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そう、だね。
すごくできが悪い。
[少女は、エーリッヒの言葉>>11に頷く。
ツルバラは、誰の目にも視認できる位置まで伸びていた。]
うん。
前にも、そういってくれた、ね。
[少女が手を汚す必要はない。
ローザがカルメンを殺した日に聞いたのと同じ言葉に、クスクスと笑った。]
……我が儘だけど両方、かな?
人としてのあたしは違うって言って欲しい。
朱花としてのあたしはそうだって言って欲しい。
[問いに返された問いに、正直に答える。]
―広間―
[先程まで男の座っていた椅子の上には、一冊の黒い手帳が置いてあった。
表紙には名が刻まれていて、誰のものかはすぐ知れるだろう。
その頁の途中には一枚の紙が挟まれ、閉じたままでも分かる程度にはみ出していた。
真面目な男らしい、几帳面な文字の並ぶ手帳の中とは違い、紙にあるのは殴り書いたような乱雑な文字だったが、それでも何が書いてあるのか判別する事は可能な筈だ。
そこにあるのは、過去に起こった一連の人狼騒動の真実。
人狼の発祥と、教会の関わりと、『場』の条件と、快楽と苦痛と。
そして一番下に、丁寧な文字の一文が加えられていた。
『何らかの要因により、通常とは異なる形で、“場”が崩れるケースもある――』]
― →階段―
[二階へと上がる階段の途中で、男は立ち止まった。
シスターを人狼と告げる娘の声>>8が、その耳に入った]
嗚呼。
彼女でも、越える事はできなかったか。
[小さく息を吐いて、手を組む。天井を仰ぐ]
……願わくば。
止まらぬ『突風』の進む先が、主の御意志に沿うものでありますように。
[教会ではなく、神の意志と、男は呟いた。
2つは似ているようで、大きな隔たりがある。少なくとも、男はそう思っていた]
/*
ネタばらしきた!
ふむり、最終日ふらぐ、かな。
しかし、中身に生存する気はないのであるよ。
白雪と同じルートは、行く気はないのじゃった。
修道士 ライヒアルトが「時間を進める」を選択しました。
間に合わなかった。また。
[クロの首筋から吹き出したのだろう血は、部屋を赤く染めていた。ナタの手は、人が持つはずのない鋭い爪が伸びて同じ赤に染まっていた。けれど]
……ナタ。
[倒れてもなおクロの方を向いている、その顔に浮かんでいたのは慈愛に満ちた微笑だった。
シスターらしく、優しすぎて、胸が苦しくなる]
[青年の答えは、どうだったか。
少女は表情を変えぬまま、青年の方へと足を踏み出す。]
…本当なら、役目を重んじるべきなんだろうけど。
でも、あたしにとって一番大事なこと、なにより優先させたいことがあるの。
[少女は青年の正体と共に、目を背けていた感情を認め、受け入れ。
あと一歩、踏み出せば手が届く場所で立ち止まった。]
[当てもなく歩く。
暗い世界を漂うように。]
幕切れは唐突。花は散ったら戻らない。
貴方の前では良い子でいたかったけど、最期まで私は醜かった。
てもそれも おしまい おしまい。全部おしまい。
ろくでもない人生だった。次があるなら、もっと上手く生きたいわ。
[振り返り、見る光景はカルメンだったものを抱いて泣く女性。]
私に愛をくれたのは、貴方だけよ。
貴方が男の人だったら良かったのに……って、実は何度も思ってた。ふふ。
でも、もし貴方が男の人だったら……きっと私達、友達にはなれなかったもの、ね。
だから、これでいいの。
[銀の髪飾りがキラリ瞬き、女の魂は闇に消える。**]
― →ナターリエの部屋前―
[男は決して急ぐことなく、その部屋へと向かった。
先に立つ2人の背後から部屋の中の惨状を見て、眉を顰める]
……相討ち、という事か。
[死の直前の彼女の望み>>4:172通り、その死を悲しんではいたのだろう。
それは人間に対するものと変わらず、他人に対するものとも変わらない。
男はそっと十字を切って]
弔いをせねばな。
[そう言い出したのは、それからどの程度時間が経っての事か。
神に仕える者は、ここにはもう一人しかいない**]
……俺、は、『俺』。
エーリッヒであり、ラファール。
[人としての名と、銀の獣としての名。
その二つを同時に告げる]
けれど、どちらか一方を選べ、と言うなら……。
俺は、風で……ラファールで、あり続けるよ。
[そう、静かに告げて、手を離す。
あの時──家主に、記憶が戻ったか否かを問われて、剣を向けられた時。
そうある事を受け入れ、その在り方で生きると選んだのだから。
それを曲げる意志は──ない]
[告げた後、踵を返して向かうのは、窓の方。
容易くは開かぬように、確りとした建て付けと施錠のされたそれを、半ば力任せに開く。
吹き込む風に翠が細められるのは、一瞬。
窓枠に手をかけて床を蹴り、そのまま外へと飛び出し、森へと駆ける。
金色は、すぐに消え。
白へと消えるは、銀色の、影。**]
研究生 エーリッヒが「時間を進める」を選択しました。
/*
うむ。
大量にふらぐをぶち折った気がする(
まあ、元々生存考えてないしなー……っていうか。
やはしあれだなあ、くろくなりきれん……。
これ、中身の気質なんだろうか。
[死に伏してから、意識は死した場所に現れる。
自分とクロエの死体が目に写り、ライヒアルトの言葉>>3:68>>3:69がふと浮かぶ、彼の意味したところは、何か違った気がした]
すみません、いろいろとお願いします。
[申し訳なさそうに後から来た人たちに、頭を下げる。それが伝わることはないだろうが。
そしてライヒアルトの姿が見え、呟く声、胸が痛む。何かが違う。
でも自分の知る限りでそれが思い浮かばない。
悲しむ様子はとれたのは少しばかり、こんなときでも嬉しかった]
ライヒ、兄さん…私……間違えていたかな……?
[疑問の声に答えは変えるはずもなく、その場に先に逝った者がいて聞こえていたとしても正しい答えはわかるはずもないだろう。
向ける視線はライヒアルトに向いたまま、自らのことを頼むことになるのは申し訳なさそうな様子でいた**]
うん、我が儘だよ。
どっちもあたしだもん。
[えへんぷい、とやりながら、少女は伸ばされる手>>23を拒むことはない。]
ラファール…。
[明かされたもう一つの名>>25を口にして。]
ちがっ、あたしはそんな意味で言ったんじゃ…!
エーリッヒさ…、ラファール…!
[続いた言葉に否定を口にしたものの。
離れる手に。確りと建て付けと施錠された窓を開け、森へと狼の姿をとって駆けて行く人>>26の名を、叫んだ。]
[暫くの間、エーリッヒであり、ラファールでもある窓の外にある森を眺めていたが。
何かあった時のために、開け放たれた窓を細め。
完全に閉めないのは、青年が屋敷に戻ってこれるよう。
ふと広間を見渡すと、確かにいたはずのライヒアルトの姿が無くなっていて。
修道士の代わり、と言うように黒い手帳>>16が残されていた。]
…なに、これ。
[手帳からはみ出した紙に気づくと、それを引っ張りだして。
少女は真剣にそれを読みはじめた。**]
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