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[アマンダはミハエルの嗤い声に、怪訝そうに眉を寄せる。
けれど、アマンダは四季廻るを是とする大地の精霊だから、氷の精霊の心がわからないまでも、否定することなく。
幾分か身の回りが安定すれば、先へと帰った人々を追おうとして、ふと振り返る]
そういえば…シスターは? どこに…?
[夜を狩場とするシスターが居ない事はさほどおかしくはない。
されど、住処とも言える場所での狼藉を赦さぬ誇り高き一族のはず]
何か、あったのか。それとも…
[呟きは風に消えて。アマンダはKirschbaumへ行くべく足を向けた]
豚になったら、食べられてしまうよ。
それは、あまり嬉しくないことだ。
[差し出されたのが左手だったのはさいわいでしょうか、ベアトリーチェは右の手をそっと乗せました。左手首の腕輪は袖に隠れて、よく見えないかもしれません。]
大丈夫だよ、寝たりなんてしないもの。
[手ごたえは掴めた気がする。
力の流れが、なんとなく。
…そのときに捉えたものが、なんだったのか、誰だったのかは、
まだ、よくわからなかったが。
よろりと手をついて立ち上がり、顔半面を血に染めたまま、ゆっくりと遺跡をあとにする。]
くっくっく…。
そんなものは、私に最も関わりのないものではないか。
下らない。
[そう言った声は、アマンダへ届いただろうか。ミハエルはそのどちらであれ、構わない。それは己にむけて発した言葉だったから。
アマンダの後について、オトフリートもKirschbaumへ向かったのだろう。彼らの後ろ姿が遠ざかる。]
[空になった聖堂に、笑い声が響いた。]
[教会をふらりと出て行くオトフリートの姿が見えましたが、こちらには気附いていないのか、ひとりでどこかへと向っていったのでした。その手のうちに天聖の力を持つ指環があることは、今のベアトリーチェにはよくわかりました。けれども声をかけることはなく、代りに左の手で無限のかたちをした輪をなぞります。]
[ぎゅっと握る手から流れ込むは天聖の気だろうか?
...にはよくわからないが、取りあえずにやりとし]
ベアトリーチェが豚になったら、おいしいカツ丼にして食ってやるから安心しな。
[物騒なことをいいながらも、三人と一匹は家路につく]
―……→Kirschbaum―
−Kirschbaum・一階−
[カランカラン、人の少なくなった店内にベルの音が響きます。二度目の「こんばんわ」の挨拶をして、ぺこりと頭を下げました。二階へとゆくのでしょうユリアンから手を離して、カウンターのそばまで寄ると、いつものように椅子によじのぼります。]
なにが、いいかなあ。
[そのまま、メニューとにらめっこ。]
―教会―
[ひとしきり笑い終えて、息を吐く。
笑ったことなど、久しく無い。ましてや声をあげて。
残響は高い天井を上へ上へとのぼっていき、やがて消えた。]
[再び静まり返った聖堂に、足音が響く。]
[教会をあとにした。
広場へ出る。夜空は澄んで、不穏さの欠片も残していない。]
―Kirschbaum―
[出たときと打って変わって静かに扉を開け。
出迎えたハーヴェイに...は手短に教会での出来事を話した。影輝の精霊が捕らわれた話を聞いたときのハーヴェイの表情の変化を読みとれるほど、...は経験を積んでいない]
[...はベアトリーチェの手を離して二階に登る]
−→Kirschbaum−
[アマンダはオトフリートがいつの間にか後ろから消えていたことに気付かない。
先を行く三人と一匹の後を、ゆっくりと追ってKirschbaumへと着く]
…おかえり。
[三人が扉を開けた時に零れた言葉は、ベルの音にかき消され、届かなかったかもしれない。
アマンダも、それに続いて店内へと入る。何か水分が欲しかった]
[赤い髪をみとめ、後ろ姿に向かって歩きながら、声をかける。]
無事だったのだな。損なわれたとは、思っていなかったが。
いや、無事では無いか。血の臭いがするな。
[ダーヴィッドの顔の半分、殆どを濡らす血の、香りを夜風が届ける]
[注文を済ませてしばらく、眼の前に置かれたのは綺麗に整えられたチョコブラウニーと薄く湯気を立てるホットミルクでした。フォークでそっと崩して、口の中へと運びます。]
―Kirschbaum・二階・ティルの部屋―
[...はそっとティルをベッドに横たえた。
あちらこちら傷つき、壊れているカラダ]
ティル、今日はゆっくりおやすみ。
[ただそれだけを声に乗せて、...は立ち上がる]
[三つ花の蝶はひらひらひらり。
主人を心配するかのように辺りを舞ったかと思うと、
額に止まって姿を消した]
[アマンダは、座る者のない指定席にふと視線をめぐらせ、何か頼もうかと考える。確か、彼は言っていた]
疲れた時には、甘いもの…?
[そうは言っても長々と水と果物しか頼まなかったアマンダに、メニューなんてわからない。
ベアの持つそれを、首を傾げて見つめた]
[甘いものを食べると元気が出ると云いますが、たしかにベアトリーチェの沈んだきもちは紛れていたのでした。こちらを見るアマンダに、反対向きに首をかしげます。]
食べる?
…ちーと無茶しに行ったら巻き込まれた。
ぶつけただけだからたいしたこと無いさね。
ちょっと休めば大丈夫。
[背中にかけられた声に、端的に答えてKirschbaumへ。
店内に入ればおそらく驚かれるだろうが、本人は気にせずソファーへ身を預けて*目を閉じるだろう。*]
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