人狼物語 ─幻夢─

72 天より落つる月の囁き


修道士 ライヒアルト

[叫びに気づいて集まった者たちに向けられるのは、無機質な天鵞絨。

昨日までは確かにあった、感情のいろは見えず]

……闇の眷族の牙により、見極める者は失われた。

[淡々と綴る言葉と共に向けられるのは――淡い、笑み。
緩められた襟元や、手首から見える朱の茨とも相まって、それは異様な様相を織り成す]

……終わらせなければ。
朱花宿せし『神の使徒』の名において。

……全てに、制裁を。

[闇の眷族に、ではなく、全てに、と。
紡がれる言葉の意図に気づく者はあるか。
砕けたこころを閉ざした茨は、そこから溢れた思いを糧に、狂った花を静かに咲かせて。

いっそ、穏やかとも言える微笑と共に、狂える茨はその棘を向ける先を探す。
狂気を咲かせるきっかけを作った――望まずして作ってしまった者の姿を。**]

(42) 2012/01/19(Thu) 09:24:45

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