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失踪。
魔法使い。
イキシア。
花。
祭り。
[一つ一つ言葉を上げて、難しい顔でレナーテが頭をひねらせる]
……なんか、ピースが足りねえな。
全部、見えているはずなのに、見落としているもんがあるような……。
……。
[うなり声を上げながら、考え込んでいたが、やがて、頭をかきむしり]
あー!わかんね!
知らん!捕まえれば分かる!
[投げ出した。
そして、2人の様子を見れば]
あ。そう?ならいいけど。
アタイはそれこそ、メシ食ってるときも、風呂入っているときも、寝てるときも、トイレ行っている時も、いつどんなときに襲い掛かられても対応する余裕はあんだけど、それと同じ境地まで来たのかぁ。すごいな。一足飛びに近寄られたなあ。
[それは皮肉で言っているのではなく、純粋に感心して出てきた言葉である]
そう、上が絡んでいる。
下街とはまた別の、闇深い場所がね。
隠すにしろ匿うにしろ、なんらかの……。
[引かない痛みを無視しすぎたかもしれない]
[言葉を切って目を瞑る]
全てを貴女と同じレベルにしないでくれ。
出来る範囲でやるしかないのは変わりないんだ。
[再び口を開いた時はレナーテへの苦笑と共に]
[そして、レナーテにより並べ立てられる単語と唸り声。
エリザベートも考え込む風でいたが、
不意に頭を掻き毟り出したさまに苦笑した]
……それは無理だし、そうは言ってないけど。
そんな理由があって、街に居るしかないのだとしたら、
向こうもいきなり襲ってくる無茶な真似はしないんじゃない、ってだけよ。
んじゃまあ、いつまでもこんなところに居ないで、とっとと移動しようぜ。
腹減ってきたし。
行く場所はとりあえず、フーゴーの宿でいいのか?それとも、もう街外れで待ってるか?
アタイは何処でも構わないよ。
あ。けど、途中で露店で軽く飯買わせてくれな。腹が減ったら戦は出来ねえし。
[まさしく、いつも通りの調子でレナーテがあっけらかんとそう言った]
[こっちはこっちで、単純に風の報せがある事と、魔法相手に張り詰めていても仕方ない、という考えがあるが故の事なのだが]
……つーか、そこまでは言ってねーって。
[レナーテに他意がないとは気づけず。
声にはさすがに不機嫌な響き]
……下街の連中黙らせるだけのモンだしね。
[ハンスの言葉には小さくため息を]
上?
[ハンスの言葉に、思わず天井を見上げてから、意味が違うのに気付いた。
そして、別に小さくも無い独り言を漏らす]
あ。あー……。
だから、親父が別仕事な訳か。
アーベルに任せる。
[行き先については短く]
[その声も掠れが少し酷くなってきたか]
伝えていなかったか。
まあそういうことなんだ。
[上というのに反応する二人に]
[通じはしたようだったからやはり省略系で言って頷いた]
……人が多いとこ、なら、おっちゃんの宿の方がいいかも。
露店、結構しまり気味だし。
[ぼそ、と呟いて]
……親父さんが、別仕事……って?
[それから、レナーテの独り言に、不思議そうな呟きをもらした]
うん、伝えられてなかった。
……なぁに?
[ハンスに答えてから、
髪を掻く弟に目を向けるも、またすぐ戻して]
今は聞かない、喋りすぎなくらいだもの。
[言葉に含められているのは、裏の意味より、そのままの意味。
その腕を取ろうと、手を伸ばした]
行きましょ?
[レナーテに向けかけた疑問はアーベルに先に出されたから、その答えを待つ]
[三者三様の返し方に]
んー。そっか。
心の準備っつっても、人それぞれ違うもんか。
まあ、そりゃそっか。ははっ。
[悪びれも無く笑った。
体育会系は、自分と他者が同じ考えを持っているということが往々にしてある]
[その後は、3人の意見により、レナーテもまた付き従うように*動いただろう*]
[アーベルから来た質問には、照れたような笑みを浮かべて]
ああ、いやいや。
アタイの予想でしかないし、確定しているわけじゃないから、言うのはやめておくよ。
外れてたら恥ずかしいし。
ただ、あの親父は、アタイには想像もつかない世界で仕事している人間だから。
[と、答えになっているんだかなっていないんだか分からない*答えを返した*]
……ねーさんでも想像もつかない世界って、それ、どんな世界……。
[レナーテから返る言葉。
思わず、呆れたような声を上げていた。
同時、ふと、過ぎるものもあって]
……世界は広い……ってこと、かな。
[ごくごく小さな声の呟きが零れ落ちた]
ん、まあ、とにかく、さ。
[は、と一つ息を吐いて。
がじ、と蒼の髪を掻く]
ハンスのにーさんも調子悪そうだし、真面目に休憩した方が良さそうだよね。
……フーゴーのおっちゃんとこ、いこか?
さすがに、あそこで仕掛けてはこないだろうし、ね。
[いつまでもこの場にいても仕方ないのは確かな事、と割り切りつつ、こう言った]
ああ。
[エルザに感謝の眼差しを向け]
[伸びてきた手に数度瞬いた]
[触れられた手に引き出される懐かしい記憶]
[歌っていると呼びに来た手の持ち主]
[ただ一緒に歌うことが楽しくて][歌うことは楽しくて]
[記憶の中と同じように腕を取られるまま]
[促されるまま歩き出す]
[腕を取ろうとしたハンスの様子にはこちらも瞬いて]
なぁに。いや?
[いなくなって、歌うことを止めてしまって。
伸ばした手は、その指は、奏者のそれになってはいたけれど。
問いかけるさまは、昔とさして変わらない]
[行きましょ?と皆を促し、*歩んでいく*]
広いね。
[途中アーベルの言葉には顔を向けて]
時に心細くなる位には。
[故郷を確認したくなる位には]
[逃げ出したはずのイキシアであっても]
[休憩を言われれば謝罪と感謝に軽く目を伏せて]
[エルザの問いには小さな笑みを浮かべて首を振り]
[共に移動*していった*]
[首を傾げる姉の様子に、軽く肩を竦め。
レナーテにも、行こか、と声をかけて歩き出す。
周囲揺らめく風は、今は穏やかに流れていた]
……心細くなる、か。
[ハンスの呟きを、小さく反芻して]
それでも……。
[続く言葉は、声には乗らず。
聞き取ったのは、肩にとまった翼ある友のみ]
…………。
[ふる、と首を軽く振る。
今、考えるのは、終わらせる事だけ、と。
そんな風に、*意識を切り換えて*]
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