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─浴室─
…私は、皆に守られて、生かされてきたから。
エステル先生に、ヴァルタに、屋敷の皆に─…ゼルに、貴方に。
私の命は、皆に与えてもらったもの。
だからね、アーベル。
貴方が、私を殺したいと思ったら、殺して、良いのよ?
[浴室も暖まり、入浴出来るようになって。
アーベルが外へ出ようとするその背中に、穏やかな声でそう言った。
彼は刃を持っているから、そうしようと思えば簡単に出来るだろう。
殺してとは、言えない。
己が人狼であったなら、そう頼んだろうと思うけれど。
でも、自分は人、だから。
だから、殺されても良いとだけ、伝えて。戸を閉めた。]
[にぃ、という鳴き声にまた顔を上げる。
クレムの手の下からそっと離れて。でも二人が見えるかどうかの遠巻きな位置でまた足を止めてしまった]
[服を脱ごうとすれば、ところどころ血が乾いて張り付いていて。
肌から離そうとすれば、多少の痛みが走った。
その痛みは、自分が生きている証拠。
そして、この血はゼルが流し、命を落とした証。
目を閉じて、また零れそうになる涙を堪え。
アーベルに準備してもらった浴室へと入り、身体を洗い流した。
お湯の温かさに、強張る身体が緩く解けて行くのが解る。
じわりと、目に熱さを感じたのは。
湯の温かさに解けて、滲んだ。]
そう、なのかな。
[自分の気持ちを語るというには、少し不安定な声。
考え込むように目を伏せたけれど、すぐにナターリエをじっと見詰める。
蒼花として――違う。わかっている。だけれど、そう言うことはない。
痛みはあるけれど、それに蓋をする]
そうだね、きっと君も――僕と同じように、役目が望むのだろう。
シスター…ナターリエが彼を庇っている間、苦しかったんじゃないかな。
[彼、といって、視線はライヒアルトの体へと落ちる]
責めていいんだよ、僕のことを。
……僕は君にも言っていないことがあるんだ。
……変わってしまうほど、苦しめたんだね。
[>>+66少年にも気づかれたと知り、意を決して歩み寄る。
金色で見上げながら何度か口を開いて閉じて。
ようやく言葉に出来たのはそんなことだった。
視線は夜闇へと落ちる]
僕は、彼に詳しくないよ。シスター。
ただね、"朱花"なら、
……許さないんじゃないかな。
[言葉を出せば、首筋の痛みがわずか、引いた。
それが答えだった]
……ごめんね、ナターリエ。
僕は、花より人で居たいんだ。
[少し笑って、それから、落としてしまったストールを取る。
自分の手から離れてしまった猫はどこにいったのだろうか。
少し考えるけれど、すぐに首筋を、花を隠した]
エルが戻ってきたら、ちゃんと運ぼう。ライヒアルトの部屋は、どこだろう?
それとも君か、…司祭の部屋かな。
[そう尋ねて、首をかしげた]
アーベル、寒いところに居させてごめんなさいね。
待っていてくれて、ありがとう。
アーベルも、お風呂頂いたら?
[血に濡れた服は、ひとまず水につけ目立たぬ隅に置いておいた。
入浴自体には然程時間をかけることはなく、程なく着替えも済ませると外で待っていてくれたアーベルに声をかけた。
廊下は冷えただろうと、彼にも入浴を勧めたが何と返されたろうか。
今入るのか、後でか。
どちらにしても自分は暖炉の熱で髪を乾かそうと、広間に向かい。]
…フォルカー、ちゃん?
[隅に座る、彼女に気付き名を呼んだ。**]
[人狼は誰か。
――自分を蒼花だと知っているのは、誰か。
知らないのは誰か。
頭の中では理解してしまう。
だから蒼花は、意識を苛んでゆく。
痛みが止まることは――無い**]
ああ、そうだな…易しくて…優しくないな
[頷いて、そして黒猫が気にしていたほうへと向かったエーリを見送った後小さく呟いた。
実年齢では下だが、見た目上今はこちらが上という考えらしい。
エーリが向かった先に誰が居るのかということも確認せずに、目を閉ざした。
クレメンスが後に尋ねてきても、おんぶするのとかは拒否するだろうし、説教なども受ける気はほとんど*ないだろう*]
……ごめん。
[>>+68二対の翠から逃げるように金が逸れる。
別の闇に囚われているような青年の姿は見えただろうか。>>+64
謝る資格もないと思いながら、それでも口にして。
曖昧な問いに、また項垂れた]
うん。
結局何も変えられなかったけれど。
[痛くても、あの場に残って居たかった。
それは他者にも痛みを強制すると知りながら]
/*
いうてから、こんな事を呟くのもアレですが。
……答え合わせのできない疑問だよなぁ、これ。
『場』システム自体が、理不尽な因果の歯車だからなぁ。
いや、その中でもがいたり葛藤したり、が凄く好きなので、この設定ずっと継続してやっとるのですが。
[>>+71伸びてきた片手に気づくと怯えながらも、逃げずに。
もうこれ以上逃げられないという思いがあった。
予想していた以上にその手も声も優しくて。くぅ、と喉が鳴る]
うん。同じだったのにね。
[自分の願いだけを押し通そうとした。
そのせいで、まもりたかった人にまで辛い思いをさせている]
エーリはそれを探してた?
俺は、見つけられなかった。
[冷静に考えれば、あのまま突き進んで無理を通そうとしても、まず通らなかっただろうと思う]
もっと良い方法があったのかな。
[手伝うだけでなく、自分からも調べていればヒントがあっただろうか。後悔は先に立たず]
/*
困った。パソコンの電源入らない。
これがもう一日前だったら仕事箱こっそり持ってきたのに…!
鳩頑張る(´・ω・`)
[>>+72 くぅ、と喉を鳴らすのに応えるように、夜闇がにぃ、と鳴く]
……うん。
もしかしたら、あるのかな、って、思ってた。
[伝承の中には、人狼がどうなったのか、曖昧な記述のものも幾つか存在している。
人と狼が手を取り合い、どこかへ消えた、という御伽噺めいたものもあった。
ただ、教会に残されている記録では、人狼は全て屠られたか、或いは全てを喰らい尽くしたかのどちらかしかなくて。
だからこそ、それが気になって、調べていて。
持ち込んだ資料には、それら『例外』に対するまとめもあったのだが]
少しでも、いたいのが減らせるなら。
見つけられてると、よかった、ね。
/*
教会に残されてる資料に、滅び以外の人狼生存パターン(泡沫ブリス&エルザ、白雪アーベル&イレーネ、羽月イレーネ&フォルカー)の記録が残されてるとは思わない俺がいてます。
少なくとも、一般人が閲覧できるとこにはねぇだろ、と。
同じく、狂信者の存在も、記録には明示されてないと思うんだよねー。
[>>+73夜闇の翠に金を向けて。ゆらり尻尾が揺れる。
クレムの言葉を思い出せば、こちらが本来のエーリなのだろうか。
けれど話できるのは少年のようなので]
手伝ってる時は、そんなこと思いもしなかった。
人狼は神に逆らいし獣。滅ぼすべきもの。そうあったから。
[まさか自分がそうだなんて、もっと思いもしなかった。
伝承は旅していた幼い頃に聞いたものが多く、それらは子供向けの御伽噺だと馬鹿にすらしていた。だからエーリの持ち込んだ資料を見る機会があっても、借りて読んだりしようとはしなかった]
でも。俺は。
[神に見捨てられたかと思っても。信仰は兄や姉、弟妹達との思い出とも深く関わっているから。中途半端に捨て切れなかった]
ちゃんと調べなかった、バチが当たったのかな。
[苦く笑う]
[ラーイの様子に、静かに背中を撫でて。
そっと、その場をはなれようと。
見た目が若かった事に気付いただろうか。
もし、引き止められたらそのまま二人の傍にいるつもり。]
[>>+74 本来の、といえば、そう呼べるのは夜闇の猫。
しかして少年の姿は、痛みを知る前への回帰を望む本能が取らせているもので、夜闇はそこから溢れた部分だから。
どちらも本人と言える]
うん……みんな、そう、思ってるから。
……でも、かーさん、違ったの。
だから、調べたくなったの。
[研究を始めた理由は、今は亡き母。
故郷を失い、親類を頼ってこの村に流れてきた、という彼の人は、もしかしたら人狼と関わりがあったのかもしれない。
今となっては、確かめる術もないが]
そんなこと。
……ない、よ、きっと。
[苦く笑う様子が見えたなら、また、ぽふぽふと撫でる]
そんな風に思うと、みんな、いたい、よ、きっと。
[>>+75クレムの髭の無い顔は、昔はよく見たというか、最初はそっちで記憶されているものだから。気がつくのが一度落ち着いてからになってしまったらしい]
そうだったんだ。
そんなことも、知らなかった。
[友人と呼ばれるほど気安くまでなっていても。
過去に触れようとしなかったのは、自分は父の最期を思い出したくなかったから。自然の病だけであそこまで酷くなったとは思えない。死の詳細は教われなくても、思うところはあって。
今となってはそれもまた確かめようがないけれど]
そうかな。
そうなら、いいけど。
……傷つけたい、わけじゃない。
[金色を伏せ、尻尾は足の間に縮こまらせながら。
ぽふぽふと撫でられる感触に、笑みの苦さを*薄れさせた*]
……いわなかったから。
かーさん、狼の事、話すと、つらそうだったから。
[だからこそ、母が死してから、興味が向いたとも言える]
うん……きっと、そう。
だから、そんな風に思うの、よくない。
[静かな言いながら、また、ぽふぽふと撫でて]
いたい思い、させたくないの。
みんな、同じ、なんだから……。
[呟くような言葉に続けて、夜闇の猫がにぃ、と鳴いた**]
/*
うむ。
やはり、休日に墓下にいると俺は歯止めがかからん。
つうか、リアルに!
さむいよ!
……初雪来るかなぁ、コレ……。
―一階・広間―
[ただなにをするでもなく、ぼーっと席に座っている。
ここしばらく、ろくに何も口にしていなかったけど、気にならなかった]
ああ、ブリジット……
[声をかけられて、向ける赤の相貌はどこか朧気な様子だった。
アーベルの姿も一緒にあるならば、そちらを見る時に感情のあらわれを見せるだろうか*]
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