる人狼の姿に悲鳴を上げた。

ティルに飛び掛るユリアン、それを防ぐエーリッヒと、赤い壁、その明らかに特殊な力に、きっと睨み、小さく呟く。]

『守護者』…!

[だがそれも一瞬で。
外へと逃げた主の後を追うべく、他の人間がユリアンに気を取られている間、そっと入り口から外へと駆け出した。]

(9) 2008/08/10(Sun) 01:32:29

娼婦 イレーネ

[おそらくユリアンの行き先は知れたが、その前に別の方向へと走り出す。
たどり着いた先は、もう一人の主だった診療所。
幸いなことに自衛団も居なかったのは、もうある程度中の調べが済んだからだろうか。今はしんとしていた。
窓やドアを一つずつ調べ、鍵のかけわすれていた場所を探し出して、そこから中へと入り、棚から見たことのある薬をいくつか取り出した。

ふと、テーブルの上に置かれた見慣れたメモに気づき、より必要な薬―痛み止めや傷薬など―を手にして、メモと一緒に持ち出した。

それから向かうのは、今朝まで居た工房。]

(10) 2008/08/10(Sun) 01:34:54

小説家 ブリジット

――!

[声にならない叫びみた物と共に、脈々と続いていた演説が途切れる。一時立ち尽くしてから、弾かれたように宿屋の方を見]

……、

[宿に向かって駆け出しかけたところで、勢い良く開く扉に反射的にか足を止めた。出でる赤に濡れし姿を少しく遠目に捉え]

(11) 2008/08/10(Sun) 01:35:18

娼婦 イレーネ、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 01:37:06

工房徒弟 ユリアン

[逃げる姿は獣の如く。
風のような勢いで村の中心部から逃げていく]

おのれ…おのれ…おのれ…!
俺の邪魔をする忌まわしき者め!
覚えてろ…次なる標的は貴様だ…!

[相手の力量を見誤ったことに舌打ちをし、立ち塞がったエーリッヒに憎しみを募らせる]

[駆けて辿り着いたのは己が一番馴染む工房。
僅かに息を上げ、ふらりとした足取りで中へ転がり込んだ]

(12) 2008/08/10(Sun) 01:37:23

音楽家 エーリッヒ

……ちっ!

[狙いよりも浅い手応えに、舌打ち一つ。
追うかどうか、逡巡するものの。
どうせ村からは出られないはず、と思い直した。

何より、ユーディットをそのままには出来ない、という思いが強く、刃を下ろす]

……仮定は、あっていた……って事か。

[掠れた呟きが、零れる。
人狼が離れた事を察知してか、焔の気はゆるりと鎮まって行った]

(13) 2008/08/10(Sun) 01:37:33

小説家 ブリジット、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 01:38:27

工房徒弟 ユリアン、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 01:41:01

小説家 ブリジット

[逃げていく姿を見送ってから、早足に、けれども途中からはゆっくりとした足取りで、宿屋へと向かい。破られた戸の前に姿を現す。そこから店内の様子を一望し]

……変容、が。
再び来たりしか。
黒き影は……一つでは、なく。

[ぽつりと、独りごちるように]

(14) 2008/08/10(Sun) 01:41:51

音楽家 エーリッヒ

[小さくため息をついた後、銀の刃を鞘へと収める。
刃に、先の朱は残ってはいなかった]

……ほんとに、君は……いや、君も。
無茶しか、しない。

[呟きつつ、倒れたユーディットの傍らに膝を突き。
顔に跳ねた紅の痕を、ポケットから出したハンカチで拭った]

……ブリジットか。
ああ、影は、一つじゃなかったようだな……。

[それから、やって来たブリジットの方を見て。
その呟きに、こう返した]

(15) 2008/08/10(Sun) 01:46:25

娼婦 イレーネ

エウリノ…!

[工房の中に入り、血の匂いのする方へと向かって走る。
そこで倒れこむようにして体を休めた主への傍らへと座った。]

エウリノ、エウリノ、ああ…、こんな、酷い。

[片目と、左腕が、鮮血で染まっていた。左目は特に酷い有様で。
血を拭い傷口を水で洗い流す。]

ごめんね、痛いだろうけど、我慢して…

(16) 2008/08/10(Sun) 01:47:43

娼婦 イレーネ、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 01:50:06

工房徒弟 ユリアン

が、は…!
…ゲイ、ト…。

[傍らの気配に左眼だけで視線をやり、赤き世界での名を紡ぐ。
身体が毒が回るような倦怠感で支配され、その声も熱に魘されるようなものになる。
傷口を水で現れると、走る痛みに表情を歪めた]

…っ!

[悲鳴は上がらず、食い縛るような呻きが漏れた。
右眼は銀の効果により既にその機能を失い、ただ抉れた傷跡だけを残している]

(17) 2008/08/10(Sun) 01:54:30

娼婦 イレーネ、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 01:57:14

少年 ティル、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 02:02:12

娼婦 イレーネ

[まずは傷口の消毒、オトフリートの診療所から持ってきた薬を塗りこむが、銀の毒を癒す術はそこにはない。
すぐに、持ってきた荷物の中から古い小箱を取り出し、中から幾つかの薬を出した。]

効き目があるかどうか分からないけど…銀の毒を緩和させるもの、って。

[代々伝えられていたものの中には、万一主が傷ついた時の為のものもあった。それをユリアンの口元へと運ぶ。
右目に走る傷痕には、顔をゆがめた。]

(18) 2008/08/10(Sun) 02:04:42

音楽家 エーリッヒ

……さて、と。
これ以上、ここにいても、始まらん、か。

[小さく呟いて、ユーディットの亡骸を抱き上げつつ立ち上がる]

……俺は、自衛団の詰め所へ行って、今の事を話して来る。
それから、家に戻るけど……。

ティル、それから、ハインリヒさんも。
ここに泊まるのが不安なら、家に来てくれて構わないから。
……どうせ、部屋は余ってるし、ね。

[口調だけは軽く言って、宿を出る。
緑の瞳は静かで、そこにある感情は*読み取れずに*]

(19) 2008/08/10(Sun) 02:09:09

小説家 ブリジット

終わりは来たるか。望むべき終わりは。
望むべきでない終わりとは。
星の落下と同意に過ぎないのだよ。

[口調は話しかけるように言いながら、ユーディットの傍へと歩み寄り。たおれたその身体を見下ろして]

赤く。赤きモザイクは……もう。
欠片は連続となり。連続は集合となり。
集合とは何の集合か。
連続の集合だ。欠片の集合だ。

欠片は……
欠片は、纏まりによって腐食させん。

[呟く。声と表情は朦朧と]

(20) 2008/08/10(Sun) 02:09:29

小説家 ブリジット

終わりは集合を連続にせしか。
連続を欠片にせしか。
欠片を霧散させたるか。

そのどれでもないのなら。
そのどれかでもないのならば。

[エーリッヒによってユーディットが抱き上げられるのをただ見遣り。去っていく姿を眺め]

……恐ろしい事だ。

(21) 2008/08/10(Sun) 02:10:38

音楽家 エーリッヒ、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 02:12:45

工房徒弟 ユリアン

[促されるままに薬を口に含み、飲み下す。
傷の手当てもあって、少しだけ落ち着きを取り戻した]

……エーリッヒが護る者だったとは。
忠告は、これを指していたのだな。

[先に倒れた同胞からの忠告。
それがあったにも関わらず、狂気に任せて襲い掛かってしまった。
そんな己に舌打ちし、一息つけるように大きく息を吐いた]

だが次はそうは行かない。
俺の全力を以って、あやつを喰らってやる…!

[再び擡げる憎悪。
正体が割れた今、傷を癒す時間は無いに等しい。
己に対抗する術を持つ者。
それを排さねば己が望みは叶わない]

[薬により銀が緩和され、身体が動くようになると、短い間でもしっかりと休むために、自室へと戻り。
しばしの休息を取ること*だろう*]

(22) 2008/08/10(Sun) 02:17:04

小説家 ブリジット

[言葉と共に片耳を押さえ――口元に僅かな笑みを浮かべる。一瞬だけ。瞳は笑ってはいなかったが]

それでは、聞こえてしまう。

それでは、
何も、
聞こえない。

[途切れ途切れに紡いでから、残骸があった場所を少し離れ。隅の方の席に就き、テーブル上にノートを開く。それからペンを取り出すでもなく、何も書かれていない頁を*見つめていた*]

(23) 2008/08/10(Sun) 02:21:14

小説家 ブリジット、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 02:21:57

工房徒弟 ユリアン、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 02:25:34

娼婦 イレーネ

[ユリアンの傍らにただ佇む。これ以上傷を癒す術はもたず、出来る事は共に居る事だけだった。]

ひどいよ…酷い…
ひどいよ………

エウリノは何もしてなかったのに、ロスト様だって…。
たくさんたくさん、我慢してたのに…。

[二人が己の血に抗っていたのは、自分が一番良く知っている。そしてこの事が起こるまで、村人に手を出さなかった事も知った。

だから、村人の仕打ちが許せなかった。
たとえもう、沢山の血をながしてしまったとしても。]

勝手に囲って、追い立てて、追い詰められて牙を剥くのも駄目なの…?

…酷い、よ。

[涙は止まらなかった。]

(24) 2008/08/10(Sun) 02:32:18

娼婦 イレーネ

[それでも、主は敵を打つという。
それは獣の本能が為せる業か。]

…全ては主の御心のままに…。

[泣きながら、僕は静かに傍らに*拝した。*]

(25) 2008/08/10(Sun) 02:32:33

詩人 ハインリヒ

─回想

突如目の前で始まったやり取りについていけずオロオロとしていただけの自分。
恐らくはユーディットがイレーネをハメようとしているのは判ったのだが。
その餌に使った存在がユリアン。
頭のどこかで警鐘が鳴る。

ユーディットがイレーネに使ったブラフの前提が。
アーベルが自分を『視て』人と認定した事。
そのブラフを前提に道を辿った結果として現れたのが「ユリアンが人狼」という架空の餌。

だが。

(26) 2008/08/10(Sun) 12:42:43

詩人 ハインリヒ

事実として自分は人間なのだ。
そこは動かない。
ならば、そうであるならば。

次の可能性。
イレーネがユーディットの言うとおり、偽であるとして。彼女はティルを視たと言った。ノーラを視たと言った。エーリッヒを視たと言った。
ティルは…あの様子からして恐らく人であろう。喰われたノーラは当然人だ。エーリッヒはどうか?ここはまだ判らない。判らないが。もしエーリッヒが狼ならばここでのユーディットの行動に対して抑止が無いのは何故か。もしエーリッヒが人ならば、彼女は偽でありながら未だ嘘をつかず村に「見分ける者」が二人居たのと全く同じ状態だったのだとしたら。

(27) 2008/08/10(Sun) 12:50:35

娼婦 イレーネ

[僕は主の傍らに、静かに拝して目覚めを待つ。

次に目が覚めたときに、何がどう変わっていくのか。
内に渦巻くものは、大切な主を失ってしまうかもしれない事への恐怖しかない。]

我等は、盾であり、欺き、殺し、生かすもの…。

[ぽつりと口に呟くのは、口伝の一説。
だが盾になりきれなかった。

脈々と受け継がれてきた一族の血は、主を傷つけさせてしまった自分を激しく攻め立てる。]

(28) 2008/08/10(Sun) 12:53:26

詩人 ハインリヒ

ユリアンから告げられた事象。
イレーネが襲われかけた。喰われたのは同じ娼館に居た別の娼婦。イレーネと間違われて襲われた…という。それに対してエーリッヒが突きつけた疑問。
まさしくそれが、人狼がイレーネを疑惑から外す為の準備だったとしたら…。

逆の可能性も勿論ある。
ユーディットが人狼の可能性。
ただ、その場合、今の自分の頭の中で鳴っている警鐘は元より的外れなのだから、それについては問題無い。少なくとも、自分の予想している最悪のシナリオとは違う方向なのだから。

─最悪のシナリオ。

─今、ユーディットが押さえつけたのは。
─餌として罠に使っているつもりの其れは。
─ユリアンこそが正しく人狼なのでは無いか。

凄まじい勢いで頭の中を巡った思考が不意に途切れた。目の前で起こった事柄が引き金として。

飛び交う怒声。鈍い光を放って円を描く刃。
その円を縁取る色は。ああ、あれは血の色だ。

(29) 2008/08/10(Sun) 12:57:54

詩人 ハインリヒ

横たわり動かなくなったユーディット。
ティルに襲いかかるユリアンだったモノ。
エーリッヒとユリアンの刹那の対峙。

その全てが自分の座っている席からは魚眼レンズで覗いたドアの向こうの景色のように遠のいていて。

─動く事が出来なかった。
─そうだ、これは御伽話の世界なのだから。
─自分は。ただの人である自分は。
─そこでは傍観者にしかなれないのだから。

─母親の顔が浮かんだ。背で泣くティルの温もりを思い出した。何時だったか、もう随分昔の事のように思える、窓から毀れる月明かりに映ったイレーネの透明な笑みを思い出した。小生意気な口ばかり叩くミリィを思い出した。母を何度も往診してくれたオトフリートを思い出した。村の中で、触れてきた人々の顔が、言葉がフラッシュバックのようにグルグルと回る。

(30) 2008/08/10(Sun) 13:04:19

詩人 ハインリヒ

ユーディットが言っていた。

─じゃあ、また今度。
─ティルも一緒に、是非来てください。
─……ちゃんと食べないと元気も出ませんよ?

ああ、そういえば。そんな約束もしたっけか。

─そう。だからこれは。
─御伽噺なんかじゃけして無いのだ。

(31) 2008/08/10(Sun) 13:07:12

詩人 ハインリヒ

一連の騒ぎが終わった後も。
椅子に座ったまま動けないでいた。

自警団達が慌しく来て、慌しく去って行った後。
彼はエーリッヒ宅の書斎にふらふらとたどり着き。
固くドアを閉じて、人狼に関する書物を山と積み上げて読み漁り始めた。

─この世界で、自分が立つ位置を決める為に。
─そのために必要な、自分に足りないものを補う為に。

(32) 2008/08/10(Sun) 13:10:19

詩人 ハインリヒ、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 13:11:36

詩人 ハインリヒ、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 13:37:10

工房徒弟 ユリアン、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 13:55:56

詩人 ハインリヒ、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 13:58:26

工房徒弟 ユリアン、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 13:59:49

詩人 ハインリヒ、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 14:01:30

工房徒弟 ユリアン

[自室のベッドでふと瞳を開ける]

……足りぬ。
傷を癒すには、血が、肉が、まだまだ足りぬ…!

[ゆらりと上体を起こし、ベッドから降りる。
傍らに控えていたイレーネを見ることなく部屋を出、とある部屋へと入り込む]

………ちっ、時間が経ちすぎたか。
本当に、最期まで役に立たぬ奴だ。

[入った部屋のベッドの傍、そこにしゃがみ込み舌打ちする。
立ち上がると何かを踏み躙ってから、その部屋を後にした。
部屋は床が赤黒く染まっており、ベッドの脇には乾いた紅を身に纏う男性の姿。
それは既に事切れた技師だったもの]

(33) 2008/08/10(Sun) 14:12:31

工房徒弟 ユリアン

[イレーネの制止も聞かぬまま、工房から外へ出る。
走りながら感覚を研ぎ澄まし、人の集まる場所を探る。
気配を感じた一つの家。
そこは昨日己の邪魔をした忌まわしき人物が住まう場所。
複数の気配を感じると、その一つ、ただ一人である気配がある部屋の窓を見定め。
そこに居るのは家主ではないと察知し、にぃ、と口端を持ち上げると、大きく跳躍し、窓ぶち破った]

(34) 2008/08/10(Sun) 14:12:37

詩人 ハインリヒ

[恐らくは書斎にあった人狼関連の全ての書物を読み終えてパタリと本を閉じた、まさにその瞬間だった。突如窓が大きく音を立てて割れ。飛び散った破片と共に部屋に現れたのは・・・]

よぉ。

[口から毀れたのはいつもとかわらぬ挨拶で]

こっちに来たのかよ。ユリアン。
いや、人狼さんよ。

(35) 2008/08/10(Sun) 14:15:43

娼婦 イレーネ

っ、ユリアン!

[主の急な動きに静止が間に合わず。
慌てて後を追ったが、無論狼の後についていくのは難しかった。
それでも行き先は容易に知れて。
もう殆ど人の居ない村を走り出す。
途中で自衛団に見つかりそうになり、かわしながら走ればたどり着くのは随分遅れた。

中には複数人がいる。すぐに中には入れない。
そっと、外から様子を伺う。]

(36) 2008/08/10(Sun) 14:18:03

音楽家 エーリッヒ、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 14:18:49

娼婦 イレーネ、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 14:19:32

工房徒弟 ユリアン

[飛び込んで着地した低い態勢のまま、首を擡げて隻眼を投げかける]

…ああ、おっさんか。
筋張ってそうだがまぁいい。

──……お前の血、肉……俺に寄越せぇ!

[しゃがんだ態勢から鋭角に、床を蹴り出し真っ直ぐハインリヒへと飛び、異形と化した右腕を突き出す]

(37) 2008/08/10(Sun) 14:19:38

工房徒弟 ユリアン、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 14:21:09

詩人 ハインリヒ

[飛びかかってはこられたが。不意をつかれたわけでは無く。手近にあった本を一冊引っ張りだして自分と異形の腕の間へとかざす]

…へへっ。そうガツガツすんなって。
仰せのとおり、年寄りなんでな。
肉も筋張って美味くもねえが。
喰ったら腹にもたれんぜ?

[覚悟を決めたのか、それとも恐怖が一回りしてしまったのか。口から出るのはいつも以上の軽口で]

(38) 2008/08/10(Sun) 14:28:01

工房徒弟 ユリアン

[翳される本を気にも留めず、そのまま爪を突き出し]

もたれようが何しようが、今は傷を癒すための血肉が要る。
一人で居た不幸を呪うが良い!

[軽口には付き合っていられないと言わんばかりに、左腕も異形へと変え、横方向から切り付けた]

(39) 2008/08/10(Sun) 14:33:12

娼婦 イレーネ

[中はユリアンと、そしてハインリヒしか居ない。
少し離れた所に人の気配があるが、おそらくこの館の主だろうか。
こちらに来られるとまずい。
壊された窓枠から、中に入ろうとして壊れたガラスで手が傷ついた。]

ユリアン…!

[気を逸らしてしまうかもしれなかったが、名を呼ばずにいられなかった。
表情は青い。今にも泣きそうな顔で。]

(40) 2008/08/10(Sun) 14:36:31

詩人 ハインリヒ

[両方向からの攻撃には、元々武術や護身術など知りもしない素人ゆえに、あっさりと胸元を横になぎ払われて、勢いよく後ろへと転倒する]

…は、っはは。っくそ。いってぇ…。
…いってぇじゃねえかこの野郎!

[せめてもの反撃と手に掴んだままの本をユリアンに向かって投げるが、それも力の無い放物線を描くのみ。書物で知った狼を撃退する為の銀の武器もあるわけもなく。この状況で自分が生き延びる術は、騒いで時間稼ぎをして誰かが来るのを待つしか無く]

(41) 2008/08/10(Sun) 14:38:48

詩人 ハインリヒ、工房徒弟 ユリアンに話の続きを促した。

2008/08/10(Sun) 14:43:02

工房徒弟 ユリアン

力無きヒトが俺に敵うと思うてか?

[あっさりと吹き飛ぶハインリヒを見下し、口端を吊り上げる。
爪についた紅を舐め、飛んでくる本を首だけで躱しながらゆっくりとハインリヒへと近付いた]

…諦めて、俺の血肉となれ!

[ざくり、と骨の少ない腹部を狙い、薙ぎ払う。
内臓を引きずり出そうと爪を宛がった時、何かに反応して視線を上げた]

……ちっ、流石に気付いたか。

[こちらに近付いてくる足音。
これだけ派手な音を出していれば、見つからないはずもなく]

(42) 2008/08/10(Sun) 14:52:00

工房徒弟 ユリアン

ここで捕まるは得策じゃない。
命拾いしたな、おっさん。
……いや、その傷じゃ長くも無いか?

[くく、と低い笑いを漏らす。
立ち去ろうと振り返れば、そこにはイレーネの姿]

…行くぞ。

[静かに告げて、窓から飛び出す。
イレーネを抱え上げると、纏う紅もそのままに、再び工房へと*駆けて行った*]

(43) 2008/08/10(Sun) 14:52:05

少年 ティル、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 14:52:51

工房徒弟 ユリアン、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 14:53:02

娼婦 イレーネ

[気配は近づいてくる。その事に恐れを抱く。
守護者は危険だと、それは散々口伝で伝えられてきた故に。
それに主が気づいて手を止めてくれた事に、心底ほっとした。昨日のように、狂乱に身を任せるようなことが無くてよかったと。

ユリアンに抱えられる際に、傷つき倒れるハインリヒをちらと見た。
嫌いな人ではなかった。優しくしてくれた客だった。
だが敬愛する主らに比べれば――塵に等しい。

人を恨むような、主の餌とならなかった事を嘆くような、そんな視線がほんの僅かの間だけ向けられたが。
ユリアンに抱えられて工房へと連れられて行く。

手には微かに傷ついた赤をつけたまま。
これなら食べてもらえるだろうか、そんな事を*考えながら。*]

(44) 2008/08/10(Sun) 15:03:08

音楽家 エーリッヒ、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 15:03:23

詩人 ハインリヒ

[意識が何度も遠のきかけるが、胸元と腹部に走る鈍い痛みがそれをなんとか食い止める]

…はは。助かったのかね。こりゃ。
あの野郎…中途半端にしやがってよ…。
年寄りの肉が食いたくねえなら、最初から素直にそう言えってんだよなあ…。

[腹部に手を伸ばせば、ぬるりとした感覚と共に生暖かい血が掌に絡み付く。それもすぐに冷めていき。]

ああ、俺、もう死ぬんかな。こ…れは。
やだ…な。死…ぬのは…。

[震える手で胸ポケットから煙草を取り出し、咥えて火をつけようとするが。血で湿った煙草には上手く火がつかず、結局手からこぼれ落ち]

ああ、あれ…だ…な。
お、れ…詩人だもん…な。
こういう時、時こそ…なんか…詩を…。

[閉じかけた目の映るのは窓の外に広がる切り取られたような空の色]

あぁ…ほら…ミリィ。今ならお前がい、言ってた事判る気がす、する。

(45) 2008/08/10(Sun) 15:03:55

詩人 ハインリヒ

[この空を母親に伝えよう。そのための言葉を紡いでいこう、そう決めてはみたものの]

あ…は。やっぱり…なんにも、お、おもいつかねえや。やっぱ…駄目だねぇ…お、俺は。

[その言葉を吐いた後、意識が*途切れた*]

(46) 2008/08/10(Sun) 15:04:12

詩人 ハインリヒ、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 15:05:18

音楽家 エーリッヒ

─昨日/自衛団詰め所─

[自衛団の詰め所を訪れ、宿であった事を話す。自衛団員たちはいきり立ち、討伐隊を派遣しようとするが、それは押し止めた]

相手の戦闘力を甘く見るな。
それより、あんた達は他の連中が巻き込まれないように、しっかり守れ。

[では、人狼はどうするのか、という問い。
それに対し、浮かんだのは静かな笑み]

異端を制すは異端が役目。
古よりの盟約に基づき、守護者の……メルクーアの血を継ぐ者が、対する。

……心配するな。最悪でも、相打ちには持ち込んでやるさ。

(47) 2008/08/10(Sun) 15:12:35

音楽家 エーリッヒ

[静かな言葉に、自衛団員がどんな反応をするかは確かめもせず。
ユーディットの亡骸を預けてそこを離れた。

次に足を向けたのは、共同墓地。
両親の墓の前でしばし祈りを捧げてから、自宅へ。

帰って間もなく訪ねてきたハインリヒの求めに応じて書斎へ案内した後は、自室に戻った。
目に入るのは、完成間際の曲。
しばしの逡巡の後、鍵盤の蓋を開いて、ゆっくりと、ゆっくりと旋律を辿った]

Eine leere Entfernung.
Ich baue einen Regenbogen.

[零れたのは小さな呟き。そのまましばし、現実を忘れるかのように音を紡ぐ事に専念した]

(48) 2008/08/10(Sun) 15:20:14

音楽家 エーリッヒ

[そんなこんなで、眠りに就いたのは明け方近く。
『力』を用いた疲れもあってか眠りは深く──それ故にか、気づくのは、遅れた]

……っ!?

[窓が破られる音。叫び声。書斎から聞こえる、尋常ならざる気配。それらを感じた感覚が目覚める]

まさか……ち、いい根性してやがるっ!

[苛立たしげにはき捨て、書斎へと走る。
扉を開け、目に入ったのは──紅]

……っ!
ハインリヒさんっ!

(49) 2008/08/10(Sun) 15:23:27

音楽家 エーリッヒ

[窓の向こうに、駆けて行く気配は感じていたが、今は追うよりもする事がある、と倒れた傍らに屈みこむ。
自身の持つ知識だけでどれだけの事ができるかはわからなかった。
一応、護り手の勤めの一環として、簡単な知識は身に着けてはいたけれど]

……ちっ……。
上等だよ……!

[苛立ちを込めて吐き捨てつつ、ともあれ今は応急処置に専念する。
救えるかはわからない、けれど。*何もせずにはいたくなくて*]

(50) 2008/08/10(Sun) 15:28:53

音楽家 エーリッヒ、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 15:33:44

少年 ティル

─回想─
[目の前の光景に圧倒されて。足がすくんだまま何もできなかった。
異形の姿を晒し、逃げていくユリアン。いつの間にか消えたイレーネ。

そして、朱く染まったユーディットと、抱きかかえるエーリッヒの姿。

家にくるか?というエーリッヒの問いには、目を伏せて]

うん。あとでお邪魔するよ。兄ちゃんは先に帰ってて。

[そう伝え、宿屋に残った]

(51) 2008/08/10(Sun) 16:22:54

少年 ティル

[ちょこんと椅子に座り、ぼおうっと店内の様子を眺めている。視線の片隅には、テーブルでノートを眺めているブリジットの姿が映っている]

…ユリアン兄ちゃんも…狼だったんだ…先生だけじゃなく…

[小さく呟いて、うつむいた。ぼおっと、以前工房で何度か会ったときの事を思い出して。
その幻影を振り払うように、首を横に振る]

でも…ユーディ姉ちゃん…殺したのも…兄ちゃん…

[少し首を起こせば、床に残る血の痕。目をそむければ、カウンターが目に入る。
よく食事を食べに来ていたこの宿屋にも、誰の姿もない]

女将さんも…ノーラ姉ちゃんも…アーベル兄ちゃんも…狼に殺されちゃった…

(52) 2008/08/10(Sun) 16:23:10

少年 ティル

[再び視線を動かす。目に入ったのは、2階へとあがる階段。
さっきまで2階の部屋で、イレーネと話していた会話を思い出す]

『終わらせないと』

[イレーネと共に語った言葉。
終わらせるということは、狼を──ユリアンを殺すこと。
その考えに思い至れば、目を伏せるが]

でも、終わらせないと。

[小さく呟いて、顔を上げる]

(53) 2008/08/10(Sun) 16:23:30

少年 ティル

[意を決して、エーリッヒの家に向かう事にした。

ハインリヒに起きた惨劇は*まだ知らない*]

(54) 2008/08/10(Sun) 16:23:45

少年 ティル、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 16:28:36

音楽家 エーリッヒ、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 19:55:11

工房徒弟 ユリアン、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 19:55:54

工房徒弟 ユリアン、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 19:56:41

音楽家 エーリッヒ、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 19:59:32

工房徒弟 ユリアン、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 20:04:15

音楽家 エーリッヒ、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 20:07:32

工房徒弟 ユリアン、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 20:08:45

工房徒弟 ユリアン、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 20:09:13

音楽家 エーリッヒ

[騒動が一段落した後、自室に戻り。
テーブルの上の譜面を手に取った。
幾度も書き直されたその束の、一番上には綺麗に清書された一組。
鍵盤の蓋を開き、譜面台にそれを置いて。
音を確かめるように、旋律を紡ぐ。

無限の蒼穹、そこに架かる虹の橋。
それに託す先への想い。

そんなイメージを乗せた、曲]

ん。
これが出来ただけでも、満足するべき……か。

[一通り、弾き終えて。零れるのは小さな呟き。
鍵盤の蓋を元通り閉め。銀の短剣を手に、家を出る。
左の袖口からは、既に包帯は覗いてはいなかった]

(55) 2008/08/10(Sun) 20:17:43

音楽家 エーリッヒ、歩みが向かうのは、村外れの丘の方角。

2008/08/10(Sun) 20:18:34

音楽家 エーリッヒ

─村外れの丘─

[人気のない村を通り抜け、丘へとたどり着く。
何故、ここにやって来たのかは、自分でも定かではないけれど。

ここならば、他者に被害も及ばないのではないか、と。
そんな考えもあったやも知れず]

……やれ、やれ。
なんにもない、はずの俺が。
なんで周りを気遣うんだか……。

[零れ落ちたのは、自嘲の呟き]

(56) 2008/08/10(Sun) 20:20:22

音楽家 エーリッヒ、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 20:22:20

娼婦 イレーネ、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 20:23:36

工房徒弟 ユリアン、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 20:26:55

少年 ティル、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 20:28:33

音楽家 エーリッヒ、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 20:30:13

娼婦 イレーネ、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 20:32:53

工房徒弟 ユリアン

[工房の風呂場で、喰らい損ね乾き切った紅を洗い流す。
甘いその雫も、乾いてしまえば食指が動かず。
半端に終わった襲撃に衝動が燻ったままとなる]

…喰らってやる…。
俺の邪魔をする、あの忌まわしき守護者め。
貴様の血肉で、この渇きを潤してやる…!

[ぎり、と握られる拳。
その身体は度重なる転変と喰らうことの出来ぬ消耗により、人型でありながら鋭き爪を宿していた。
薬を飲んだとは言え、身体には銀の毒も未だ残っている。
時間が、無い]

(57) 2008/08/10(Sun) 20:35:12

少年 ティル、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 20:37:44

工房徒弟 ユリアン

[残された鳶色の左眼が紅く染まる。
それは力の顕現を意味し、身体の各機能は人狼のそれとなる。
研ぎ澄まされた聴覚と嗅覚は、忌むべき相手の気配を捉え。
工房を出ると真っ直ぐとその場所へと向かった]

[そこは、己も好んで通っていた、あの村はずれの丘──]

(58) 2008/08/10(Sun) 20:40:43

工房徒弟 ユリアン、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 20:41:34

娼婦 イレーネ

[入り口の方で下ろされ、奥に行くユリアンをそこで待った。

主が弱ってきているのは分かっていた。
だがこの身を差し出すことは出来なかった。

主がそれを、拒絶していたからだ。

一族の血が、叫ぶ。主のための生贄となれと。
それは自分の悲願でもあった。
だけれども。
もう、出来なかった。

主が真っ直ぐ向かう先に、自分も少し離れて付き従う。
願わくば、せめてあの約束だけは守ろうと。それだけを胸に誓って。

主の気配をたどり、着いた先は見慣れた丘。]

(59) 2008/08/10(Sun) 20:44:18

音楽家 エーリッヒ

[丘の上の木に寄りかかり、物思いに耽る。
幼い頃、幼馴染たちと遊んだ場所。
しかし、その幼馴染も一人はおらず、一人とは距離を隔て。
今は、一人、そこに佇んでいた。

一人でいるという事、それ自体は自ら望んだ結果ではあるのだけれど]

……ん。

[不意に、左腕に走る、疼き。
伏せられていた緑が開き、やって来た者へと向けられる]

……や、どーも。

[投げた言葉、それ自体は常と変わらぬ物]

(60) 2008/08/10(Sun) 20:47:19

少年 ティル

─エーリッヒ宅・客間─

おっちゃん…
[ユリアンの襲撃を受け重傷のハインリヒの前で、しばらく呆然としていた。エーリッヒの治療の甲斐もあったか、息はしている。生きている。

ほっと息をついて、首をあげれば、窓の外が見えた。そこには見慣れた人影が]

エーリッヒ兄ちゃん…?
……っ!

[何かに気がついたように、バネのように飛び上がった。そのままこっそりついていく。
程なく歩けば、丘にたどり着いた]

(61) 2008/08/10(Sun) 20:50:23

工房徒弟 ユリアン

……随分と、暢気に居たものだな。

[返す口調は人狼の時のそれだが、浮かぶ表情はいつもの無表情で。
今までとの違いと言えば、欠けてしまった右眼と、残された左眼に宿る、紅き色]

(62) 2008/08/10(Sun) 20:51:41

音楽家 エーリッヒ

慌てて騒ぎ立てても、疲れるだけだろ。
……己が成すべき事、それが見えるんだから。

[さらり、と返す。
緑の瞳は静かなまま、紅を見据えて]

にしても、まあ。
村から逃げた先で人狼に出くわして。
その後戻ってきたらまた出くわして。

……とことん、呪われてるもんだ、家の血筋ってヤツは。

(63) 2008/08/10(Sun) 20:56:01

娼婦 イレーネ

[丘の上には守護者の姿があった。
真っ直ぐそちらに向かう、主からは少し離れた。
邪魔になるのは分かっていたから。

ある程度離れた所に静かに立ち二人を見ていた。
微か顔色は青かったが、表情は無かった。]

(64) 2008/08/10(Sun) 21:03:52

工房徒弟 ユリアン

成すべき事、か。

[それだけ繰り返し、一度隻眼を閉じる]

へぇ、俺以外の人狼にも遭遇してたのか。
道理で騒ぎが起きても慌てる様子が無いと思った。

…俺が成すべき事とお前が成すべき事。
その内容は正反対のものだが、どちらも譲れない。

そうだろ?
我らに仇成す忌まわしき守護者!

[閉じた瞼が叫びと共に見開かれる。
そこにあったのは先程よりも紅い光を宿した瞳。
ざわりと、ユリアンの髪が逆立つかのように膨らんだ]

(65) 2008/08/10(Sun) 21:09:38

少年 ティル

[丘にたどり着けば、エーリッヒと、異形と化したユリアンの姿。
下手に見つかっては、逆にエーリッヒの足手まといになるかもしれない。そう考えて、慎重に姿を隠して様子を見守る。

丘全体を見渡せば、もう一人、人の姿が見える]

…イレーネ姉ちゃん…
[ゆっくりと、イレーネの方に向かい移動する]

(66) 2008/08/10(Sun) 21:15:44

少年 ティル、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 21:17:51

音楽家 エーリッヒ

ま、そうとも言う。
それ以前に、親父殿から護り手の血脈として、色々と叩き込まれていたのもあるが、な。

[軽く肩を竦めつつ、言って。
ゆっくりと、木の幹から身体を離す]

確かに、完全に相反するな。
……俺は、知り合いが無駄に死ぬのは好まん。
それが、人の手によるものだろうと、異端の手によるものだろうと。

守護者の役割とか、そんなもんは、ついでに過ぎんが……。

[す、と懐に入る手。抜かれたそこには、柄に紅を燃え立たせる、銀の短剣が握られて]

使える力は、使う。それが呪いだろうと、異端の証だろうと。

(67) 2008/08/10(Sun) 21:18:18

娼婦 イレーネ

[主ら二人の方を向いていたが、暫くの間何も始まらないことに微か安堵し、そして酷く緊張していた。
表の名を呼ばれたのはそんな時で。
ぴくりと、そちらの方をゆっくりと向く。]

ティル。

[少年に向けた表情は――透明な微笑み。
娼婦として、狂える者として、内の全てを覆い隠す為に身に付けた穏やかな笑みを向けた。その場からは動けなかったが。]

(68) 2008/08/10(Sun) 21:22:56

娼婦 イレーネ、メモを貼った。

2008/08/10(Sun) 21:23:43

工房徒弟 ユリアン

[左手を顔に影を作るように翳す。
開かれた指の間からは紅き光が覗いている]

知り合いなぞ、知るものか。
お前らは、俺の居場所を奪おうとした。
この村で、何もしていない俺達の居場所を奪おうとした!
異形であるからと、ただそれだけの理由で!

ここが封鎖される前、この村で原因不明の死体が転がったか!?
異形の爪痕が残されたりしたか!?

…俺はただ、静かにこの村で過ごして居たかった。
オパールの加工を学び、それを生業として過ごして居たかった。
それを壊したのは、お前ら人間だ!

(69) 2008/08/10(Sun) 21:40:46

工房徒弟 ユリアン

[左手に隠れる紺色の髪が、端から白銀へと変わっていく。
口元は尖り、瞳は吊り上がり。
ぱさりと落ちたバンダナの下からは獣の耳が顔を覗かせた]

だから。
俺は貴様らを喰らう。
安寧を奪った貴様らに、全てに対し、復讐してやる…!

[白銀は髪に留まらず、顔や腕、ついには全身を覆い。
翳していた左手を外すと、そこに居たのは白銀の半人半獣の姿]

(70) 2008/08/10(Sun) 21:40:59

工房徒弟 ユリアン



   ── コ ・ ロ ・ シ ・ テ ・ ヤ ・ ル ──
 
 

(71) 2008/08/10(Sun) 21:41:21

工房徒弟 ユリアン

[鋭い咆哮。
それは既に声とはならず、同胞にしか聞こえぬ叫びとなった]

(72) 2008/08/10(Sun) 21:41:27

少年 ティル

[自分の名前を呼ぶ声に、そちらを向いて、軽く手を上げて挨拶をする。

近づいて見えたイレーネの様子は、表情も、声も、いつもと変わらない穏やかさ。
けれど、何か不安がよぎる……イレーネが狂える人とは知らないが、ユリアンとは仲がよかったと知っていたから。

できるだけ、普段と変わらない表情を作り、近づいていく。わずかながら、緊張していた面持ちが現れていたかもしれない]

(73) 2008/08/10(Sun) 21:41:42

少年 ティル、聞こえてきた鋭い咆哮に、そちらを向いた。

2008/08/10(Sun) 21:43:29

娼婦 イレーネ

[咆哮を聞き目を閉じる。どこか別な世界を感じ取るように。
目の前の出来事から意識を離す事はしなかったが、傍に近づいてきたティルには少しだけ気を向けた。]

こんばんは。
危ないのに、こんな所まで来て。

[語る言葉は穏やかで。いつものそれと変わりが無い。]

ティルは私が怖くないの?
私はユリアンに、人狼様に仕える僕なのに。

[緊張しながらも近づく意識に、そう問いかける。]

(74) 2008/08/10(Sun) 21:50:41

音楽家 エーリッヒ

[述べられる言葉。
それを、緑の瞳は静かに、受け止めて]

……それが、どうしたって?
だから、自分は悪くない、正しいと。
そう、言いたい訳か? ……は。

[口元、掠める笑みはどこか冷たく]

馬鹿ばかしい。
いくら理屈をごねても、正義なんてもんはどこにもない。
お前たちにも、俺たちにも。

死にたくないものは、生きるための術を講じる。
互いにそれをやった結果がこれ……それだけだ。

……俺は。
お前らの、悲劇の主人公ごっこに付き合う気はねぇ!

(75) 2008/08/10(Sun) 21:58:07

音楽家 エーリッヒ

[鋭い、宣言。
直後に翳される、左手の銀の短剣。
瞳に、表情にあるのは、成すべき事を成さんとする覚悟のみ。
情に流される事なく、毅然として。
流血に終わりを告げるために]

Die Flamme, die ich Leben und Feuer hole.
Ich helfe ihm und wohne in mir!

[唱えられる言葉に応じて立ち上る、焔の気。
それを纏い、白銀の姿へと踏み込む。
同時に、その勢いを乗せた突きを繰り出して]

(76) 2008/08/10(Sun) 21:58:13

工房徒弟 ユリアン

[完全なる転変。
それにより理性は吹き飛ぶはずだった。
しかし何故か、目の前の男が言う言葉が耳へと入ってくる]

常ニ 迫害 ヲ 受ケテ キタ 我ラ ノ 気持チ ナゾ 貴様ニハ 判ル マイ!
安寧 ヲ 願ッテモ ソレヲ 許サレヌ 我ラ ノ 気持チ ナゾ!

[僅かに残る理性が、獣の口から言葉を紡ぐ。
突き出された銀を避けようと、体勢を低くし、向かい来る相手の顔目掛け、下から爪を繰り出した。
避けようとした銀はその肩口を切り裂くように掠め、白銀が紅に染まる。
隻眼であるために遠近感が狂った]

(77) 2008/08/10(Sun) 22:12:47

少年 ティル

[咆哮に続いては、エーリッヒの叫ぶ声。
2人の会話は遠くてはっきりとは聞こえないけど。とても悲しい音に聞こえた。
そちらの様子から目はそむけずに、イレーネの声を聞く。

『人狼様』『僕』
その言葉を聴けば、寝物語に聞いた話を思い出す。狼の話にはしばしば現れる、狼に仕える狂い人がいることを]

…そっか…
[大きく息を吐いて、少しだけイレーネの方を向いた。続いてきた問いには]

怖くないかっていわれたら、嘘になるかもしれないけどさ…
[申し訳なさそうに頭をかいて、言葉を続ける]

でも、イレーネ姉ちゃんは、イレーネ姉ちゃんだろ。
あそこにいる狼だって、ユリアン兄ちゃんだし。オト先生だって…
[再び、丘の方を向く]
狂い人だから怖い、とは思わないよ。

(78) 2008/08/10(Sun) 22:21:10

娼婦 イレーネ

[主の声に微か驚く。完全に変転してしまえば理性は消えてしまうとそう教えてくれたのに。
何故喋れるのか――その原因に気づいてギクリと身を強張らせた。

そうだ原因は―――自分だ。
僅か別な所にいる意識に気を向ける。]

(79) 2008/08/10(Sun) 22:22:12

音楽家 エーリッヒ

[ふ、と目の前から姿が消え、手には浅い手応えが伝わる。
避けられた、と認識した直後に、下から繰り出された爪が迫る。
態勢は崩れていたが、軌道の僅かなブレもあってか爪は頬を裂くに留まり。
舌打ちと共に、後ろへと飛びずさる]

……ああ、わからんね。
護る力があるが故に。
誰かが死ぬ度、責められ続け、終いには異端と貶められる。
そんな、俺たち一族の苦労を、お前らが理解できんのと、同じようにな!

[異端なるもの。最初はその意は自身も知らず。
思わぬ形で目の当たりにして以来、決めていた。

何も愛すまい、何も懐に入れまい、と。

情に囚われる事なきように]

(80) 2008/08/10(Sun) 22:22:59

工房徒弟 ユリアン

[切り裂かれた肩口から銀の毒が回る。
くらりと視界が揺れたが、ふるりと頭を振り吹き飛ばす]

何ヲ 言ッテモ 平行線。
ヤハリ 貴様ラトハ 相容レン ナ!

[飛び退る相手を追撃するかのように、低い体勢のまま地を蹴り。
風の如き速さで肉薄す。
懐に飛び込んだと思い、爪を心臓目掛け振り抜く。
その距離は、ほんの少しだけ、足りない]

(81) 2008/08/10(Sun) 22:31:57

娼婦 イレーネ

そう。それは、間違ってないと思うよ。人間なら。

[怖いけど、怖くないと、そう言いながら頭を書き、普段とあまり変わらない表情を見せる少年ティルに微笑む。
向ける笑みは相変わらず透明に澄んだそれだったが。]

…私、ね。
ずっと待ってたの。人狼様を。

父さんは私を慈しんでくれたけど、代わりに母さんからは憎まれた。父さんの愛を独り占めしたからって。
…当然だよね。父さんは血を継ぐ者を求めて、母さんを愛してはいなかった。
でも父さんは私を愛してたわけじゃない。
父さんが心から、愛していたのは人狼様だけ。

[今なら分かる、父もその人生の全てを、まだ見ぬ敬愛する人に捧げたのだ。]

(82) 2008/08/10(Sun) 22:38:55

娼婦 イレーネ

私達の一族は、血を持ってその力を為す。
人狼様の為に、血を、力を、受け継ぐ者を作らなきゃいけない。
だから父さんは母さんを利用した。
そして私が生まれて、10になるまでにその口伝の全てを伝えて死んでいった。

[何故、ティルに自分の全てを語るのかは、分からない。
ただ伝えておきたかった。目の前の主が、相対する人に思いのたけを叫ぶのと同じように。]

後に残った私は、母さんに売られた。
村の人からは疎まれた。

だからずっと、待ってたの。
全てを捧げると、そう伝えられていた人狼様を。

[目の前の人と、そして失った人。
どちらも敬愛した。出会えたことは幸運だった。
でも。]

(83) 2008/08/10(Sun) 22:40:32

娼婦 イレーネ

ねぇ、ティル。
私達は、人と違う人は、幸せにはなれないのかな?
こんなに普通に話せるのに。
みんな、私を憎むの。ユリアンを嫌うの。
狼だから、親が居ないから、娼館に売られたから、ただ普通の人と違うってだけで。

私達は、ただ静かに暮らしてたかっただけなのに…。

[まだ幼い少年に、問いかける言葉ではないかもしれない。
答えは、期待してはいなかった。
それでも、口にした。]

(84) 2008/08/10(Sun) 22:40:54

音楽家 エーリッヒ

[白銀が疾風の如き速度で迫るは、着地の直後。
未だ態勢は不安定であり、距離を更に開ける事も、防御の姿勢を取る事も難しく。

が、予想に反して相手の踏み込みは甘く、爪は左の胸元を浅く切り裂くに留まった]

(……なんだ?)

[その動きに違和感を感じつつ、しかし、距離を詰めているタイミングは逃せない、と。
裂かれた衝撃に引いた足を基点に、身体を屈める]

相容れる要素がどこにあると……。
特に、俺とお前は、完全に反側面だろうがっ!

[言葉と共に、繰り出すのは下段から切り上げる一撃]

(85) 2008/08/10(Sun) 22:43:08

工房徒弟 ユリアン

チィ…!

[腕を振り抜くタイミングは合っていたはず。
それなのに爪は生命の源を抉ることはなく、掠るのみに留まる]

(距離感が、掴めん…!)

[細められる紅き瞳、そこには苛立ちが色濃く現れていた]

…相容レタイトモ 思ウ モノカ!
貴様ラ ハ 我ラガ 餌ニ 過ギン!

[切り上げられる腕を狙い、爪を振り下ろそうとして]

……!!

[ぐらりと視界が揺らいだ。
身体全体に銀の毒が回る。
振り上げた腕はそのまま己の頭を支え、足元はたたらを踏む。
一瞬、白銀の動きが止まった]

(86) 2008/08/10(Sun) 23:00:35

娼婦 イレーネ

―――エウリノ!

[動きを止めた主の名を、叫んだ。
ティルに向けた意識は離れ、主の元へと走り出す。

邪魔になるからと離れていた。
ここから向こうまでの距離が、やけに遠い。]

(87) 2008/08/10(Sun) 23:05:59

少年 ティル

[ただ、静かにイレーネの話を聞く。
それは、自分にとってはわからない話だから。聞くしかできなかったから。

何か言葉を発しようとしたときに、イレーネが目の前から走り出していく]

姉ちゃん!

[とっさに追いかけた]

(88) 2008/08/10(Sun) 23:08:07

少年 ティル

[今まで見てきた、惨劇の痕が頭をよぎる。
血まみれのギュンター。女将と一緒に殺されたノーラ。先生と一緒に死んでいたアーベル。ユリアンに挑み殺されたユーディット。
みんな、大事な人たちだった。

そして次に浮かぶのは。
父親が死んだ時に、ずっと慰めてくれた先生の姿。
工房で必死に石を加工するユリアンの姿]

俺は、姉ちゃんも、ユリアン兄ちゃんも、先生も。
どうしても、嫌いになれないんだから!

[最後に浮かぶは、宿の二階で終わらせようと言って笑ったイレーネの微笑み]

終わらせなきゃ。悲しいことは終わらせて、幸せにならなきゃ!

[何を言っているか、自分でもわからないけど。
叫びながら、イレーネを捕まえようとする]

(89) 2008/08/10(Sun) 23:10:50

音楽家 エーリッヒ

[唐突に、止まる、動き。
その理由は、大体察しがついた。

聖別されし銀の力は狼には毒となる、と。
伝えられてきた伝承によるもの。

ほんの一瞬、誘いかとも思ったが、しかし、つけた刃の勢いは止まらず。
振り切った刃は白銀の胴体を捉え、左の肩へと抜ける紅の一筋を描き出す]

……餌になる気は、ない!
そして、これ以上は誰も喰わせねぇよ!

[言葉と共に、振り切った刃を戻し。
軽く、後ろに引いて、突きの一撃を繰り出す。
勢いをつけた突きとするには、引き戻しの距離はやや、不足しているが、構う事はなく]

(90) 2008/08/10(Sun) 23:14:09

工房徒弟 ユリアン

[視界の揺れを振り切り、意識を目の前の男に戻した時には、銀が己が身体の上を走っていた]

グ、ガアッ…!

[身体を走る鋭い痛み。
切り上げの勢いもあって後ろへと一歩よろめいた。
ここで倒れなかったのは、もはや、執念]

キ サマ ァ!
楽 ニハ 死ナセン ゾ!!

[叫び、突き出される銀に真っ向から立ち向かう。
既に己の死期は悟っていた。
ならばせめてこの男だけでも道連れにしようと、鋭い牙を剥き出しにし。
その顎門を大きく開く。
相手の突き出しと己の踏み込みの勢いで、銀は違うことなく左胸へと突き刺さり。
それと同時に開かれた顎門は男の肩口へと襲い掛かった]

(91) 2008/08/10(Sun) 23:25:42

娼婦 イレーネ

[ティルの声は聞こえない。もう主の姿しか見えていない。
ティルの腕はすり抜けた。敬愛する以上に愛する主の所に真っ直ぐ走る。

意識はすぐ傍にいてくれるのに。
伸ばした手が届かない、前に躍り出る事すら出来ない。
もうすぐ…もうすぐなのに。
だから間近で愛した人が、刺され再び守護者に襲い掛かるその様子がゆっくりと、見れた。
同時に毒が、心臓に深く刺さってゆく様も。]

(92) 2008/08/10(Sun) 23:31:34

音楽家 エーリッヒ

……なにっ!?

[弾かれる可能性も掠めた突きが伝えて来たのは、深く、他者の身体に食い込む手応え。
相手が避けなかったのだ、と。
それに気づくのが、少し、遅れた。

そして、それに思考を奪われた隙をつくよに迫る、顎。
それを避ける暇はなく──]

……ぐっ!

[伝わる衝撃。
次いで、熱さが伝わる]

てめぇ……上等、だっ……!

[激しい痛みを感じつつ、しかし、手の力は抜きはせず。
歯を食いしばりつつ、ぎり、と短剣の刃を回した]

(93) 2008/08/10(Sun) 23:34:11

娼婦 イレーネ

やめて、やめてっ!

[短剣の刃を持ったエーリッヒの腕にしがみ付く。
傷つけられても構わないと、夢中で。]

(94) 2008/08/10(Sun) 23:38:04

工房徒弟 ユリアン

ガアアアアアアアアアアッ!!

[捻られる刃に咆哮とも悲鳴ともつかぬ叫びが上がる。
叫びのために肩口から浮く牙。
全身に回る銀の毒も相まって、顎門は緩み、身体は後ろへと倒れ行く。
最期の足掻きと、横薙ぎに揮われた爪は、果たして相手へと届いたか]

(95) 2008/08/10(Sun) 23:40:17

少年 ティル

姉ちゃん!
[エーリッヒに向かっていくイレーネを捕まえようと走る。
しかし、子供の足では届かなくて]

駄目っ!駄目っ!
[腕を伸ばし、止めようとして]

(96) 2008/08/10(Sun) 23:43:14

音楽家 エーリッヒ

[不意に、腕にかかる、重み。
視線を向けた先の少女に、舌打ち一つ]

……放せっ……。

[痛みを堪えつつの言葉は、咆哮にかき消されるか。
肩が自由になる感触。
動ける。
そう思った瞬間、とっさに縋りつくイレーネを強引に横へと振り払っていた。

それで、動きが止まったが故か。
直後、振るわれる銀の爪は完全に避けきれず、熱さと痛みが腹部を駆ける]

……く……はっ……。

[声は出ず、代わりに零れたのは、真紅。
二、三歩、後ろへとよろめき、その場に膝を突いた]

(97) 2008/08/10(Sun) 23:46:19

工房徒弟 ユリアン

[どう、と仰向けに地へ倒れ。
左胸からは紅き雫が湧き出るように流れ行く]

ゲッ、アッ……ゴ、ホッ…。

[声を出そうにも喉に込み上げてくるもののせいで言葉にはならず。
ただ呻き声が響いた]

(98) 2008/08/10(Sun) 23:51:58

娼婦 イレーネ

ぅ、あっく!!

[遠慮なく思い切り、振り払われ丘に叩きつけられた。
聞こえる咆哮、血の匂い。苦悶の声、そしてティルの声。
それが遠くに聞こえるほどに、表の意識が一瞬霧散した。]

…、ぅ。

ぅ…ん…、―――!!!

[ほんの数秒、消えた意識を取り戻すと、草だらけの体を起こし、倒れた主の傍らへと膝をついた。]

ユリアン、ユリアン!
ぁ、あ、ユリアンっ!!!

[銀の短剣からは血が溢れ出て。この毒を抜かなければいけないのだが、今抜けば確実に今以上の血は溢れるだろう事は理解できて。ただ今は、傷口をストールで押さえるだけ。]

ユリアン、しっかり、しっかりして―!

[呻く主の名を何度も呼びかける。]

(99) 2008/08/10(Sun) 23:56:32

音楽家 エーリッヒ

[響く、声。
それは、いつかも聞いたもの。

その時は、自身のした事への覚悟もなく、押し潰された。
だが、今は。
心揺らされる事もなく、静かにそれを見て、聞いていた]

……ち。
さすがに……効いた……。

[勿論、動けぬ理由には、肩と、腹の傷もあるのだけれど]

(100) 2008/08/11(Mon) 00:01:47

工房徒弟 ユリアン

[白銀の姿はいつしか元の人型へと戻っていき。
瞳を彩っていた紅い光も鳶色へと戻る]

ごほっ…!

っは……、イ、レー……ネ……。

[どうにか発した言葉は、己を上から覗き込み、傷口を押さえる愛しき者の名。
大量の失血と、銀の毒が身体に回ることにより、徐々に視界が霞んでいく。
滲むイレーネの姿。
やはり死ぬのか、と心の中で呟いた。
僅かに残る力を振り絞り、震える右手を持ち上げて、目の前の少女の頬に手を伸ばす]

(101) 2008/08/11(Mon) 00:02:59

少年 ティル

[やっと追いついたけれど、その場は入り込める雰囲気ではなくて。

傷ついたエーリッヒの姿を見て、青ざめる]

エーリッヒ兄ちゃん!大丈夫!
[エーリッヒに向かって駆け寄った]

(102) 2008/08/11(Mon) 00:08:35

娼婦 イレーネ

ユリアン…
いや、いやだ…
せっかく、やっと、会えたのに、

待ってたのに、ずっと、待ってたのに、ロスト様と、エウリノと、
私の、私の愛するご主人様、どうか、どうか、死なないで―――

[涙は溢れ止まらない。
頬に赤いぬめりとした感触を感じ、細い指でそれを包んだ。]

(103) 2008/08/11(Mon) 00:09:24

音楽家 エーリッヒ

[呼びかける、声。
は、と一つ息を吐いてから、そちらを見る]

ティル……?
なんだよ、ついて、来たのか……?

危ないから、ついて来させないように……黙って出てきたのに……。

[まったく、と。
浮かべる笑みは、いつもと変わらず]

大丈夫……って、言っても、説得力は、ない、が。
どうにか、生きちゃ、いる……。

(104) 2008/08/11(Mon) 00:12:12

工房徒弟 ユリアン

[死なないで。
そう懇願してくる少女に対し、弱々しくも優しい笑みを向け。
もはや声の出ぬ震える唇を動かした]

(105) 2008/08/11(Mon) 00:13:25

工房徒弟 ユリアン

[唇の動きが止まると、辛うじて持ち上げていた右手から力が抜け、するりと地面へ落ちた。
イレーネを映していた鳶色の瞳は、もう何も*映していない*]

(106) 2008/08/11(Mon) 00:13:51

工房徒弟 ユリアン、メモを貼った。

2008/08/11(Mon) 00:16:02

娼婦 イレーネ

[聞こえない声は確かに聞こえて。
支えていた手が、ずるりと地面に落ちていく。

もう呼びかけても何の反応もなく。
いくら探しても、あの赤い世界に愛した人の欠片もない。]

あ、あ…

ユリアン、ユリアン、私…

[光の消えた瞳を覗き込んでも、優しい言葉は返ってこない。]


ああああああああああああああああああああ!!!!!!!


[酷い絶叫が唇から漏れた後、少女はかくりと肩を落とし、それっきり、*動かない。*]

(107) 2008/08/11(Mon) 00:22:23

小説家 ブリジット

……ざわめき。
ざわめき、が……

塔が崩れしは怒りによって。
なれば怒りとは何か。
黒き影は怒りであり、怒りとは黒き影でありしか。
ただ、……

[静寂が広がる宿の中、ふと、水滴のように落ちる呟き。視線を落としていたノートの空の頁に指先で触れ、なぞる。ペンを取り出してはおもむろに線を引き始め――少しずつ、細い、だが強い筆跡で文字を書き込んでいく]

(108) 2008/08/11(Mon) 00:23:06

娼婦 イレーネ、メモを貼った。

2008/08/11(Mon) 00:24:09

少年 ティル

うん…ごめん。出かけるの、見えちゃったから…
[そして、いつもと変わらない笑みを見ては、思わずつられて笑顔を向ける]

そ、そうだ。早く誰か呼んでこないと。兄ちゃんの治療しないと。
[そう言って駆け出そうとすれば、聞こえる悲鳴。

何が起きたかを理解して。その場を*離れるだろう*]

(109) 2008/08/11(Mon) 00:24:52

音楽家 エーリッヒ

[人へと転じ、動きを止めた姿。

響く、絶叫。

左腕の熱が、少しずつ、鎮まるのが感じられた]

……ああ。
終わった、な。

[零れ落ちたのは、小さな小さな、*呟きだけ*]

(110) 2008/08/11(Mon) 00:25:06

少年 ティル、メモを貼った。

2008/08/11(Mon) 00:26:17

音楽家 エーリッヒ、メモを貼った。

2008/08/11(Mon) 00:26:39

小説家 ブリジット

[やがて開かれた二頁に渡って書き込まれた文字。端から端まで、殆ど隙間なく密集したそれは遠目に黒く塗り潰されたようにも見え、判読は難しかった。
 最後に。その「文章」に終止符を打とうとしたペン先が、滑る。頁を外れ、テーブル上に抉るような線を引く。
 じわりとペン先から滲んだインクは、黒ずんだ*血のようだった*]

(111) 2008/08/11(Mon) 00:27:19

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イレーネ
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