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―隔離エリア―
私の?
ああ。変わりませんよ、同じく。
[自然と苦笑が浮かんだ]
総帥アルトゥルの目に留まるよう動くこと。
「もう一つ」の能力も出来る限りに使うこと。
そう言われて来たのですが。
…その通りには運べませんでしたから。
[「阻む」、ということばを聞いた瞬間、珍しく、本当に珍しく、わかりやすい程に動揺していた]
あ、あんた、ヤツの組織の者、なのか?
―隔離エリア―
[動揺と共に問い返されて失言に気がついた。
声が詰まり、一瞬の間が空いてしまう]
…組織員ではありません。
仕事上での繋がりはありますが。
[緊張しながらそう答えた。
クリーチャーに備えるために握ったピンが存在を主張する。
だが変形はさせず、強く握り込んだ]
─北エリア・林─
……て、さすがにこれは……!
[ロミの言葉に従い、倒れ込む樹。どうするか、との思考は短く。
一本に集中して、それを右腕──龍の腕で、受ける。
龍鱗を備えた腕は樹を押し止めるものの、衝撃と、それが伴う痛みに肩が悲鳴を上げるような心地がした]
……おりゃっ!
[その痛みを堪えつつ、掛け声と共に力を込め、止めた樹を文字通り叩き折る事で強引に空間を空け、上へ。
叩き折ったそれがどこに落ちるか、を確かめる間もなく、オクタヴィアの砲撃が樹の一本を破壊した。
その余波を避けるべく、上へと抜けて]
……いやはや、ホント、女は怖いねぇ。
[ぼやくように言いながら、右腕を振る。
龍の鉤爪が消え、代わりに、漆黒の針がその手に現れた]
……ナーデルレーゲン。一回くらいはいけるかね。
詳しく聞きたい所だが…、
[頭をひと振り]
…あんたとは、やり合いたくない。
そういう状況にならない事を祈るしかないな。
[武器を構える素振りさえない]
―北エリア・林―
[オクタヴィアの射撃――ライヒアルトを狙うと見えたは、錯覚。
砲弾により爆砕された木の破片は、こちらへ向けて降り注ぐ]
しまっ――
[咄嗟に両腕を交差させ、顔を庇う。
次々と激突しては通り過ぎて行く破片。
その内の一つの感触がおかしかった。
どうにかやり過ごしたと思い腕を動かした瞬間、それは激痛に変わる]
ぐっ……刺さった、だか……
[顔を顰めながら、左腕の肉に深々と刺さる破片を引き抜く。
槌の重量が再び掛かれば、その痛みは泣き出したくなるほどで]
だども……ここまで来て降参なんて、『面白く』ねえだろうなあ……。
[ライヒアルトの手の漆黒を横目に見ながら、少女もまた己の『力』を大地に染み込ませて行く。
集中しながら相手の攻撃を避けられるか、二人を倒す所まで気力が持つか、ほとんど賭けに近い]
いんや。もう、ここで決めるしか――やるしか、ねえ!
[血が染み出すのも構わず、ぐっと鉄槌の柄を握った]
―隔離エリア―
それは同じく、ですが。
[遣り合いたくないと思っているのは本当だ]
即断即決即行動の死神には、珍しいことですね…。
[武器を構える素振りはない。
が、能力を他に持つのもしっているから完全に気を抜くことは出来ない。こちらにはその理由が分からないから]
…私も祈りましょう。
そんなことにはならないように。
[言葉と裏腹に手の中には武器が作られた。
細剣の一撃はアーベルに背を向けて、岩の間から飛び出してきたものへと突き出す。
だが効果は薄かった。相手の性状との相性が悪い。
ゼリー状のクリーチャーから伸びた触手が手に触れ、刺激物で肌を焼かれた]
/*
こういうの、無茶振りに感じられたらごめんなさいです。
表の三つ巴も凄いです。やっぱりお願いして良かったと思う。昨日の気分を引き摺った私では出来なかっただろうと。
/*
あ、もしかしてアーベルさん鳩…?
そうすると無茶振りでなくても辛く。
すみません。気付くのがいつも遅いです…。
[急に背を向けたユーディットを怪訝に思う間もなく、スライム状のクリーチャーを視界に捉える]
[即座に反応、バックステップしてきたユーディットと体を入れ換えると、躊躇なくスライムの中に掌を叩き込む]
[ジュッと音を立てて手が灼かれるが、構わず最大出力で電撃、スライムを爆散させる]
─北エリア・林─
[降り注いだ破片がロミを傷付け、樹木の集中からどうにか抜け出したライヒアルトが宙を舞う]
(もう少しキーを撃ち込んでおきたかったけれど、限界かしら)
[周囲の高まった緊張にそう判断した。残りは自分で補うしかないと、バズーカを地面へ捨て置き両腕を胸の前でクロスさせ、両手を両肩に当てる。肩のタトゥーが消え、掌に具現するのはタトゥーから現れたかのようなアゲハチョウとスズメバチ。その大きさは実際のものより遥かに大きいものであったが]
耐えて下さるかしら。
そうでなくば困るのですわよね。
[呟きは極小さい。とある目論見はあれど、手を抜くつもりは無かった。両手にアゲハチョウとスズメバチを乗せた状態で二人の動向を窺う。動きがあれば、直ぐに返すことが出来るように]
―隔離エリア―
な。
[アーベルの電撃に頼ろうとは思った。
だがそこまで無茶をするとは思わなかった]
また…無茶をする。
[呻く声に急いで近寄った。
頭痛がする。構わない。
消毒と痛み止めの成分を含ませた物質を掌に生み出し、アーベルの爛れた手を握ろうと伸ばした]
─北エリア・林─
……どーやら。皆様、やる気のようで。
[傷を受けながらも構えるロミと、何やら構えるオクタヴィアと。双方の様子に、小さく呟く。
口調は軽いが、さほど余裕があるわけではない]
……ま、ここまで来たわけだし。
[呟きながら、漆黒の針を両手に]
やれるだけはやらんと、さすがにカッコつかねぇしな。
[す、と。常磐緑が細められ、ゆっくりと腕を胸の前で交差させる]
……今度がほんとの、大盤振る舞い。
出し惜しみなしの一撃、ご覧あれ、と!
[言葉と共に交差していた腕が、左右に開く。
勢いをつけて放たれるのは、針の雨──否、乱舞]
/*
くろ ねこ さん wwwwwwww
ダイス振らない選択して正解だと思いました、まる。
[お試し → [18]]
[大人しく手を差し出して治療を受けながら、]
…便利な能力だな。
さっき言っていた、「もう一つ」の能力か?
[いつの間にか、ユーディットの手を握り締めている]
[オクタヴィアの手に、蝶と蜂が具現する。だが、今はそちらを気にしている余裕はない]
(『力』が残ってる内に――『鴉』さの翼を折らねえと!)
[ライヒアルトに向かい、駆ける。
その眼前、無数の針が煌めき舞っていた]
――『跳ぶ』!
[足元の地面に向けて念じた。より高く、より速く、自分の体を持ち上げるように。
針を越え、更にライヒアルトより上空を取らなければ、攻撃は当たらない]
あああぁぁぁ……っ!
[土の力で空を飛ぶ。
その矛盾は莫大な負荷となって、全身を軋ませた。
この一撃を当てられても、その次の、即ちオクタヴィアの攻撃に対応出来るかはわからなかったが。
それでも今は、目の前の相手だけを見据えて――]
堕ちろ――っ!!
/*
うーん、正直こちらへの攻撃がほぼ無いのも少々やりにくいのですけれど。
負ける宣言しているのですから、一欠けらくらいは欲しいところですわ。
―隔離エリア―
ええ、そうです。
けれど使いこなしきれないので。
[差し出されたアーベルの手を握り皮膚に浸透するよう送り込む。
痛みを多少和らげることはできるがそれだけ。本格的な治療には程遠い。
頭痛が更に酷くなり堪えるように顔を顰めた]
こちらが生来能力だったら便利だったでしょ、う。
…あの?
[離そうとした手は握られたままで。
眉を寄せたまま怪訝そうな声を上げた]
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