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[そして、幼馴染が立ち去った後。
会話が平常的であったが故に──消えない違和感から、アトリエを見回し]
……って!
[は、と気づく。
気配が、ない。
自らの生命の一部を込めたそれが]
あいつっ……なんでっ!
[それが消えた理由は一つしか思い至らず。
弟に視線を向けた後、ふわり、外へと出る]
……どっちだ……図書館、か!?
[他に、行きそうな所も思いつかずに、そちらへと意識を向けた]
[向かった先は図書館。
いつも通りの挨拶も忘れて、戸口から中を見渡し。
やはり中には人がいて、驚いたような目で見て来るが、その中に目的の人物がいないと知れば、早足で中を進む。
そうして、書庫の扉を勢いよく開き]
[前方に現れた
海水通路へ入り込む。
泳ぎは得手ではない
体の束縛を離れても、そんな記憶に影響されたか
底をもがき漂って行くような体裁だったけれど。
小魚の群れがぱっと舞い。
緑がかった透き通った青、深い蒼へと、
水の色合いが濃くなっていった]
─図書館前─
[たどり着いた図書館前、目にした光景に、一つ、瞬く。
二人の間のやり取りを知らぬ身には、その意は図り知れず]
っとに……何がなんだか。
[状況は見えていても手を出せない現状が、ほぼ全てとも言える事実を知りつつ、語るを許されぬ自身に容易に重なり。
苛立ちを感じつつ、しばし、その場に留まる。
ちなみに、意識が一方向に囚われていたためか。
長には気づいていない。らしい]
/*
せっかくなので、じじ様をいぢってみよう。
しかしこれ、決着はいつつくんだろうか。か。
あんまり長くはおきてられんのだが。が。
……そういうことか。なるほど、確かにまじぃな。
[事情を把握して、チッと舌打ち。]
てか、俺だってそんな大したもんじゃねぇよ。
……リディの変化にも気づいてやれなかった間抜け野郎、だしな。
[自嘲気味に呟き。だが、気を取り直すと]
……しかしもう一人、か。
確かに連絡はとれねぇとかなると、未だ筆がみつからねぇ道理が通んねぇしな。
となると、限られてくる、か。
[ふむと思考に沈みかけるところでアーベルに問いかけられ]
ん? ……考えね。
…………いや。わりぃ。
[仕事仲間の少女から聞いた話が思い出される]
[この先には何があるんだろう、
どうなっているんだろう、その一心で]
[だけど]
あれ??
[ある地点で
何かに当たった具合に、跳ね返される]
あれ、どうして?
どうしてよ。
[何度もそこへぶつかってみても、それ以上は進めない]
[どうしてどうして。幾度も繰りかえす]
いけないの…? もしかして
ふうじられた、から? 出られない、の?
[倒れ伏す男の姿。
一瞬、己が何をしにきたのかを忘れた]
…っ、
[慌てて傍へ。
程なく、それが絵筆で封じた者と同じ状態であると悟る]
…これは。
どういうこと、だろう。
[絵筆を盗めるとしたら、彼しかいない筈だった。
だかその彼は眠り。
困惑し、眉を寄せる]
ま、初めっから悠長にできるようなものでもなかったけどな
[単にこの中ではその二人が危険になるのが速いというだけ、いずれは]
そうはいってもなぁ。俺は不安になって体調崩したのやら喧嘩したのやらの世話するブリジットの手伝いばっかしてっしなぁ。すっげー裏方だ…仕方ねえけど
……言ってくれないもんはそうそうわかんねーよ。
[自嘲的にいうユリアンには、己への言い訳めいた慰めをぼそりといって]
リディが逃げたときからは誰かに渡すこともどっかに隠すこともできなかったろうし、リディを封じられてから、ミハエルは襲われたんだろ…こっから何かわかるのかわからんのかは考えながらいくか
[そう促しつつ、向かうのは診療所より出てアトリエの方向]
… … …。
じゃぁ、おんなじか。
「あっち」にいたころと。
ちがいは。
じぶんが空へ行く…行けるかもしれない、か、
いつかは、ほかのひとを運ぶ力となる、か。
[現時点での心の力の集積量などは知らない。
満月夜まであとどれほど必要であるかも]
[ぼんやり、上の方へ意識を向ければ、
何かが漂っているのがみえたようだった。
お魚の影かな、と考え、
水の流れへ身を浸す、つもりになってみた。
そうしてみれば、気持ち良かった*]
―自宅―
[それから、オトフリートから預かった布をゆっくり開いた。
鈍く光る、つがいの片割れ。
にこりと、これほど無い笑みを浮かべて、暫くみつめる。]
白練の歌子 エルザは、奏者 ミハエル を能力(襲う)の対象に選びました。
[思考が巡る。
リディが兄の絵を描いて、けれど絵筆は見つからず。
オトフリートが絵筆を持ち出して、けれどこうして封じられて]
じゃあ。
…誰か、別の人が?
[小さく、言葉を洩らし]
/*
容疑者を絞れた上で、推理でも考えでもすればできるだろうけど容疑者町の人全員だとかだとーと色々考えて上手く動けない気がががががが
― 図書館/書庫 ―
[その場から動けずにいた。
ゆえに、ずっと見ていた。
雄弁な口は何も語らず、赤い眼差しは光景を捉える。
――目に映れど、何処まで意識に入っていたかは別の話だが]
[床に散らばった綿毛を取り、布に居れ。
そうっと絵筆を2本、揃えて。]
これで、さみしくないわ?
つがいだもの、ね。
[笑いながら話しかけていたが、はたと思い出し、
鞄からエーリッヒから借りたままのハンカチを取り出して包む。]
これでもっと、寂しくないわ?
[嬉しそうに言うと、鞄へとそっと閉まった。
それから、描き終えた(といっても大した出来では無いのだけれど)絵を見て、首を傾げる。]
これで、良いのかしら?
そっか。…………ありがとな。
[ポツリと呟き]
ん。そだな、行動しねぇとわかるもんもわかんなくなっちまうしな。
[そう言って、アーベルとともにアトリエへ。]
[書庫から出て、館内にいた男性に倒れた司書を頼み。
誰かが彼と接触していなかったか、1人1人に尋ねる。
そうして得たのは]
…エルザ、さんが?
[1人の少女の名前]
まぁな。行動してわかるんなら俺としてはありがてぇ
[そしてブリジットに告げてから診療所を出てユリアンとともに真っ直ぐアトリエまで向かって]
―アトリエ―
[アトリエには見張りなのかなんなのか。そのものに止められ]
ミハエルに会いてえんだけど…あ?オトフリート先生が尋ねてきてその後しばらくしてから出た?どこに向かった?
…なんか変な様子だったって…
[そんなので黙って見送ったのかとばかりに睨みつけるが、そういってもはじまらないと、いった道を聞いて]
図書館…かね。やっぱ
[と言うかそれ以外該当するのが浮かばないが確認するようにいって同意が帰れば今度は図書館へと]
―自宅前―
[自宅の中、奥の扉を開き。
桃色の花の上にそっと、絵を置いた。
小脇に抱えられる程のサイズのキャンパスだが、
何処かに誰にも見られずに運ぶ自身が無かったから。
そうして、鞄に大事に絵筆を入れたまま、家を出る。
鍵もかけずに出るのは何時もの習慣。
誰かが家に入れば、綿毛を敷き詰められた床の向こう、
中庭へと通じる扉を開けば、
くらりとする程の良いとはあまり言えない芳香を放つ桃色の花の中、
まだ染料の乾かないキャンパスが見付かるだろう。
少女は、ゆっくりと自宅を離れて歩く。]
[図書館の前で楽しげに歌う彼女を、何人もが覚えていて。
何かを手渡していたようだ、という者もいて。
疑念は確信に変わる。
少女の自宅の場所を聞き出すと、即座に駆け出した]
[アーベルと連れ立ってアトリエにやってきたわけだが、]
んだよ使えねーな。
[アーベルが目で訴えてることをこっちは口に出して言ってみる。
行った道とアーベルの言葉には]
だな。…………つーことはまさか。
……とりあえず俺らも行くか。
[そう言って、図書館へと歩き出す。]
─図書館前─
[思索を打ち破ったのは、微かな震え。
それは、『絵筆』が使われる時の、特有の震えで]
……俺、どんだけ寿命削られるんだろうか……。
[思わずこんな呟きをもらす]
……じゃなくて。
今度は、誰……が?
[絵筆を持って行った少女。
彼女が誰を描いたのかと。
そう、考えた所に駆けてくる弟。
図書館の中から聞こえる声を聞けば、おおよその状況は掴めて]
……ほんと、何考えてんだ……。
[口をついたのは、呆れたような呟き]
ああ、こんなときだから…なんもなかった。なんてことは多分ねーだろうしな
[もう結果的に見ながらも立ってただけの人は無視して図書館のほうへ向かった。
現在図書館から出て行こうとしているなんて知らない]
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